18.なんだと!

 「なんだお前、やる気か!?」
 ゆったりと現れたマルにバッキーは怒鳴った。こいつは油断ならねえ。
「まぁ待てって。あのジョルジュんとこに妹分が来るらしいぜ?」
 いんてり屋の禿とジョルジュんちのヅラ姉貴が喋っているのをマルはきいていたのだ…未だ乳離れしてそれ程もたっていなさそうな♀の白黒、それも白黒で可愛いやつが来るという話。
「可愛い♀か…」
 考え深気なバッキーに、マルは笑いながら言った。
「それがあのヅラによると"わたしと似て"だとよ!悪趣味なTシャツ着てたりするかも知れないぞ」
 バッキーはしかし考えた‥白黒唯物野郎よりは俺の話を怖がって泣くかも知れない。どの話をしてやろうか…
「あとな、お前みたいなボンクラに手を出されたら困るから、その仔は外に出さないってよ。そうなったらジョルジュも出てこなくなるかもな」
「なんだと!」

孤独で!孤独で!孤独で!

 昨日ヘンな夢をみた。
 近所の商店街のコロッケが美味しい店で買い物をしたら悪党に追いかけられた…悪党のメインは小学校の時に仲が悪かった女子で、兎に角、わたしの買ったコロッケを略奪しようとし、怪しげな男3人と追いかけてくる。
 よく知っている町だし道もそう複雑じゃないのだけれど、何故か封鎖されている通りが多い。わたしは自転車に乗っていて、歩いてなら通れそうな隙間もあるのだけれど、そこに自転車を先ず投げ込んで逃げる。
 少し行った所で18歳の頃に知り合ったGFの松子が出てきて
「こっち」
 と、坂の上から池のような所に自転車を突き落とし、わたしたちも飛び降りた。
 するときれいな部屋で、わたしは彼女とコロッケを食べたのだけど
「松子が元気そうで嬉しいけど、パパも死んでわたしはもう誰からも愛されていないよ!孤独で!孤独で!」
 と、わたしが言うとかの女は
「私は一緒にいたかったけど」
 と言って仔猫がコロッケを食べていたのでコロッケを取り上げると(仔猫がコロッケを食べていいわけがない)そこは昔暮らしていた家の居間で、仔猫はピアノに飛び乗るとごろりと横になって‥
 ジョルジュに起こされた。

ところで私は特にこういうジャンルの音楽が好きではないけど、この曲をきくとかの女を思い出す

 それにしても、この夢を見る迄、わたしは自分が孤独だなんて思ったことはなかったのに、ちょい不思議。