奨学金制度のブラックリスト 厳しい取り立ても〈AERA〉

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121207-00000000-sasahi-soci

dot. 12月7日(金)7時10分配信

 学生生活を支えるはずの奨学金に苦しんでいる人たちが増えている。大学卒業後も正規雇用に簡単に就けない中、厳しい回収が始まる。

 この不況下、卒業しても奨学金を簡単に返済できない人もいる。大卒でも非正規雇用が珍しくないという状況。11年度だと、滞納者は約33万人、滞納額は876億円。数字の上では、滞納者は全体の11%弱に過ぎないが、無理して返済している人も少なからずいるだろう。

 もちろん、救済策は用意されている。例えば、最長5年までの返還猶予。昨年からは、返還年数を最大で30年まで延ばし、回当たりの返済額を減らす「減額返還制度」も始まった。12度以降の利用者には、1種に限り、年収によって返還を猶予される「所得連動返還」制度も新設された。障害などによる就労不能者には返還免除も用意されている。

 問題なのは、それが機能しているとは言い難いことだ。奨学金ホットラインを設けた首都圏なかまユニオン相談員の伴幸生(ばん さちお)さんは説明する。

「例えば、返還猶予制度は当初、機構のホームページにも載っていなかった。細かい字がぎっしりの内規の文書に載っていたのを07年に私たちが見つけて仲間とともに機構に訴え、やっとネットで周知されるようになったのです」

 猶予にも問題はある。5年を超えての適用がされないことだ。それを補うために、機構は昨年、減額返還制度を設立したが、延滞金のある人は利用できないのである。

 もう一つの問題点は、厳しい回収制度にある。

「特に、10年度から始まったブラックリスト登録はひどい」

 こう訴えるのは、支援機構労働組合の岡村稔・書記次長だ。

「まず3カ月連続の滞納で、返還者は民間金融機関などが多重債務者対策などに用いる個人信用情報機関に登録されます。これでクレジットカードが持ちにくくなる。滞納3カ月から8カ月目までは回収業務が民間サービサーに委託され、滞納が9カ月続くと、機構が一括払いを求める『支払督促』を送付し、それでも応じない場合は給与の差し押さえや提訴が実施されます」(岡村さん)

来年度から奨学金を返却する身なのですが、ちょうどタイムリーに記事になっていたようですね。
恐らく今の時期に奨学金の誓約書を書かされるからだとは思いますが……。

「特に、10年度から始まったブラックリスト登録はひどい」

実際に機構の方から奨学金に関するビデオを見せられたのですが、返却しなかったらクレジットカードを持てなくなる、ローンが組めなくなる、という脅しのように感じました。
少なくとも、見ていて気分の良いビデオではなかったですね。
返却をしない人が増えているのかもしれませんが、ある程度は社会情勢を考慮しても良いかもしれません。
自分ですら「結構な人数が就職できずに滞納してしまうのでは?」とビデオを見ながら考えていましたので。
まあ、お金を借りなくても大学に行けるような家庭環境に産まれるしかない、ですかね……究極的には。


ブラックリスト制度は10年度から始まったのですね。
勉強になりました。