蚕食い

実は、5,000年以上昔から安全な飼育環境が確立されている昆虫というのが、世の中には存在します。学名 Bombyx mori L. という昆虫で、一般には 蚕 と呼ばれています。

養蜂の歴史は安全じゃないと言うことなんだろうか、と思うわけですがどうなんでしょう。
養蜂 - Wikipediaによると、一万年くらい養蜂の歴史があるようですが、霊長類が蜂蜜を摂取しだして何万年くらいになるのでしょうか。ある程度体格が良くないと毒虫の一つであるミツバチの巣を襲わないといけないわけで、テナガザル以前なのか以後なのか、ちょっと気になります。
ま、それはともかく日本における昆虫食の中心は、イナゴと蜂の子、ついでカミキリムシの幼虫でした。この三種についての食習慣は全国的に知られており、ザザムシのような局地的な食習慣ではないということが、研究により判明しています。もし、昆虫食を忌避するような日本人がいたら、伝統を守らない反日の逆徒として扱われても仕方ありません。(参考:日本の昆虫食
さて蚕なのですが、養蚕地でも食べていた地域は少ないようです。というのも、明治以降日本における絹の生産は、工業化によって一時生産(養蚕)と二次加工(絹糸生産)が分離する傾向にありました。その結果絹糸生産時におけるおやつ的な存在である蚕食いの習慣は、多くの養蚕地から消えてしまったようです。実際、私の実家は三河の奥地で虫食いは親しみのある行為ですが、蚕は長野の業者に売るばかりで、食べたことはなかったそうです。

アフリカ産蜂蜜をかけたヨーグルトを食べながら。