学術講演会

spin structure

準備は済んだ。あ、昼に2枚のグラフを追加したけどね。出来るだけ何も考えないようにして本番に挑んだ。

自分の題目は「次近接への飛び移りを持つ二重交換模型の基底状態」。そんなに緊張は無かったつもりだけど中々上手くしゃべれないもんだ。説明する内容はちょっと不味かった点も有ったが、時間はかなり理想的だった。質問は自分的には盲点だったと思った。今回扱った最も単純な二重交換模型では局在スピンは古典スピンとして近似している。そこで「伝導電子は量子的に扱ってるのか?」これには上手く答えられなかったが、「各サイト毎に量子化の軸を変えていて、その効果を飛び移り積分に繰り込んでいる」ってのが大体の答え。でも肝心の部分は殆ど分かってないので論文と解説記事見て出直してきます。

その後のポスター発表では友達を含め数人に質問した。

  1. 「大電流グロー放電を用いたプラズマジェットの基礎実験」で基本的な事を質問。なるほど、彼が何をやってたのかが分かった。
  2. 「拡張Hubbard模型における超伝導強磁性ハバード模型には厳密解があるのが魅力。飛び移り積分の入れ方が良く分からないけど、これで超伝導が出現するのは興味深い。
  3. 「遷移金属リントリカルコゲナイド{\rm Mn}_{0.5}{\rm Fe}_{0.5}{\rm PS}_3単結晶へのピリジンインターカレーション」どこで切るのか分からない舌を噛みそうな名前だな。この結晶は層状物質で層間はファンデルワールス力で結びついている。低温でスピングラスに転移するが層間の相互作用の影響を調べるのが目的だ。ここでは層間距離を広げる為にピリジンを層間に挿入している。K上先生なら高圧で潰すそうだが、両者を合わせれば広い範囲での測定が出来るな。物性の評価はこれからか。
  4. 「高圧力下電気抵抗測定装置開発」K上先生に「君DoubleExchangeやってるんだよね?」とか言われて連れてこられた。Mnを高圧で潰していて、ある相図が得られたそうだ。そいつはDEモデルで得られる結果と矛盾しないよね?って事を聞かれた。今理解してる範囲では問題無いが、有限温度での話なので理論としては難しい。

1730から懇親会があった。態々サテライトで中継しているらしい。挨拶はもう少し手短にお願いしたい。食事は想像以上に質が高く量も多かった。相当量が余っていたのでタッパーを持って来れば良かった。