2008-01-01 新春ゲームブック特別企画
■[game][book][ikemen]ゲームブック・オールタイムベストテン

新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
恒例となりつつある感のある新春特別企画ですが、今年は『ゲームブック・オールタイムベストテン』と題し、皆様からのご意見を募りたく存じます。
投票要領は下記のとおりとし、締切は1月31日(木)までといたします。
皆様ふるってご参加ください。
(投票要領につきましては、id:washburn1975さまの『映画オールタイムベストテン』を参考にさせて頂きました。この場を借りて謝意を申し上げます。)
参加方法
好きなゲームブックのベストテンを挙げて頂きます。
ブログをお持ちの方は、ご自分のブログで書き、このエントリにトラックバックしてください。
ブログをお持ちでない方は、このエントリのコメント欄にお願いいたします。
バトンではありませんので、取り上げているブログを見ても、そちらではなくこのエントリに、直接トラックバックもしくはコメントをお願いいたします。
選んだ理由や順位を記載する必要は特段ありません。
採点方法
1位は10点、2位は9点、3位は8点、以下同様に1点ずつ減っていき、9位は2点、10位は1点といたします。
順位が付けられない方は「順不同」と明記してください。一律に5.5点といたします。
10作も選べない、という方でも参加いただけますが、10作未満の場合、採点の都合上「順不同」扱いといたします。あらかじめご了承ください。
作品の選考基準
雑誌収録作品、未邦訳作品、同人作品などを問わず投票してください。
ただし、要電源作品(携帯電話で配信された作品を含む)については、ゲームブックとしての明確な定義がないことから、今回は対象外といたします。
シリーズ作品は、それぞれ独立した作品として扱います。「シリーズ全体への投票」は無効とし、シリーズ第1作への投票として集計いたします。
選ぶときの注意
同名の作品(『ゼルダの伝説』等)が複数存在する場合、なるべく、出版社、発行年などのデータを参考情報として一言つけ加えておいてください。
雑誌収録作品については、出版社、雑誌名及び発行年などをお願いいたします。
ちなみに夜音さんと相方BOBちんの選ぶオールタイムベストテン。解説はご参考までに。
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朕「堂々の第一位……ベスト・オブ・ゲームブック!」 B「ゲームブックでしか不可能な遊び方を追求した、集大成的作品だな。コンシューマー版と同じ日本ファルコムの宮本恒之氏が作者なのも特筆に値する」 朕「コンシューマー版が先行しているところを、敢えて別媒体として作る意味を何処に求めるのか……そのひとつの回答だと言えるかな?」 B「パラグラフの進行を利用したトリックがあったり、レベルアップがストレスなく管理できたり、他のシステム重視型ゲームブックに比べても洗練されている印象がある」 朕「モンスターのブチ抜きイラストや擬似3Dダンジョン的なイラスト表示も凝っていたし、冒頭のアイテムカードを切り離して、シャッフルして使うあたりもビジュアル面で手を抜いていない」 |
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朕「シリーズ19作目にして最終作!主人公は……次元!」 B「ハードボイルド調のADV、後半はマンハッタンを舞台にしたダンジョン要素を取り入れている二部構成になってる」 朕「ポイント管理がない上、ランダム要素も排除されているという、選択肢だけでストーリーが進む形式はルパンシリーズでも珍しいんだけどね」 |
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朕「既にして鈴木直人作品の完成形という感がありますが……」 B「人気のあるドルアーガ3部作と比べても、1/3の項目数で全部やり遂げただけあって、各パラグラフの密度が濃い。少しずつダンジョンに潜って攻略する双方向ゲームブックの教科書的存在だな」 朕「ザナドゥとは逆に、ゲームブックがどこまでコンシューマーのダンジョンRPGに近づけるか、という当時の試みの中で、最も回答に近い作品だろうね」 B「ギミックだらけの双方向MAP、仲間を選べるパーティバトルの恩恵、成長要素、キャラ立て、謎解き、次なる謎への伏線と、現行のコンシューマーRPGにある要素は大抵取り込まれている」 |
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朕「ほぼ全ルートをリプレイでやり尽くしているので、今更説明不要ですね」 B「シリーズ中でも秀逸なのは自由度の高さ。フルカラーの地図を眺めつつ冒険の旅が楽しめる。難易度も邦訳8作で最も高いんだけどな!」 |
