6位以降のメーカーは参入が早く、電子回路生産能力があるメーカーのため全て自社生産したカートリッジがあります。考察から同様の記載は省略いたします。
6位: サンソフト/ 40本
|83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 local | 0 0 3 3 3 3 3 3 4 3 2 0 TEC | 0 0 0 0 0 2 1 1 1 0 0 0 DISK | 0 0 0 2 6 2 0 0 0 0 0 0 total | 0 0 3 5 9 7 4 4 5 3 2 0 ※91年localにサブカートリッジ2本を加算したもの
サンソフトの型番はカートリッジに書いておらず傾向がつかめないので local としました。
1990年に発売された「なんてったって!!ベースボール」には専用カートリッジをつなぐコネクタがついており、1991年に2本にその専用カートリッジがでています。この2本を除外すると自社生産カートリッジの年間本数は 3 で安定しています。
TEC-XX のパッケージには「制作・発売元 東海エンジニアリング(株)」「販売元 サン電子株式会社」と併記されています。制作・発売元の連絡先は記載されていません。
この2つを考慮すると、サンソフトの年間販売数は3に設定されていたようです。
5位: タイトー/ 56本
|83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 TFC-xxxx| 0 0 5 5 5 6 5 3 4 4 2 0 DTF | 0 0 0 0 0 1 3 1 3 2 0 0 DISK | 0 0 0 0 2 4 1 0 0 0 0 0 total | 0 0 5 5 7 11 9 4 7 6 2 0
タイトー生産品のカートリッジの型番は TFC-xxxx-xxxx となっていますが、任天堂型番では TFC-xx はタカラにアサインされています。この2つは無関係です。
DTF-XX のパッケージには「制作・発売元 株式会社ディスコ」「販売元 株式会社タイトー」と併記されており、他社の制限抜けと同じ傾向です。
タイトー生産品の本数は最大値6となっていますが、制限値は 5 だと思われます。これは年間本数の集計の区切りを1月1日から12月31日の発売日としていますが、実際には任天堂が管理する基準とは別のために誤差が生じていると推測しています。このため88年度は5本,89年度も5本,90年度は4本と修正できると思います。
ディスコの制限値は3のようです。
4位: ジャレコ/ 57本
|83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 JF-xx | 0 0 6 5 5 5 5 5 3 5 2 0 (*1) | 0 0 0 0 0 3 1 2 0 0 0 0 DISK | 0 0 0 1 2 5 2 0 0 0 0 0 total | 0 0 6 6 7 13 8 7 3 5 2 0 *1 NMK or SAN or DCE
ジャレコ生産品の型番は JF-01 から順番に数字が振られていますが、任天堂生産品には同様の型番が併記されていません。 JF-xx の型番に欠番がないので、これらの値は任天堂生産品には振られていないようです。
任天堂生産品には NMK, SAN, DCE の3種類あります。
NMK-xx のパッケージには「制作・発売元 (株)日本マイコン開発」「販売元 株式会社ジャレコ」と併記されています。日本マイコン開発は NMK の名前でアーケードゲームやファミコンソフトを開発していますので、アイレムのように開発会社の名前を借りたものだと思われます。(ただし1本は Rare 社が開発したもの)
SAN-CQ には「制作・発売元 サンリツ電気(株)」「販売元 株式会社ジャレコ」と併記されています。サンリツ電気も NMK 同様、有名な開発会社ですが、 サンリツ電気単体でピーパータイム(SAN-P6)を出しており、こちらにはジャレコの名前はありません。
DCE-xx は「制作・発売元 株式会社デーシーイー」「販売元 株式会社ジャレコ」と併記されています。この会社については不明です。
3つの会社が名義を貸しているわけですが、下請けの開発会社に均等に振ったのでしょうか。
ここまでのROMソフトの傾向
- メーカーによって異なるが1年間で 3 か 5 の値に落ち着く場合が多い
- 制限値を越える場合は「制作・発売元」だけを別会社(2口目)にして、任天堂生産品を出している
- 2口目の会社から出る場合は、1口目の会社の本数の制限に達した場合にでている
- 1988年ごろからこの手法が使われている