駅前路地裏の名店

　その店は、金沢駅からちょっと路地を入ったところにある。間口が小さいガラス張りのその店は、外から店内を見ることができる。
　二階には、テーブル席もあるが、カウンターに座ってシェフと会話をしながら食べるのがお気に入りだ。すべてが、繊細かつ大胆で、何を食べても本当に美味しい。
　特にオーナーシェフが自ら仕込むジビエ熟成肉と手作りソーセージは絶品である。店の中ほどにあるソーセージと肉の熟成庫には何時も熟成中のそれがぶら下がっている。
　カウンターでシェフの手から軽快なペースで生み出される料理を感心しながら眺め、次はあれが食べたいと思いながらオーダーをするとあっという間に、お腹がいっぱいになってしまう。
　シェフとの会話を楽しみ、おいしい料理を堪能した後、お財布にもとても優しい事が、さらにこの店の虜にされてしまうのである。

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