不思議な映画『大統領執事の涙』

 今日は母の洗濯物etc.で病院に。妹総書記はどこかに出掛けているし知らんプリ…恐るべし。まぁどうでもいいけど。
 んでリハビリが午後にあったので帰って来たらジョルジュが怒って出て行った。雨降ってるのに‥

 それで何か映画でもと思いCATVのメニュを見ると『大統領執事の涙』が丁度15:45からだったので観ました。これ、先月か先々月WOWOWで放映されていたのを見逃していたのでラッキーではありましたが、ちょっと変な話でした。
 主人公・セシルは綿畑で働く典型的なアフリカ系奴隷の子供。白人の理不尽な暴力で父親の命と母親の魂を奪われた(この母親のシークエンスがちょっとよく解らないのでそう推測)のだけど白人に隷属する事で出世していく。まぁそうして出世していくだけの知性はあって‥なんて書くと差別的かもですが、セシルの認識としてはそう。
 ここで息子・長男のルイスというのが実にラディカルにアフリカ系アメリカ人の自立運動に関わっていく、そこで矢張り父親を軽蔑していたりするのだけれど「その俺の脛を齧っておいてフザケルな!」という父親の言い分は至極真っ当?
 で、まぁ次男がヴェトナム戦争で喪われたり、ルイスはルイスでブラック・パンサー活動に嫌気がさして大学に戻り政治家になってみたり。そしてN.マンデラ解放運動をしている所に父親・セシルが職を辞し現れ和解。
 映画の最後はB.オバマが大統領になり…という所で終わる。
 
 わたしがこの映画を不思議というか変だと思ったのはオバマが大統領になった事によってアフリカ系アメリカ人の立場が向上したかというとそうは思えない。まして娘にムスリム系の名をつけているルイスが若い頃に父親とシドニー・ポワチエに関して言い争いになったりしている事からしてオバマの何たるかは解っていそうだのにな。
 ちなこの映画の中で「南部で公民権運動をしていた3人が殺された事件にFBIが乗り出したのは被害者に白人がいたから」というセリフがあったりして、この映画は恐ろしく遠回しに真のアフリカン・アメリカンの自立を目指す行動なり感性を侮辱しているような‥
 その「南部で3人が」というのは『ミシシッピ・バーニング』で描かれているけれど…真実であれ嘘であれ、わたしはこれがマトモな感性だと思う。
 動画あったんでコレ↓

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 亡霊の肩代わりとは随分な言い草だ。余程に彼は里佳子さんこと姉貴に愛着があるのであろう。一緒に暮らそうとなった途端に亡霊になってしまったのが残念なのは解るが、今姉貴が一緒に暮らしているのは我輩であり愛されておるのも我輩だ。
 「ハハ、君の気を悪くしてしまってここは謝っておく。確かに僕は亡霊だ。然し里佳子さんは猫族の気持ちを理解出来る人さ。神社の虎さんも、その前に居ったグレイさんも里佳子さんと通じていた。君はどうだい?」
 「通じるとかはよく解らんが姉貴は我輩を愛しておられる様に思うからそれで充分さ」
 で、あるならば、と亡霊は言う。
 「かの女の趣味など寛容に受け止めておけばいいじゃないか。君が里佳子さんをどういう人間だと考えているかは勝手だが少々我が儘ではないかい?やたらと批判的だ」
 批判的であるかも知れぬが我輩は姉貴に選ばれて此処に居るのであるから批判の一つもしてよかろう。然し我輩がかの女に関して批判的となったのは凡そ外界に於いて姉貴が異質であると知らされたからであって、其なければ批判などせぬであったと思う。