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朕「時間捜査官・ファルコンシリーズ全6作の3作目。実は本筋とは無関係の番外編だったりします」 B「所々に映画ネタが取り込まれている。しかも『物体X』とか腹筋ブレイカーなのが」 朕「各時代のステージに仕掛けられた所定のイベントをクリアすると話が進むようになっていたり、イベントの起こらない外れの時代があったりとか、挙句タイムパラドックスを起こしちゃったりとか……」 B「この巻単体では無理なんだが、次巻のチェック表でエージェントしての成績表を出せるシステムも好きだった」 朕「成績表によっては士官候補生に格下げー『アカデミーへ戻れ、ファルコン!』という結果も」 |
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朕「初見の時の衝撃は凄かった。後から考えてみるとTRPGへの方向性を示唆した作品だったんだけど、ちゃんと単独で遊べる作りになっている点を評価しました」 B「シナリオ#1も良かったんだが、展開がオーソドックス過ぎてな。パーティプレイ前提のシステムの持ち味を最大限生かしているのは、邦訳分で言えばシナリオ#2だろうな」 朕「全5巻完結のところを、邦訳は4巻で止まってしまった訳ですが、チームトムトムさまの5巻リプレイ(http://gamebook.at.webry.info/)がさる12月10日をもって完結しました!拍手!」 |
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7.ドラゴンの目(創元推理文庫 1986/9/10) |
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朕「ゴールデン・ドラゴン・ファンタジーシリーズの5作目。翻訳者はあの大森望氏」 B「炎のトラ!疾風怒涛!死の群れ!」 朕「12種類の個性的な魔法を駆使して幾つもの関門を突破し、クリアを目指す……『バルサスの要塞』的なよくあるパターンなんだけど、魔法が兎に角派手で格好いいよね」 B「とは言えホイホイ適当に魔法を使っているとクリアは出来なくなるがな!最適解を出したからと言ってその場でマルが貰える仕掛けにはなってない」 朕「どの魔法を使うか、あるいはアイテムで切り抜けるか……高度な先読みの要求される難易度と、派手な攻撃魔法を繰り出す爽快感のバランスのとれた構成を評価しました」 |
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B「これもパラグラフ選択のみで進むゲームブック。秀逸な完成度だな」 朕「ガンダムZZ3部作の完結巻。元ティターンズの強化人間の主人公が欧州を舞台に彷徨します」 B「記憶喪失の主人公がアイデンティティを求める旅、という王道にハードボイルド調の語りがイイ!」 朕「ガンダム等のロボ操縦系は作者が戦闘システムにリアルさを求めてしまうせいか煩雑になりがちなんですが、状況判断のパラグラフ選択のみで遊べる潔さを評価しました」 B「HJオリジナル設定のMSの薀蓄も味わい深い。ネオジオンの美少女将校も出てくるしな!」 朕「この辺、過去エントリでも3作すべて取り上げたのでご参考に」 |
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9.魔獣王国の秘剣 (二見書房 1986/9/25) |
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朕「J・H・ブレナン先生のドラゴン・ファンタジーシリーズの5作目。復刊新シリーズも2作目まで出ています」 B「飽きさせないギミックが基本コンセプト。3巻以降は特にその傾向が顕著な訳だが」 朕「デザイナーの遊び心と容赦の無いサドンデスのバランスが面白いよね」 B「死んでも面白い、笑ってまた遊べる、というのが、ドラゴン・ファンタジーシリーズの稀有な長所だと言える」 朕「ただの本に留まらない附録的な仕掛けや地図が各巻ごとについています」 B「本文の謎や小ネタもクセになるんだよな。ブレナン先生の遊び心は最高。この独特なアクの強さが、今に至るまでオールドファンを離さない理由だな」 |
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10.グラディウス (双葉社 1986/9/08) |
