ひよわ〜るど 1巻

ひよわーるど (1) (バンブー・コミックス)

ひよわーるど (1) (バンブー・コミックス)

最弱こそが最強とどこの誰ぞが言ったやら。


守屋さんは一見すると長い黒髪が特徴の和風美人。
しかしてその実態は、超絶的なまでに虚弱・貧弱な史上最弱だったのです。
儚いイメージとは程遠いながらも毎回見せるその貧弱ぶりは
えぇー!?と思ってしまうくらい想像を絶してます。
最弱キャラとしてはスペランカー先生が有名なところですが、
そっちとはまた違ったベクトルでの弱さを発揮してますね。
段差とかコウモリの糞で死んでしまいそうな感じであることは間違いありませんけど。
それでも何とか生きてる姿は関心しているのか
呆気に取られているのか自分でも見ていてわからなくなります。
むしろそんなことを考えること自体が野暮というもの。
何となく生きている様子を何となく眺めるのが一番いいのかもしれませんね。


とにかく人間としての生活ギリギリなまでにひ弱すぎる守屋さん。
虚弱・貧弱の『弱』から『じゃっく』のあだ名で呼ばれるその弱さは、
まさに史上最弱の名に相応しいです。

登校するのもすぐに疲れてしまうために数時間。
学校の階段を昇るにしても、一度に上がりきれずに座布団敷いてお茶で休憩してしまうくらい。

身体的なもののみならず、胃腸から何まで全てに至るまでが貧弱。
食事の量も人並みの半分以下で、普通に食べるとお腹が重くて動けない。
おおよそ、生きることそのものに向いていない。
だけれども、今ここにちゃんとこうして生きている。
果たして人間ってすごいと驚くべきところなのでしょうか。
普通にありえないくらいの弱さですが、
本作の何が恐ろしいかって、半分は実話だとか言う話・・・
さすがにここまでのレベルではないにしても、
ケーキが半分しか食べられなかったとか、小学生に腕相撲で負けたとか、
実は作者自身がそうらしいんですねこれが。
それはそれでびっくりです。


最弱こそ最強と、どこぞの誰かが言いました。
あまりにも人間のそれとはかけ離れている貧弱さを憂うことなく、
むしろ日々を満喫して飄々と生きている様が可愛らしいと言いましょうか。

普通に考えれば見ていて心配になりそうなキャラ立ちなのに対して
このゆるくもぬるいキャラ性はむしろ見ていて和ませてくれます。
弱いから全てのことが人並み以下でも人生楽しんでるなーってのが伝わってくるんですよね。

逆境に立たされた人生であろうとも、
結局は楽しんだ者勝ちってことなのかな。