池田晶子『14歳からの哲学』

14歳からの哲学 考えるための教科書

前から気になっていた池田晶子さんの本。ブックオフで『14歳の君へ―どう考えどう生きるか』は買っていたものの、読むきっかけを逃して今まできてしまいました。で、未映子の影響で永井均の本を読み始め、でもそれが予想以上に難しく最後まで読むことが出来なくて、それはそれでちょっと悔しくて(苦笑)、もっと初心者向けの本だったら読破できるかも…と、池田さんの代表作であり中学生向けの哲学書14歳からの哲学 考えるための教科書』を購入。最初こそさくさく読んでいました。あぁ、私が小さい頃から考えていたことがここにある!っていう嬉しさ。でも…その場でなるほど!と思っても、時間経ってから振り返ると、なんで?って思うことも多々出て来て、次第にペースダウン(苦笑)。3章の「17歳からの哲学」に入ってから、より現実的な話になり、より「考える」ことが増えました。


本を読んで知識を得ることが「知る」ことではないこと。「本当のこと」を「考える」こと。

自分は自分でしかないことによってすべてである。(中略)「すべて」というのは、文字通り、すべてのことだ。他人も、他人の体も他人の心も、全世界、全生物、全宇宙、つまり森羅万象だ。大きい方の自分の、いちばん深いところでは、自分はすべてであり、また事実すべてとつながっているということだ。(P68「他人とは何か」より)

自分の孤独に耐えられるということは、自分で自分を認めることができる、自分を愛することができるということだからだ。孤独を愛するということができるということは、自分を愛することができるということなんだ。そして、自分を愛することができない人に、どうして他人を愛することができるだろう。一見それは他人を愛しているように見えても、じつは自分を愛してくれる他人を求めているだけで、その人そのものを愛しているわけでは本当はない。愛してくれるなら愛してあげるなんて計算が、愛であるわけがないとわかるね。(P100「友情と愛情」より)

この本には、「結論」はなくて、それは自分で考えること。自分が小さい頃から考えてきたモヤモヤがここにもあった。そのモヤモヤがちょ〜っとだけクリアになった気分。ただ、私は怠け者なので「考える」ことを続けてこなかったな。途中で諦めちゃったし、ネットなどで便利になるにつれて(調べればそこに答えらしきものがあるから)よりいっそう怠けてきた。へぇ、こんな考え方があるんだ!という新鮮な驚きも。テーマは「自分とは何か」「死をどう考えるか」「心はどこにある」「理想と現実」「人生の意味」など。自分で考えられることの自由をこれからは楽しめたらと思うのでした。でもやっぱ、読後はやっぱりモヤモヤしました(苦笑)。14歳の私が読んだらどんな影響があったかな。もっと気楽に生活出来たかもしれないし、感化されやすい私は哲学を先攻していたかもしれません(笑)。しかし、これは大人が読んでも十分面白いというか、大人こそ読むべきでは?と思う。今までの経験があるから、よりイメージしやすいかも、と。

14歳の君へ―どう考えどう生きるか 41歳からの哲学