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B「ファミコンゲームブックで業界を席巻した双葉社の初期の名作だッ!」 朕「STGのゲームブック化にあたってはADV化の作業が必要ですが、その辺を上手に置き換えている感があります」 B「加藤洋之&後藤啓介の繊細なイラストも80年代の売れ筋だしな」 朕「ザナドゥもそうですが、効果的にイラストを使ったゲームブックは意外に少ないからね」 B「キャラの掛け合いも面白い。絶えず主人公と衝突するヒロインは今で言うツンデレ」 |
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次点(順不同 計20冊) |
ウルフヘッドの誕生(創元推理文庫) パンタクル2(創元推理文庫) ニフルハイムのユリ(創元推理文庫) 灼熱の監獄島(ルパン三世) 黄金のデッドチェイス(ルパン三世) ゼルダの伝説 蜃気楼城の戦い(双葉社) |
死の城塞(ホビージャパン) 七匹の大蛇(社会思想社) 奈落の帝王(社会思想社) モンスター誕生(社会思想社) |
ゾーク1(JICC出版) ドラゴンスレイヤー(JICC出版) 魔術師の宝冠(富士見文庫) 魔人の沼(富士見文庫) 闇の黄金郷(富士見文庫) 竜の血を継ぐ者(創土社) |
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朕「ベストテン全体で見ると、案外順当なランキングのような気もしますが……」 B「とは言えランキングごとの差は実際のところ相当大きい。次点はぶっちゃけダンゴだけどな」 朕「出版社別に見るとHJ社作品が3作ランクインですが……その辺は」 B「あくまで結果。創元、双葉が2作づつ、富士見、二見が1作ランクインしてるし、どっちにしたって1位がJICCだしな。逆に出版社に遠慮して選んでもフェアじゃないし面白くないだろ」 朕「まあ次点を見ても、ルパンシリーズの強さは異常な訳ですが」 B「むしろようやくFFが4作入ったのが意外と言えば意外だけどな!」 朕「FFは単体で選ぶと作品としての粗がどうしても出る感じが難点なのかな……」 B「関連で言えば、オマージュ精神溢れる『凶兆の九星座』は当時を偲ばせる面白さだった」 朕「ソーサリー4部作ですら『七匹の大蛇』1作ですが、これは?」 B「重厚なRPG大作だとは思うがな。ゲームブックとしての出来はランキング作品には正直届かないか……」 |
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おまけの番外編(BOB選) |
『時給戦士スマイルバン―追跡!謎のG計画ドキドキ編』 |
B「ある意味オールタイム5を挙げてみまんた」 朕「いや……さいとう・たかを先生の『ロシア不正規隊』は兎も角、知らない方には何がある意味なのかすら分からないから……」 B「『癌の雄叫び』は医学部の実習生向けを標榜する謎のゲームブックだ。リアル知識が必要な上、何をやっても患者が死んでしまうという」 朕「何というトラウマ……」 B「違うわー!諸行無常と命の尊さを語っておられるのだー……多分」 朕「秋元康プロデュースだったら売れたかもね……大体最後のエスパーシリーズ全部って何?どれかに絞らないとダメだろ」 B「いやこの本は……へあッ」 (バカはエスパーゲームブックを取り落とした挙句、冬コミで大量購入した同人誌の山頂付近に蹴り込んだ) B「マイレコメンドがジャンクヤードの山に埋もれ………………ィィィ!」 朕「それが最短手とか言うんじゃあないぜッ!」 B「………………………………」 |
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ゲームブックはよく知らないので、参加できないのが残念です。
夜音さんの企画に便乗してみました。
ベストテンって考えてみると、案外選べないもんでした〜
というわけで、自身のランキングです。
1:ドルアーガ三部作(悪魔に魅せられし者)
2:ソーサリー四部作(魔法使いの丘)
3:展覧会の絵
4:ニフルハイムのユリ
5:パンタクルシリーズ(パンタクル)
6:スーパーブラックオニキス
7:ゲームブックザナドゥ1
8:デュマレストシリーズ(巨大コンピュータの謎)
9:魔神竜生誕
10:バック・トゥ・ザ・フューチャー
企画意図に反してシリーズ物を入れてしまいましたが、そうしないと鈴木作品とソーサリーだけで埋まってしまいますので。
上位陣は説明不要の有名作ばかりなので、下位についてコメントです。
7:は豪華なイラストと重厚な文章、変則的なゲーム進行が魅力。
8:は設定ならびに選択分岐物語としての出来の良さで。
9:は思い入れでは過去作に及びませんが、21世紀に出るべくして出たゲームブックだと思います。
10:は気軽に手軽に遊べる代表として。
こうしてみると、国産のかっちりしたゲームブックが好みなので、やはりまっかっかなランキングになってしまいました。
あと、「ププププーさんのゲームブック日誌」というサイトでもランキング発表されてたので、参照されてみてはどうでしょう?
