レファ協ほめまくり このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-06-21

[]新しい時代の図書館研究会第3回研究交流会&第4回ARGカフェに参加したよ

6月20日に行われた新しい時代の図書館研究会第3回研究交流会&第4回ARGカフェに参加しました。会場はせんだいメディアテーク(smt)です。

新しい時代の図書館研究会第3回研究交流会。近くて遠い(微妙な表現ですが)smtに触れることができました。smtというのは,場所柄といってしまえばそれまでですが,定禅寺通りの雰囲気はとても魅力的で,いろんなイベントが開かれていて,楽しい場所です。一方で,「smtってなんなの?」って言われても説明しづらくて,「図書館が入ってるオシャレな建物でー」とか言ってしまうのも事実。本当はそうじゃなくて,企画支援という部署名が示すように,様々なプロジェクトを企画し,それを実現するための支援施設というソフトウェアを持っています。smtの副館長である佐藤さんの話から,smtは空間であるということ,そしてそれをどのように使っていくかということの企画に苦心していることがよく分かりました。

そして,やはり気になるのは,smtと仙台市図書館との関係。仙台市図書館はsmtに入居しているだけではなく,一方で,仙台市の中央館でもあり,そういう機能を有している図書館です。それは単に運営主体の違いでしかないといえばそれまでですが,その関係はとても微妙バランスの上に成り立っていると感じています*1仙台市図書館図書館であり,中央館でありつづけるならこの関係はしばらく続くのだろうと思います。

続いて,第4回argカフェですが,個人的には3回目の参加です。ライトニングトークを中心に構成されるこのイベントですが,登壇者も参加者も大学図書館関係の方々が多かったのが印象でした。あとみなさんテンションが高かったです。

