薬理学総論

[問題]

【薬理学・総論1】


1.50%有効量をED50、50%中毒量をLD50、50%致死量をTD50という。
2.LD50の算出法として、probit法やLitchfield-Wilcoxon法が用いられる。
3.近年、治療係数(TD50/ED50)は、TD50の代わりにLD50を用いることが多くなってきている。
4.治療係数の小さいジギタリスなどは血中濃度を測定しながら、適切な治療量を決めていく必要がある。
5.pD2値は各活性薬による最大反応の半分を起こさせるのに必要な各活性薬のモル濃度の負対数である。
6.内活性は最大反応との比として表される。
7.高齢者では、脂溶性の高いくすりは体内からすぐ除去されやすくなる。
8.高齢者では、血漿アルブミン濃度が減少するため、薬効が強く現われることがある。
9.一般に、肝臓で代謝を受けるくすりは水溶性で、腎臓で排泄される薬は脂溶性である。
10.肝疾患では、薬物代謝酵素の活性が低下するため、くすりが除去されず血中濃度が増加する。
11.CYP2D6の遅延代謝型の割合は日本人では約20%存在するが、CYP2C19の遅延代謝型の割合は日本人では著しく低い。
12.薬物アレルギーでは、くすりがハプテンとなり体内のタンパクを変化させ、それが抗原として作用して、生体内に抗体をつくらせる。
13.薬理作用のない物質をプラセボとして用いた時に、有効性や副作用がみられることがあり、これをプラセボ効果と呼ぶ。
14.あるくすりに対する耐性が形成された後に、そのくすりと類似した薬理作用をもつくすりにも耐性を占めることをタフィラキシーという。
15.短期間の反復投与により、くすりの効果が減弱する場合がある。この現象を交叉耐性という。
16.かつては、くすりを反復投与した場合、精神依存だけがある程度みられる状態を耽溺性や嗜癖と呼び、より依存が高度となって身体依存も伴っている状態を習慣と呼ばれていた。
17.モルヒネはμオピオイド受容体との結合により身体依存が大きく表れる。
18.コカインは身体依存を示さないが、バルビツール酸誘導体は身体依存が強い。
19.エタノールなどのアルコールは、身体依存を示さない。
20.退薬症候とは、そのくすりが体内から消失すると、精神および身体に病的な症状が発現する状態をいう。











[答え]

【薬理学・総論1】


1.× 50%中毒量がTD50、50%致死量がLD50である。
2.○
3.× TD50とLD50が逆である。
4.○
5.○
6.○
7.× 脂肪の占める割合が大きく増加するため、脂溶性の高い薬物は体内から除去され難くなる。
8.○
9.× 水溶性と脂溶性が逆である。
10.○
11.× CYP2D6とCYP2C19の説明が逆である
12.○
13.○
14.× タフィラキシーではなく交叉耐性である。
15.× 交叉耐性ではなくタフィラキシーである。
16.× 耽溺性や嗜癖と習慣の説明が逆である。尚、現在では総括して依存と呼ぶことが多い。
17.○
18.○
19.× アルコールの身体依存は強い。
20.○