投票数があってこそのベスト10企画なので、多くの方が参加されるといいですね。
や、遊びの企画ですので特段意図があったりはしないのですが……
例えばシリーズ物で「ソーサリー」と「魔法使いの丘」にそれぞれ投票があっても集計の際に困ってしまいますので。
あとランキング作品が創元が多くなるのもあくまで結果ですので、それはそれでガッツリ投票したって下さい。
http://d.hatena.ne.jp/Epikt/20080120#1200829400
しかし。
なぜ縄文伝説が……
わたくしのベストは、おそらく他の方とは違うので、集計結果には影響を与えないと存じますが、縁起物でございますからな。参加させていただきたく存じます。
選考基準は、ストーリーの良さと展開の多彩さあたりですかな、多分。
コメントのせいで長くなってしまいました。平にご容赦を。
それと、プロは敬称略なのは許してください。ごめんなさいです。
では、一位から。
1) 『天国か地獄か―恋と遊ぶゲーム こりゃやめられない大興奮』霜田恵美子(*リライト:村松 恒平(←氏のサイトによる))(KKベストセラーズ 1986/5)
女性の半生を描くゲームブック。一プレイは10分か20分程度だろう。紋切り型の短い文章で、さくさく進む。一方向移動・拡散型で、マルチエンディング。エイズになったり孤独死を迎えたりと、エグ味があるのは好きではないが、それ以上に展開の多彩さが魅力だ。オビに、(持ってないので記憶だが)「しょせんこの世は金と顔」とあるように、パラメータは「容姿」と「お金」。それだけ聞くと身も蓋もないが、この「容姿」は単に美しさではなく、カリスマ性や評判を兼ねていて、それが展開の幅を広げている。
ファンタジーブームとともに進展したゲームブックは、どうしてもファンタジーの枠組みの中で考えられがちだが、むしろ現代もののほうが選択肢や展開といった面で相性がいいと思う。と同時に、ファンタジーRPGでこのタイプのゲームブックがあれば、ぜひプレイしたい。
2) 『魔城の迷宮〈アドベンチャー・メイズ〉』奥谷晴彦・刀根広篤(二見文庫 1989/3)
とにかく雰囲気がいい。「みんな迷うために生まれてきた」(544)という言葉が象徴しているように、このゲームブックはまさに本全体が迷宮だ。
この作品をコンピュータ上で再現したとしても意味のないものになってしまうだろう。ざらついた質感の絵を追いながらページを繰ってゆく。それが、迷宮内をさまよい歩く感覚とマッチしている。
プレイし終わったあとも、ぱっと開いたところからある目的地まで行く、というふうに、迷路ゲームとして何度でも楽しめる作品だ。
3) 『サイボーグを倒せ』S・ジャクソン著/坂井星之訳(社会思想社 教養文庫 1987/4)
ゲームブックの魅力の一つに、パラグラフのパズル性というものがある。こうしたフローチャートのパズルは、S・ジャクソン(英)の独壇場という感があり、その意味では、ゲームブックはS・ジャクソンのもの、という極論も成立する。
この作品もそうしたパズル性全開で、それだけで充実した内容となっている。それに加えて戦闘も、となると、だから少し重い感じがする。むしろ、戦闘は全部勝ったことにして進めていったほうが、スピーディで楽めると思う(というか、そういうやり方でプレイした)。
ただ、ここで採り上げたのはそうしたパズル性ゆえではない。この作品がいいのは、敵のキャラクターだ。いかにもアメコミといったキャラクターが次々と登場して、それが楽しい。いわば、アメコミというバッググラウンドに支えられた形ではあるが、それが展開を変化に富んだものにしている。
4) 『ミシシッピー殺人事件/リバーボートの冒険』樋口明雄/STUDIO HARD(双葉文庫 ファミコン冒険ゲームブック 昭和62(1987)年5月)
バカゲーの名高い原作(ファミコン)を、樋口明雄は見事なまでの傑作に変えてしまった。
「事件の真相には何一つ関わってこない」という「無意味に濃い」原作のキャラクター設定をうまく組み合わせて、事件の裏にあった真の真相をあぶりだして見せているのだ。
ただし原作の後日譚なので、原作を知らないとわけがわからないかもしれない。
