シャープサムスンの特許侵害

米、サムスンへの特許侵害認定 シャープ、控訴視野に対策
液晶関連技術をめぐり、米国際貿易委員会(ITC)から韓国サムスン電子特許権を侵害したと認定されたシャープは25日、控訴も視野に入れた対応の検討に入った。互いに液晶技術を得意とする両社は、米国のほか欧州や日韓を舞台に、激しい訴訟合戦を繰り広げており、結論の出ていない争いも少なくなく、対立は長期化しそうだ。ITCは、サムスンが提訴していた4件の特許侵害のうち1件について訴えを認め、この特許技術を使ったシャープ製品の対米輸出などを差し止める命令を出した。シャープによると、2008年度に販売した液晶テレビ1000万台のうち北米向けは約280万台。09年度の販売目標である1000万台の内訳は明らかにしていないが、命令については「該当商品は残っているが、既に対策を進めており、業績に大きな影響はない」としている。ITCは今月、別の液晶関連技術をめぐって、逆にサムスンがシャープの特許権を侵害したことを認める仮決定を出したばかり。シャープ関係者は「液晶分野はそれぞれの技術が関連しているため、特許をめぐって争いになりやすい」と話す。(6月26日 フジサンケイ ビジネスアイ)

今回は米国際貿易委員会(ITC)は、シャープが韓国サムスン電子特許権を侵害したと認定したものです。ITCは、逆に、韓国サムスン電子がシャープの特許権を侵害したと仮決定、また日本においても、特許権を巡って争いになっています。シャープ関係者コメントにありますように「それぞれの技術が関連しているため、特許をめぐって争いになりやすい」分野のようです。記事内容の詳細はわからないので、以下は一部推測を交えてのコメントになります。
液晶分野の製品化に際して、シャープの特許技術Aとサムスン電子の特許技術Bの両方が必要な場合、双方が相打ちになれば、理屈の上は、製品化が出来る企業は存在しなくなってしまいます。そうすると、有益な技術が社会的に製品化することがなくなってしまい、消費者にとっても不幸ですし、各企業にとっても技術の持ち腐れになってしまいます。これを打開する方法のひとつとして、相互に、特許を許諾する(クロスライセンス)事が考えられます。それをするかどうかは、両者の特許戦略と関連しますから、実際にどうゆう結論になるかはわかりませんが、そろそろITCの60日の猶予期間が近づいていますから、何らかの動きがあると推測します。

技術特許のマネジメントの難しさを表わしている一例といえます。