湯けむり旅情、血染め色 『とんぬらさん』 8巻

とんぬらさん 8 (IDコミックス REXコミックス)

とんぬらさん 8 (IDコミックス REXコミックス)

夏休みを利用して親戚の経営する温泉旅館へとやって来た三姉妹。
そこには衝撃の出会いと別れが待ち受けていることも知らずに・・・

キモくてウザい、でも異様なカリスマ性を持つ喋る猫が繰り広げる、
セクハラ三昧な日常物語も8巻目。
今回は新キャラの親戚三姉妹が大活躍しつつ、
場所が何処でも全くぶれない安定のウザさを発揮するとんぬらに、
まさかのアダルティーな空気溢れる展開ありと、
舞台と共に気分も新鮮リフレッシュで繰り広げられています。
さすがに普段の日常と場所が変わると、
巻き起こる展開も色々と変化球が生まれるものですね。
こちらの三姉妹での番外編とか再登場とかしてくれないかなぁ。
前回はパロとは若干違った帯ネタも帰ってきてくれていて、
ジョジョネタ&微レ存とキレの良さは健在。
一体どんな時事的なネタを使うのか毎回楽しみにしてる身には嬉しいところですね。
旅行エピソードもさることながら、
前回から引き続いたエピソードもシュールさと、
どんでん返しのオチとでなかなかのホラーっぷりを発揮していて油断なりません。

リアルすぎるアンティーク人形って怖いよね・・・
チャイルド・プレイとか思い出して夢に出てきそうだわ。


親戚は変態級の変人集団でした。
表紙にも登場している一之瀬三姉妹と同年代にして、
いとこに相当する雪月花三姉妹。
どことなく雰囲気がいつもの三人と似てるなーなんて思ったら、
見た目の印象が完全なフェイクだったという罠。
主に長女の雪乃さんのせいではありますが、
キャラが濃いのを通り越して完全に変態の域まで到達してますよ。
見た目は着物が似合う次期若女将の大和撫子だというのに、
実は超虚弱体質の吐血キャラだったという・・・

登場三ページ目にして血達磨である。
しかも一発ネタじゃなくて出てくる度に吐血してるもんだから、
温泉よりも血の池地獄にやって来てしまったのではないかと錯覚するほど。
でもこういうタイプのキャラほど逆に長生きしたるするもんですよね。
世の中とはつくづく不思議なものである。
次女の月乃は市乃を更に特徴を尖らせたような感じで、
ツンとデレの両面性が持つギャップ共存を持ち合わせていて、
三人の中で最もまともであるところまでそっくり。
上と下が濃すぎる分、緩衝材としての役目もある割と普通のキャラ。
しかして三女の花乃が今回の台風の目となる一番の曲者でした。
帯での煽りもそうだし、まさかとんぬらを・・・

さて表紙で花乃が抱いているのは一体誰なんでしょうねー。
よく見ると微妙に色とサイズが違うっぽいから、
別物のようなんだけどもオリジナルがどうかわからない。
何気に含みがすごい表紙になっております。
ゲストキャラで終わらせるには惜しいので、
番外編なり再登場なりしてほしいところですね。


まさかの濡れ場シーンあり!?
温泉旅行回ということは当然期待するのはお風呂シーン。
一度しか無いものの、期待に応えるがようにお色気満載で登場してくれました。
覗きに来る男もいない、まさに女の園の中において、
タオルで身体を隠そうとしてる市乃可愛いよ。
まぁとんぬらはしっかりと女湯に平然と入ってきてますけどね。
身体を拭くと言うよりもしばく風なタオル使いはオヤジそのものなのにね。
人間の形をしてないってこういうときに便利だなと。
勿論その毛並みを活かしたボディスポンジも健在で、
今回屈指のお色気シーンを演出するのに一役買ってます。

そんな風呂シーンでも平然と吐血する雪乃さん。
きっとこの温泉の成分は鉄分が抱負に違いない。
風呂のみならず、意外な方面でのお色気シーンもあり。
旅は道連れ夜は情け。
いつどこでも人間非人間問わずにカリスマ振り撒くとんぬらに待ち受ける出会い。

出会った猫がまさかの擬人化シーン搭載ですよ。
これがまた場末の遊郭のような妖艶さで非常にエロい。
しかも思いっきり性行為を行っているシーンまであるというね。
どれだけ擬人化フィルターをかけても結局は猫の交尾だけどなっ!
この斜め上をいくお色気描写もまた本作の魅力の一つだし、
ポリシーを貫き通す姿は素敵ですね。