国土交通省の資料から感じられるもの。

今更ながら国土交通省報道発表資料の実物を確認しました。
以下のことが超個人的な感覚として感じられたので、健忘禄として記録します。
平成22年4月9日に発表されたのは
[http://www.mlit.go.jp/common/000112016.pdf:title=高速道路の再検証結果と新たな料金割引 概要と
高速道路の再検証結果と新たな料金割引の2つです。
概要は本当に概要で、概要でない部分から特徴的な部分を抜粋しているだけの内容のようなので
概要でない内容から感じたことを以下に記載します。

以下引用開始

1.再検証結果について
再検証について
昨年4月の第4回国幹会議の議決を経て整備計画が策定された区間のうち、合併施行方式による整備
を想定していた新規整備3区間、4車線化6区間を対象に事業効果や整備手法について再検証を実施
(page3に記載)
整備手法の見直しについて
○ 事業の責任分担やそのプロセス等が不透明な合併施行方式は見直し、
(1)新規整備区間については、無料道路として整備する場合は直轄施行方式、
有料道路として整備する場合は利便増進事業を活用した会社施行方式
※有料道路として新規に整備する高速国道は東京外環と名古屋2環で最後
(2)4車線化区間については、既供用の2車線区間は会社管理であることを踏まえ、
利便増進事業を活用した会社施行方式とする。
(page3に記載)
再検証箇所についてのH22直轄予算の配分概要
[利便増進事業を活用し会社施行方式とする区間
○ 生活再建及び事業促進の観点から、新たな整備手法での事業を実施するまでの間の経過措置
として、緊急性の高い案件について、直轄で用地を買収する等のための予算を措置。
○ なお、これら用地は新たな整備手法による事業着手後、高速会社が買い戻し。
(page6に記載)

以上、引用終了
根本的な高速道路会社の存在意義自体を問題なしとするならば、責任の所在を明らかにするための合併施行方式は見直しは賛成です。
根本的な問題である高速道路会社の存在や資産の移管方法の問題は残っていると感じています。
一瞬、"※有料道路として新規に整備する高速国道は東京外環と名古屋2環で最後"との記載があるので、第二東名などは無料道路で開放されるのねと思ったのだが、"合併施行方式による整備を想定していた新規整備3区間、4車線化6区間を対象"ではないので記載されていないだけなのね。

超個人的な推測による作成者側の背景としては、

    • 天下り先として、高速道路会社は存続させたい。
    • 会社施行方式 + 直轄施行方式のミックスされた方式は自民党道路族にごり押しされたけど、法的な問題点を含んでいるので修正したい。
    • そのためには、最近はやりの事業仕分けなどで追求されにくいように、国の余計な金は受け取りたくない。
    • 採算のあわないところは作りたくない。
    • 採算があって将来にわたって利益を追求できるところは絶対手放しくたくない。
    • 国が作る無料区間があっても構わないから、高速道路会社はいじらないで欲しい。

と言ったところでしょうか?

このレポートには、高速道路会社の存続ありきで作成されているレポートに見受けられます。
民主党側が、国土交通省の官僚に、これ以上の税金を使わないで、高速道路無料化のマニュフェストに合う内容で作成してと仕様を出して丸投げしたレポートのように見えます。
飴と鞭で飴をぶら下げないと役人が動かないから、鞭だけでは使い切れなかったのでしょうね。
与える飴が与える側の利権となり、そのパワーが与える側を腐らせることがなければ良いのですが....

個人的には高速道路の完全無料化は国道化と単純化して考えた方が良いと思っているので、一般国道のバイパス道路等と高速道路がシームレスなネットワークとして機能するための料金体系の変更 =>料金所の撤廃 => 完全無料化 が必要との認識です。
高速道路上で車使用する燃料にかかる税金を高速道路に使用していないというが税制を根本的に見直さなければできない話ですが、揮発油税などの余剰分を一般財源化する前に、税率を上げてでも高速道路の無料化に回すべきと思っています。
高速道路会社の運営資金(天下り官僚の人件費等)だけでもかなり浮くと思いますけどね。

しかし、高速道路会社って便利だよね。
都合の良い時は国(官僚組織(と政治家))の都合で勝手に意思決定ができて、都合が悪いと採算性とか独立性とかいって断れる。
役者としての小泉純一郎猪瀬直樹とシナリオを書いた官僚様々ですね。

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"2.新たな料金割引について"以降については翌日以降に記載予定です。
官僚って優秀な人が多いようですね。
自分自身で問題に気が付いていて葛藤しているような傾向が見受けられます。
問題意識を持っている人も官僚の中にも多いような気がします。