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みんなどこか変わってるから大丈夫

2016-06-16

ペルー大統領選挙についての日本の報道で感じたこと

先日、南米のペルーで大統領選挙があり、

フジモリ元大統領(→軍特殊部隊による民間人虐殺の共犯など、いろんな罪で現在収監中)の子である、

ケイコ・フジモリ候補が僅差で敗れる…という出来事がありました


「日系人」で大統領にまでなった人…という理由からなのか、

「日本ではいまだに評価されてる?フジモリ元大統領」の子ども…ということで

日本のメディアもなんだか、心情的にケイコ・フジモリ候補を応援してたようでありまして…↓

「フジモリの娘」断ち切れず=ペルー大統領選(時事通信 6月10日)

 ペルー大統領選決選投票で、ケイコ・フジモリ氏が再び敗北したのは、国民に根付く「フジモリの娘」というイメージを断ち切れなかったことが最大の原因だ。

 選挙戦は父アルベルト・フジモリ元大統領の支持母体が源流の政党に支えられ、支持者の多くも父から引き継いだ。元大統領の負の側面への総括もなかった。

 大統領選に初挑戦した前回2011年の敗北から5年。国内各地を地道に回って貧困層を中心に支持拡大に努めた。父親譲りの強い指導力で自身の政党を議会最大勢力に育て上げた。地元紙幹部は「どの候補よりも早く、熱心に選挙準備に取り組んだ」と評価する。

 勝利宣言したペドロ・クチンスキ元首相は「独裁ではなく民主主義を」と訴え、市民殺害事件などを起こした「フジモリ政治」を攻撃。反フジモリ票の結集に力を入れた。

 ケイコ氏は元大統領と距離を置いて対抗しようとした。当選しても、服役中の父の恩赦は行わないとし、元大統領への独裁批判には「私は同じ過ちを繰り返さない」と述べ、懸念の払拭に努めた。 


ケイコ・フジモリ候補が敗北したのは、ケイコ氏自身のせい…ではなく

お父さんの(イメージの)せい…なんていう見出しをつけてます

けど…

そもそも、この記事に出てるように、ケイコ・フジモリ氏が有力な大統領候補になったのは

「選挙戦は父アルベルト・フジモリ元大統領の支持母体が源流の政党に支えられ、支持者の多くも父から引き継いだ」

…からでありまして、それは「(ペルーの大統領だった)お父さんのおかげ」…つまり、

ケイコ氏が「フジモリの娘」だったから…であるところ

選挙に負けたときだけ「フジモリの娘断ち切れず」…と、

お父さんの(イメージの)ために負けた…なんて解説をするのは、奇妙な話です

(素朴に考えて、ケイコ氏がフジモリ元大統領の子どもでなかったら
 大統領候補にはなれなかったと思いますし…というか、政治家になれたかどうかもわからんで)


加えて、ケイコ氏の敗因は、

「お父さんの時代の負の側面の総括」さえしなかった…というケイコ氏自身の姿勢にあるので

これを客観的に解説するならば

「フジモリの娘」だったおかげで大統領候補にまでなったけど、自分自身の政治姿勢のために負けた…

ということになるので、「お父さんのおかげ」はあっても、「お父さんのせい」はなかろうが…と、ぼくは思います


ちなみに、ケイコ氏のもっと具体的な敗因は…

<ペルー大統領選>フジモリ氏惜敗 致命傷は陣営裏金疑惑か (毎日新聞 6月10日)

 ペルー大統領選は、下馬評の高かったケイコ・フジモリ氏が最終盤でペドロ・クチンスキ元首相の逆転を許した。専門家は、決選投票前に噴出したフジモリ陣営の裏金疑惑などが致命傷となったとみている。

 決選投票前に「クチンスキ氏が勝つ可能性はない」と断言していたパシフィコ大経済学部のホルヘ・ゴンザレス教授は、予想が外れた理由として、フジモリ陣営に相次いだ裏金スキャンダルと、第1回投票で落選した候補者の支持者の多くがクチンスキ氏についた点を挙げた。

 投票日まで残り半月に迫った5月20日、検察が資金洗浄の疑いでフジモリ氏を捜査していると現地紙が報道。また5月中旬、フジモリ氏が5年前の大統領選に出馬した際、同氏から選挙資金として1500万ドル(約16億5000万円)の裏金を現金で受け取ったと側近のラミレス国会議員が語る盗聴音声が、報道で暴露された。

 さらに、クリンペル第1副大統領候補が、親しいテレビ局幹部に働きかけ、ラミレス議員の疑惑を否定する報道をさせた疑いも発覚。陣営では、2月にファロク第2副大統領候補が有権者を缶詰と水で買収したとして候補者資格を取り消されていた。父のアルベルト・フジモリ元大統領を想起させる政治腐敗の印象をフジモリ氏は払拭できず、自滅した格好だ。〜


…という、「自分自身の疑惑」にあるのでありまして

この人への評価はどこまでも「お父さんのおかげで有力な大統領候補にまでなった」けど

「自分のせいで選挙に負けた」人…ということでよろしいかと思います




※ちなみに、日頃、トンチンカンなことばっかり書いてる産経新聞は

この件においても、そのトンチンカンさを遺憾なく発揮してて、こんな記事を書いてます…↓

ペルー大統領選 日系と距離…ケイコ氏痛手 若い世代に薄れる帰属意識(産経新聞 6月10日)

 歴史的大接戦となった南米ペルーの大統領選は、ケイコ・フジモリ氏のルーツである日系社会の投票行動が、明暗をわける一つの要素となった可能性が出てきた。リードするペドロ・パブロ・クチンスキ元首相との得票差はわずか4万票。同国の日系人社会は約10万人規模だが、全てがケイコ氏支持ではなく、「日系人の3分の1はクチンスキ氏に流れた」との声も出ている。若い世代の帰属意識の薄れなどが原因に挙げられる。

 フジモリ氏は選挙戦終盤で日系社会を重要視しなかったようだ。5月に首都リマで行われた2万人規模の日系社会関連イベントに招待されていたが、出席を辞退。関係者は「欠席し多くの有権者の票を失った」と話した。

 他方、ペルーの日系主要団体もフジモリ氏支持を明確に打ち出さず、選挙支援を行わなかったという。会社経営のマルコス・スズキ氏は「伝統的にペルーの日系社会は政治運動に消極的。フジモリ家との接点も少なくなっている」と話した。

 近年、日系社会には、ケイコ氏の父親であるアルベルト・フジモリ元大統領を知らない若い世代も現れ、その数は増えているという。

 日系人の女子大学生は「クチンスキ氏の方が経済に強そうだ」と指摘。主婦は「ケイコ氏はまだ若く、国の運営を任せられない」と話した。ペルーの日系紙「プレンサ・ニッケイ」のマヌエル・ヒガ編集局長は「インターネット上では激しい“反フジモリ”キャンペーンが展開され、日系社会の若い層はそれに流された」と説明している。


この記事の前提にあるのは

日系人は(その政治信条にかかわらず、まずは)日系人を応援するのが筋…と言わんばかりの意識でありますが

日系人(=祖先は日本人≒祖先は日本から来た移民)という帰属意識は政治信条に優先する…

なんてべらぼうな話はないわけでありまして、(日系人という)帰属意識と投票行動を結びつけて解説するのは

「アンタ、いったい何考えてんのん…?」という話であると思います

(まぁ、産経はいつだって「何考えてるかわからん」ねんけどな…)

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