針金をクルクル巻いてサックスのリガチャーを自作してみた。
サックスを吹くうえで絶対に必要な小物に「リガチャー」というものがあります。発音体であるリードをマウスピースに固定する金具のことです。
リガチャーの材質や形状、表面の仕上げの違いなどによって、様々に音色が変化しますので、リガチャーを取っ替え引っ換え、いろんなモノを試したくなり、ハマるひとはハマっちゃうみたいです。
リガチャーは種類も豊富、値段もピンキリです。ためしに、山野楽器のサイトでサックス用のリガチャーを探してみたら、こんなにたくさんありました。
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http://www.yamano-music.co.jp/docs/hard/ginza5w/sax_lig.html
ちなみに、ここに載っているのは新品のみです。お試しのつもりで買ったはいいけれど、取り付けて吹いてみたらイマイチ自分の好みではなかったり、その逆に、新しく買ったのがすんげえ気に入っちゃったので、それまで使っていたのが余ってしまった、などという理由で市場に戻ってくる中古品も流通しています。
さいきん私が買ったリガチャーも中古品です。新品価格のおよそ4割〜5割くらいの価格で買いました。それでも、ン千円とかしちゃいます。高っけー。
ところが、いろいろサックス関連のサイトを徘徊していたら、なんと、針金をクルクル巻いてリガチャーを自作している人がいるのを見つけてしまいました。しかも、作り方をサイトで公開しています。
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http://uzu.digick.jp/pc/music/column-sax-16.html
1.6ミリ径の銅線を直径2センチの輪っかにクルクルと6周巻きつけてスプリングを作れば出来上がりみたいです。カンタンそうじゃん。
用意するものは、材料となる銅線と、銅線をクルクル巻きつけるのに使う、呼び径2センチのパイプの継ぎ手(継ぎ手部分に切ってあるネジの溝にあわせて針金を巻けばスプリングのできあがり)と、針金をカットするニッパーの3つ。ニッパーは自宅にあるから、銅線とパイプの継ぎ手を調達すれば、必要なものはぜんぶ揃ってしまいます。
さっそくクルマを飛ばしてホームセンターへ。はたして、1.6ミリ径の銅線(焼鈍していないもの)は、すぐに見つかりました。呼び径2センチのパイプ継ぎ手もすぐに見つかりました。驚くべきは、その価格です。
1.6ミリ径の銅線(長さ25メートル)が、1200円。
呼び径2センチのパイプの継ぎ手が200円。
あわせて1400円のお買い物でした。
リガチャーを作るには、直径2センチの輪っかをクルクル6周させなくてはならないから、リガチャー1個作るのに必要な銅線の長さは、
2cm×3.14×6周=37.7cm……約40センチ。
てことは、25mある銅線1ロールから、いったい、リガチャー何個作れるんだ?
25mってことは、2500cmってことだから、
2500cm÷40cm=62.5個……まあ、キリよく60個ってことにしとこうか。
てことは、1200円で買った銅線25mでリガチャーが60個作れるってことだから、リガチャー1個あたりの原価は、
1200円÷60個=20円ですか、そーですか。
さっそく2個作ってみた。6巻きしたのと、7巻きしたのと。
んで、さっそく朝練に持ち出して、試しに吹いてみた。
なかなかイイ感じ。とくに、低音〜中音域の音のふくらみ具合がよろしいです。楽に息が通るし、よく響く。高音域は、金メッキのハリソンにあった「キラキラ☆感」(←そこがハリソンのハリソンらしいところでもあるワケですが、人によってはこれを耳障りと感じることも?)が気持ち引っ込んだ代わりに透明感が増し、澄んだ音色で鳴っています。
全体的に、リードの繊維の1本1本が振動しているのを、リードを支えている唇で受け止めるダイレクト感が増した感じがします。それでいて音は柔らかい。リードの音を、飾らずにそのまま楽器に伝えているようにも感じます。
何個作っても原価は1個20円。知り合いでサックス吹くひとがいたら、「これちょっと試してみません?」って、タダであげちゃってもいいや!ってくらいに、なんかテンション上がっちゃいましたよ。