【詩_20120224】

鳥の形の窓の向こうに
冷たい雨を含んだ雲が
垂れ籠める空

とおくに
黒点のように
鳥が数羽舞っている

ねじが壊れたオルゴールの
メロディーを忘れた曲が鳴っている
顔がない写真のように

首吊り死体がかすかに揺れている
風景のひとつとして
誰もいない
何とも繋がらない
不動な

どこかで
虹のように
風が鳴る音