待ち受けるは衝撃と笑撃のラスト!? 『渡職人残侠伝 慶太の味』 4巻

慶太の味 4 渡職人残侠伝 (ジャンプコミックス デラックス)

慶太の味 4 渡職人残侠伝 (ジャンプコミックス デラックス)

北は稚内、南は指宿、流浪の修行を続ける男・慶太。
その修行の辿り着いた先とは・・・
真面目にグルメ漫画をしていたかと思いきや、あらぬ方向へと突っ走り、
気付けば下ネタギャグとしても至高の領域に到達してしまった本作。
集大成ともいえる完結編がいよいよやって来ました。
一番最初に知ったのがマッチョな男二人が
裸でおしくらまんじゅうしていた回だったときの衝撃と笑撃は忘れない。
本編を無視した暴走っぷりも舵一つで可能なスピンオフって代物ですが、
色んな意味でその敷居を上げてしまった気がします。
確かに帯書きにある『本格グルメ』って煽りには間違いはないんですよ。
慶太は鮨職人だけど、和洋問わずオールジャンルで出てくる料理は美味しそうだし、
経営難の店を救ったり料理対決したりするのも抑えるところを抑えてる。
『凄い』と言うのもまた然り。
ただ、そのベクトルが四方八方に及びすぎていて、
色んな意味で凄いってのがまた・・・
そんなラストを締めくくる今回は偽者が登場したり、
喰いタンよろしく殺人事件を解決したりと大活躍。
これまでの全てが凝縮された最終回で待ち受けるラストには、
きっと唖然とさせられること請け合いです。

イルカに乗った少年ならぬイルカに乗った職人。
どうしてこうなったか気になったのであれば是非自らの目でご確認ください。
空腹と笑い、二重の意味で腹を満たしてくれるいい作品でした。


料理漫画にあるまじき筋肉率の高さは非常に漢らしさと男臭さを感じさせてくれます。
収録エピソード5本中、慶太が上半身裸になって筋肉を見せる率は何と100%!
うち、4本は平手打ちで説教するシーンがあるし、
格闘シーンが挿入されるのも2本ある。

曲がったことが嫌いな慶太の漢っぷりがよく表れているとでも言いましょうか。
それにしてもこの男、脱ぎすぎである。
兄弟弟子がヤクザに拉致されたら単身乗り込んで殲滅とか、
一体私は何のジャンルの作品を読んでたんでしたっけねぇ?
角刈りな頭と顔つきとも相まって、
これほどまでにカチコミが似合う料理人キャラはそうそういません。
実際強いし。
と言うか、2メートル超の巨漢に締め上げられてからの一撃は、
下手すると人殺してんじゃないかと。

頭蓋骨にヒビ入ってそうだし、割れてなくても陥没くらいはいってそうだし。
人間相手に格闘するだけじゃなくても脱ぎまくり。
潮の流れが強いとは言え、海に落ちて何故服が全部脱げる!?
妙に股間モッコリしすぎだし・・・

巨大鶏を捕獲するために格闘するのも何故わざわざ脱ぐ!?
捕獲成功したと思ったら、しっかりと鶏の股間掴んでたりするし。
この鶏も鶏で人間の言葉に翻訳すると慶太のことを小僧呼ばわりしたり、
『今宵の月は血に飢えている』とか中二病っぽい発言かましたりしていて、
ツッコミどころが満載すぎるんですけどね。

満載を通り越して全てがツッコミどころだから、
挙げたらきりがないってのが正直なところですが・・・


下ネタの領域すらも凌駕してしまったほどの笑いのインパクトたるや・・・
総じて見ると、かなりひどい(いい意味で)シーンがいっぱいです。
殺人事件の回では少年時代のザク様と殺人犯を探すために
『竹馬の友』ならぬ『指チュパのホモ』っぽい異様な光景を繰り広げ、
最終回では裏豪華客船の仮面舞踏会で天狗の面でツケ場に立ち。

恐らく今回の二大珍場面と思われるこの二つは本当にヤバかった。
何もこの見開きだけが異様なわけではなく、
前後のくだりもひたすら変態じみているんですけどね。
前者は家政婦のおばちゃんのアヘ顔とか誰得極まりない表情が飛び出すわ、
犯人が発覚したかと思いきや、バレリーナだからなのか踊りながら逃げ出すわ。

しかも忍者よろしく岩から岩へと飛び移るとか、恐ろしく逃げ足が早い。
この犯人、バレエじゃなくてSASUKEとか目指してた方がよかったんじゃ・・・
ミスターSASUKEこと山田勝己氏より好成績残しそうだし。
後者は慶太のみならず、ギャラリーまでもが裸祭り状態のカオス空間。
他の連中が全員パピヨンマスク的な仮面を着用してるのに、
一人だけ天狗の面って時点で違和感ありすぎです。

面以外は素っ裸で一般的な目で見たら完全に警察呼ばれるレベルなのですが、
ギャラリーの反応はと言うと、
『Wow!』『Oh!』『Tengu!』
Wow!じゃねーよ・・・
ここまで天狗の面が似合うキャラを見たのは、
どこぞのMr.KARATE以来かもしれない。
最終回はこの天狗登場シーンに負けず劣らずのシーンが目白押しなので、
この回を見られただけでも十分すぎるほどお腹いっぱいになりました。