政治資金規正法について考えてみました

まず、条文ですが

(目的)
第一条  この法律は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。

(基本理念)
第二条  この法律は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならない。
政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たつては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない。

三条以下で具体的な、規制、規制に違反した場合の罰則などが明確に規定されています。

今回の事件では、被疑者が逮捕され事件が端緒についたばかり。これから取調べが行われ、嫌疑が高まれば起訴され、裁判で裁きを受けることになります。
その意味で、今の段階では被疑者らについて、有罪が確定している事を前提としたようなコメントは避けるべきではありますが、当該政治家の会見は2点だけ気になりました。

1 言い分としては「政治資金規正法に則って報告している」とのことですが、適切かどうかは上記に引用した「目的」や「理念」に沿って運用されているかが判断されますから、形式的に適切であるだけではまずいのではないでしょうか。
2 また、同種の嫌疑で「今まで逮捕された事はない」という言い分は、あまり意味がありません。その人が法律に違反すれば、逮捕されるには十分ですから、今までの例や、ほかの人の例と比べるのはあまり意味があるものではないでしょう。もっとも、この点は政治的な意味で意見を述べているということなのでしょう。
政治家も、企業も、国民ひとりひとりも、法律を遵守する姿勢は大事だと考えます。