(わたくしは、「ユーズドゲームズ」誌vol.16の特集「奇作大漁! バカゲーコレクション」で読んだ(上記カギカッコ内もそこから引用)が、まとまっていてわかりやすかった。ちなみにこの号の小特集は、「ゲームブック五段活用」。p.80〜81の概説は、ゲームブックファンなら間違い探しとして楽しめる)。
真の真相を解き明かす、といってもこのゲームブックは推理ものではない。
主人公もファミコン版に登場する探偵ではなく、三人の少年少女。タイトルに「冒険」とあるように冒険ものだ。
ミシシッピーで少年の冒険とくれば『トム・ソーヤー』だが、この作品はまさに『トム・ソーヤー』にオマージュを捧げた作品といえる(実際、マーク・トウェインも登場し、少年たちと関わる)。
『ヴァイケルの魔城』のあとがきでも氏は、「まずは、子供を主人公にしたい」と書いているが、その少年たちの冒険が生き生きと描かれているのだ。
そしてラスト。これが震えるほどいい。「古いものと新しいもの。その入れ代わり。君らは、そんな時代を生き、また、そんな場所に生活している」−−エピローグでのマーク・トウェインのこの言葉が、作品全体をまとめあげている。その一つ前のパラグラフ(380)で、その言葉の導入となる対決が行なわれるのだが、それが実に格好いい。
あと、些細なことだが気に入っている点が一つ。それは、あるシーンの行動に関してプロローグ部分にヒントがあるということだ。つまり、プロローグを飛ばして、1からはじめるとちょっとだけ不利……というか、プロローグを読んだほうが有利というべきだろう。
プロローグ部分にヒントがあるといえば、『仮面の破壊者』(R・ウォーターフィールド/坂井星之訳 社会思想社 教養文庫 1987/11)の「アイフォー・ティーニン」が有名だが、それ(の日本語版)より登場が早いし、知らなくても致命的ではないし、それほど露骨でもないのがいい。
5) 『SDガンダム ガシャポン ウォーズ』千葉智宏・望月正雄/超音速(バンダイ文庫ゲームブックシリーズ 1989/3)
ガンダムゲームブックとしては、『最期の赤い彗星』(勁文社)や、HOBBY JAPAN社のZ・ZZのシリーズが挙がることが多いが、わたくしとしてはこれがお薦め。
内容は、一年戦争を中心としたアムロとシャアの戦いのパロディ。キャラクター設定がガンダム以前のロボットもの、つまりアムロは明るく女の子好き、シャアは典型的な悪役となっていて、そういえばガンダムってアムロが女性と出会っていく話でもあったんだなぁ、と改めて思った。
システム的には、マップ上の地点を指定することで地形効果やアイテムを得られる。通常、ゲームブックでは強いやつが勝つものが多いが、このゲームブックでは、弱くても勝てる可能性がある。つまり勝ちやすいのだ。
そこまでならまぁ普通だが、このゲームブックがいいのは、バッドエンドが楽しいということだ。ゲーム自体が勝ちやすいので見逃している人も多いかもしれないが、とにかくエンド時の対応が、ちゃんと工夫されていて楽しい。
中でも、再会したお父さんの設計図をもとに改造したガンダムや、強化人間のAKIRAネタとか、「白インク」が個人的にお気に入りだ。
6) 『ゼルダの伝説/神々のトライフォース』富沢義彦/STUDIO HARD(双葉文庫 スーパーファミコン冒険ゲームブック 1992/7)
双葉文庫おそらく最後のゲームブック。最後期の同社のゲームブックには傑作が多いが、この作品もまぎれもなくその中に入る。
とにかくストーリーがいい。最初から最後まで、とにかくしっかり読ませてくれる。エンディングは、ベストエンディングもいいが、苦味の残るほかの二つのエンディングも素晴らしい。
ただし、大きな欠点が一つある。バグだらけなのだ。そのことで双葉社にハガキを送ったら正誤表を送ってきてくれたのだが、それで修正してもちゃんとプレイできなかったという……。結局、自力でバグをつぶしたのだが、それだけのことをしてもプレイする価値がある作品だ。……いや、逆にそれだけのことをしたから思い入れが強いのかもしれないが……。
やっぱりバグはいや、という人は、同じ作者のルパン?世ゲームブック『戒厳令のトルネード』をプレイすればいいだろう。こちらももちろん傑作だ。
7) 『ウィザーズ・クエスト』ピンヘッド・スタジオ(滝日省三)(富士見ドラゴンブック 平成2(1990)年/3)