順番に印象を書いてみます。一応断っておきますが「〜〜のお話し」は私のメモを元に思いっきり要約したものです。それ以外は私の感想等です。

  • 矢内美どり(茨城大学図書館)「一人メディチ家宣言−良コンテンツには後払いの文化を!」
    • 著作物などコンテンツの利用に対して,「後から」対価を支払えるような文化をつくりたいというお話し。
    • まったくおっしゃるとおりだと思います。テクストは単独で存在することはできず,テクストの再生産というプロセスを経て,世界は構築されているはず。テクストをいかにアーカイヴするか,という点にばかり目がいきがちですが(とくにMLAに関係する人々),テクストの利用と再生産をいかに支援するかという点も必要な視点だと思います。
  • 和知剛(郡山女子大学図書館)「「webでの展開に適したパスファインダー作成の試み」こぼれ話」
  • 熊谷慎一郎(レファ協ほめまくり)「レファレンススライブラリアンはどこにいるのか」
    • 当日使用した資料をPDFで用意しました(パワーポイントは使ってません。)。フォントの問題がちょっとあって,配布したものとは微妙に異なりますが,よろしければどうぞ。一部誤字(重複語句)を削除しました。[PDF]http://www8.plala.or.jp/kms/n/arg20090620.pdf
      • ちょっとした裏話。ライトニングトークの5分をどういうスタイルでプレゼンしようか直前まで迷っていました。高橋メソッド風のスライドをつくろうかとも思ったのですが,結局断念。慣れていないスタイルを付け焼き刃でやってみてもあんまり格好良くないなぁというのが大きな理由です。もっとも,パワーポイントを用いて,格好いいスライドと格好いいプレゼンというのも,まだ自分では納得できるスタイルを見つけられていません。その代わりといってはなんですが,前に自分でつくったフライヤー(もともとMicrosoftのサイトで公開されていたwordのテンプレートです。)を流用してみようと思い作成したのが,上記の配付資料です。これを配色を変更し,若干行間や文字の配置を変更しています。ニューズレター風というか。販促チラシ風というか。本題とは関係ないのですが,図書館のイベントチラシなどはデザインをもう少しなんとかした方がいいんじゃないかと思うことが多くあります。そういうこともあって,他のイベントのチラシと並べられていても,手に取ろうと思えるデザインということを意識しました。あと,この資料の右下のキャラクターには名前があって「くまいちろう」君です。デザインは第3回argカフェで秀逸なプレゼンを行った小篠さん*2です。このキャラクターは今後もちょくちょく登場予定です。
  • 渡邊愛子(東北大学附属図書館)「サービス現場のボトムアップな連携を!!学外者利用から考える」
    • 東北大学附属図書館を学外者の方がどれくらい利用をしているかについてのお話しあれこれ。
    • 学外者にとって東北大学附属図書館は実は結構使いやすいと思います。自分が勤務する所でも,実際に足を運べるなら,行ってみたらいいですよと進めることが多々あります。ボトムアップな連携というのは私も実現させたいポイントだと思っています。ぜひプロジェクトを立ち上げたいです!
  • 福林靖博(国立国会図書館)「図書館の“ナレッジ”をくみ上げ、提供する」
    • リサーチナビについてのお話し。
    • 図書館員のknowledge(ナレッジ)をまとめあげる,見えるようにするというのはとても大事な事だと思います(それは別に図書館員を否定するようなことではないのです。)。パスファインダーが大きな成果の一つであり,地域の図書館はその地域に関する調査のためのあれやこれやを整備していくことで図書館員のナレッジは社会に見える形で提供されるのだろうと思いました。
  • 長神風二(東北大学脳科学グローバルCOE)「図書館員からの発信求む−科学コミュニケーターから思うこと」
    • 科学コミュニケーターは異分野との対話である。図書館員も異分野との対話をすべきというお話し。
    • 図書館員が業界の外へ出るべきであるというのはディスカッションの時間にも話題になりました。
  • 半澤智絵(東北大学附属図書館工学分館)「チームで力を発揮する−東北大学附属図書館理工系情報教育支援WGの活動」
    • 東北大学の理工系分館の職員で作成した情報教育関係テキストのお話し。
    • 「個人の能力もさることながら,チームとして力を出せる図書館員を誇りに思う」という氏の言に感動です。プロジェクトマネジメントはそういう風に進められるべきだなぁと思いました。
  • 林賢紀(農林水産研究情報総合センター)「日本国図書館OPACリストの15年」
    • 日本国内図書館OPACリストについてのお話し。
    • 15年間コンテンツを維持するというはすごいことです。そして,今やきちんとした一つの業務として引き継がれているということもすごいことだと思います。持続可能な事業として展開されていくこのリンク集がこれからも続くことを願っています。
  • 岡本真(ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG))「突撃・隣の図書館図書館アポなし訪問のススメ」
    • 図書館を訪問するときはアポなしで行った方が中をよく知ることができるというお話し。
    • 図書館は自由に出入りができる空間なので,アポなんてなくても入ることに問題はないので,たしかに,アポイントメントがあると,良く見せたいところを案内されるというのはあります。でも突然岡本さんが来たらびっくりします。
  • 武田こうじ(詩人)「街のことば−Book! Book! Sendai
    • 仙台を本の街にしようという「Book! Book! Sendai」というプロジェクトについてのお話し。詩のリーディングもありました。「本と,生きている」という詩です→【PDF】http://www.library.pref.miyagi.jp/kotobanoumi/pdf/2801.pdf
    • 武田さんとは私が図書館に勤める前から知り合いでした。自分が図書館関係者としてこういう場で一緒になるというのはなにか気恥ずかしいとも感じます。ちょっと前には一緒にイベントを企画して数回リーディングライブを行ったこともあります。そのイベントの時のフライヤーは私がデザインしました。武田さんのリーディングって他の人と何かが違うんですよ。だからこそ,かれは詩人として生きているんだと思います。「詩人なんてあらゆる世界でアウェー」と自嘲気味に話すけれど,あの5分で会場にいた40人近くを一瞬でリーディングの世界へ持って行くすごさは本当にすばらしいと思います。
    • ちょうどこの20日にもBook! Book! Sendai関係のイベントがあり,メディアテークの近くの「マゼラン」というブックカフェでも関連イベントが行われていました。Book! Book! Sendai関係のイベントにも要注目です。
  • 佐藤亜紀(山形大学附属図書館医学部分館)「ワタシはコミュニケーションに飢えている!MULU=みちのく大学図書館員連合準備中!参加者求む!!」
    • 図書館関係者が集まって,あれこれやりたいのでMULUに参加しませんかというお話し。
    • すごいエネルギーを感じました。一緒になにかやりたいなーと思ったのですが,ついて行けるか不安が若干ないわけではない…。ともあれ,こういうグループがあちこちにできたらきっと楽しいです。そして,いろんな集まりが生まれていることがなによりもライブラリアンの強さを感じました。
  • 笹氣義幸(笹氣出版印刷)「学術の世界と市民を繋ぐために「印刷屋」にできること−フリーペーパー『まなびのめ』」
    • 『まなびのめ』に関するお話し。
    • 笹氣出版は学術関係の出版をずっと取り扱ってきた印刷事業者さんです。こういう学術情報をあつめたフリーペーパーっていうのはめずらしいしおもしろい取り組みだと思っています。個人的にこういう資料大好きですが,資料として受入している図書館は少ないです*3仙台市内の図書館等にはあると思うんですが…。

以上がargカフェの概要です。要約が間違っていたらごめんなさい。

その後懇親会,2次会,3次会とつづき,楽しかったなぁという一言で感想を終えます。私は21日の朝から普通に勤務でした。元気いっぱい。

今回はこれまでのargカフェとは全然雰囲気が異なっていたなぁと思いました。

私は大学を卒業してから仙台に来たのですが,ちょうど今年で10年経ちました。図書館に勤める前からの知っている人や一緒に仕事をしたことのある人も多かったし,よく話を聞いてみれば,研究科が一緒だったり,共通の知り合いがいたりと近いなぁという部分もあり,よくもわるくも地元だったんだなぁと思います(こういうことを思うと必ず次はどこで生活しようかしらん…と考えたくなります。現実的にはそう簡単には叶いませんが。)。

いろいろ声をかけて頂いた方に感謝です。全員とお話しすることは叶いませんでしたが,本当に楽しかったです。

*1:これは研究会のときに話を聞きながら思ったことでもあるし,日々仕事をしていても思っています。

*2http://d.hatena.ne.jp/arg/20090302/1235996772

*3http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3AAA12315751