なぜ、伊右衛門は売れたのか。

なぜ、伊右衛門は売れたのか。

なぜ、伊右衛門は売れたのか。

烏龍茶以来、清涼飲料水において目立ったヒット商品を出せずにいたサントリーは、緑茶市場で、すでに「おーい お茶」などが確固たる地位を築いていた、「ど真ん中の緑茶」で勝負を挑む。マーケティングのセオリーでは、開拓しつくされていないポジションを攻めるのが常套だが、「急須で淹れた本物の味」を追求し、今日大ヒット商品となった伊右衛門を開発する。

伊右衛門がヒットするまでにいくつも出しては消えていった商品の中に、ヒットに繋がる技術の蓄積があったという部分や、名門福寿園とのタイアップに向けての粘り強い交渉などは読み応えがあったが、「なぜ売れたか」という部分より、技術的な苦労話が大半であったのは、やや飽きのくる部分であった。