補完能力

さて問題(ぇ

地球外に生物のいる惑星を発見しました。その惑星に到着して見渡してみたら正面に羊が一匹いました。羊もこちら側をみていて、その色は黒色をしていました。さて、ここから分かる事柄は?

さて、この問題の答えで理系度(違)がだいたい判ります。多分、だいたい3通りになるとおもいます。一番ありがち(?)なのが「この惑星の羊は黒色をしている」ではないだろうか?次に「そこに黒い羊がいるが、全ての羊が黒いとは限らない」という答えもあるだろう。しかし「そこに正面が黒い羊がいる。裏側の色はわからない」という結論に達した人はあまりいないだろう。後者に行く程、理系度が高いです。
一般に人間はある程度DATAが集まったら足りない部分を補完して結論を出してしまいます。今回の場合、正面が黒いという情報から裏側も黒いという情報を補完しました。さらには、惑星全体の羊の色も補完しました。こういった能力というのは社会生活をする上で重要です。例えば会話等は文法が破綻していたり、言い間違えたり省略したり表現が曖昧だったりすることが何気にしょっちゅうあるのに会話が通じているのはこの補完能力のおかげです。他の例として、街中でA君とBさんが楽しげに買い物をしていたとしましょう。それを目撃したらどう思うか?流石に1回見た程度でこの二人が付き合っているとは思わないかもしれないが補完能力の高い人なら結論付ける可能性はあるだろ。大抵なら「ひょっとしたら付き合っているのかな?」くらいだろう。さて、別の日にも見かけたらどうだろうか?これだと結論付ける人も増えてくるだろう。さらに別の日も・・・と、回を重ねる毎に結論付ける人が増えてくるだろうが、中にはいつまで経っても結論付けない人も存在する。あくまで「付き合っている確率が高い」程度で、決して結論付けないという。こういった人は補完能力が低い。例え地球外惑星で大量の羊で真っ黒になっている状況を見てもそれぞれの羊の反対側の色を決定できない。
しかし、社会においてはマイナスにしか思えない補完能力の低さは自然科学では逆にプラスになったりする。いや、寧ろ自然科学においては補完能力というのはマイナスにしかならない。一匹の羊を見ただけで全ての羊が黒いと結論づけたらどうなるか?反対側を確認せずに正面の色だけで全てが黒いと結論づけたらどうなるか?実際、反対側は白いかもしれないし水玉模様だったりそもそも後ろ側は馬の形かもしれない。「ひねくれもの」と言われるかもしれないがそのひねくれが重要なのだ。後ろ側が馬の形でないとなぜ言える?あくまで経験的に確率が低いだけだ。いや、確率が低いという証明すらできないだろう。なのに補完能力というのは後ろが黒色と結論付けてしまうのだ。しかし補完能力の低い人間なら羊の後ろ側を必ず確認します。そしたら実はマーブル模様だったりして大発見できるわけです。また、一般的に成り立つと思われていたこともその確実性の薄さを見抜き、実は一般的には成り立っていないということを発見できたりするわけです。
まあ、そういうわけで生粋の理系といえばこの補完能力が著しく低かったりする。変人が多いと言われる理由のひとつであろう。もし重箱の隅をつつかれる質問を生粋の理系にされても怒らないで上げてください。本人は補完が出来ないために本当に疑問に思っているですよ。