絵に描かれたものを選択してゲームを進めていく、クリック・アドベンチャー的な移動が中心の作品。思わぬ場所に飛ばされたり、意外な展開が待っていたりと、魔法の不可思議さがそのシステムで表現されている。
そうしたメインの移動形式の下に、パズルあり、双方向移動ありと、ゲームブックのあらゆる要素を取り入れているのが意欲的だ。プレイしているほうも、それが楽しい。
8) 『悪魔城伝説 真正バンパイアハンター』井上尚美/RECCA社(双葉文庫 ファミコン冒険ゲームブック 1990/6)
井上尚美の作品を何か入れたい。何がいいだろう? シリーズものもアリなら、迷わず『少年魔法使いインディ』なのだが……。と、考えた挙句、選んだのがこの一作。ゲームブックを書こうとした人なら案外誰でも考えるだろうチェックシステムの使い方が採用されている。
そのため、無駄なチェックも結構あるのだが、それが逆に緊張感を高めている。もちろんそれは、ストーリーと文章力が優れているからなのだが。
そして、エピローグ。ふたつあるそれは、シチュエーション的にはほとんど変わらない。だが……。吸血鬼ものらしいラストだ。
9) 『魔法使いディノン(1) 失われた体』門倉直人 (ハヤカワ文庫GB 昭和62(1987)年/2)
残念なことに(2)のほうは持っていないので、(1)で。
幻想的な雰囲気を持つゲームブック。このようなゲームブックがもっと増えていくと思ったのだが……。
10) 「山越しの雨」冬川準二 (冬川準二個人誌・10 『炎の蜃気楼』本・2 『景虎様が一番!』所収 1995/5)
最後に同人誌から、冬川準二さんの作品。
全体のタイトルにもあるとおり、『炎の蜃気楼』をベースに使っているが、ストーリー的にはほとんど関係ないので、同シリーズを読んだことがなくても問題はない。さらに、作者がそっち系の話が大嫌いということで、そういう話にはならないので安心して楽しめる(^^)。
旧陸軍跡地に建てられた中学校に出現した軍人の霊にまつわる話で、地図に書かれた数字を選んで調査していく『送り雛は瑠璃色の』タイプ。しちめんどくさい部分がない分、わたくしとしては『送り雛〜』よりも好きだ。もちろん、お話としてもしっかりしている。
(他に冬川さんの作品は、「夏鏡」(個人誌・3「青き鷹」所収)と「魔法使いディノンもどき最終話・風の旅の終息」を読みましたが、どちらもしっかりとまとまった作品です)
☆ あっと、『火吹山の魔法使い』が抜けてしまった。何度も遊べるゲームバランスということで、「オールタイムベスト」にふさわしいのだが……。ま、別格というか殿堂入りということで。
久々に読み応えのあるGB論考でした…実は同人作品への投票は道化の真実さまが初めてなのです。
僭越ながら私も投票に参加させていただきます。
1.ドラゴン・ファンタジーシリーズ(二見書房)
2.ソーサリー四部作(創元推理文庫)
3.魔人竜生誕(創土社)
4.モンスター誕生(社会思想社)
5.ギリシア神話三部作(現代教養文庫)
6.悪夢の幽霊都市(祥伝社)
7.邪聖剣ネクロマンサー(双葉社)
8.魔人の沼(富士見文庫)
9.送り雛は瑠璃色の(創土社)
10.モンスターの逆襲(社会思想社)
1、2、5位はどうしても一つに絞れなかったので、このような形とさせていただきました。
全体的に暗めで、ドロっとした雰囲気のものが好みです。あとブラックユーモア。
せっかくなので参加させていただきます。
私はおそらく古参の部類に属しますので、基本的には古いものが優先されていると思いますが、まあご愛嬌ということで。
1.火吹山の魔法使い(理屈抜きです。とにかく衝撃でした。中学校の授業中に夢中でやってました)
2.悪夢の幽霊都市(サイコロを使わないGBではこれが一番です。)
3.城塞都市カーレ(パズルという点ではこれも捨て難い)
4.バルサスの要塞(ゲームブックにおける魔法の可能性を感じました)
5.モンスター誕生(とにかく衝撃でした)
6.ロストワールドシリーズ(GBかはちょっと疑問ですが……)
7.魔法使いディノン(魔法の不可思議さを最も感じる作品)
8.送り雛は瑠璃色の(和のゲームブックの可能性を感じました)
9.モンスターの逆襲(これは純粋に娯楽として楽しめましたね)
10.アルテウスの復讐(異世界を感じましたね)