草なぎ復帰のスマスマにおいて、最初のビストロスマップのゲストが爆笑問題というのは、これはもう必死に考えた構成の人たちを褒めるしかないでしょう。120点の人選。


テーマリクエスト第3弾。今回は「2011年に完全に地デジになるにあたってのテレビの未来」についてです。あんまり未来については書いてませんけども。

地デジになるけど何が変わるわけでなし

まず「2011年に完全デジタル移行は完了するのか」という話をしてしまうと、「分からない」が正直なところである。色々なところで語られている話であるが、先に地上波のデジタル化を推進し移行したアメリカは、結局期限を先延ばししたという事実がある。また、残り2年ちょいという期限で、現在テレビを持っている人々全てにデジタル放送が受信できるテレビが行き渡るというのは、なにやら「無理」という計算が出ているらしい。詳しいことは知らんが。


自分はこの地上デジタル完全移行が2011年というのが発表された時から「んなもん無理だろ」と思っていた。そして未だに思っている。世の中エコだエコだとバカの一つ覚えのように叫んでいる中で、アナログならば使えるテレビを一斉に廃棄させるような話があっていいものか、と思っているし、その矛盾を解消しうる地デジチューナーだってどこまで普及するのか怪しい。そしてテレビの寿命が尽きてないうちからテレビを買い換えるなんて人は一部の金持ちくらいなもんで、庶民には「静観」というのが一番の選択肢であり、2011年という期限が決められてもなかなか移行しようとしないのは当然である。さらにこのままでは直前になって「品切れ状態」になるのも目に見えている。この混乱を解消するために結局は「延長」という措置になるのでは、と踏んでいる。


でまあ、テレビ局も一応は地デジ移行に関して宣伝はしているけども、危機感をあまり感じていない(ように見える)のは正直気になるところだ。地デジに移行することで、確実に「テレビを見なくなる」人は増える。自分のような人間はともかく、一般人にとって今のテレビには「何が何でも地デジ放送が見れるテレビに買い換えて見る」というほどのインセンティブは存在しない。アナログ終了即フェードアウトの人は確実に、しかも大量に出現するはずだ。


視聴率こそ地上波デジタルが受信できるサンプルで調査するのだから減りはしないのだろうが、確実にテレビを視聴している分母は減る。分母が減るということは広告効果が薄れるということであり、それはさらにスポンサーが離れていくのを助長する。つまりは現在の不況が招いている広告費削減がさらに加速するという可能性がある。テレビを見る人も減るし、作る側にも圧迫を与える。つまりはテレビという文化にとって致命傷になりかねないわけだが、なぜかテレビでこの苦境を訴えようとする人は出てこない。呑気なのか、それとも単にどうしようもないのかは分からないけど。ま、後者であることを願うが。


だから地上波デジタル放送に移行することに関し、放送の映像だけはくっきりはっきり明るくなるのだろうけども、個人的にはテレビにとってひとつも明るい話題には思えない。むしろ放送終了するアナログ放送の画面のようにお先真っ暗という感じですらある。


今年の正月に書いた文章「綺麗ア・ラ・モード」でも触れたが、今のテレビにとって「画面が綺麗になること」は消極的なメリット(綺麗でないよりは綺麗なほうがいい、という程度。スポーツ観戦やドキュメンタリーで自然の映像を見る人には有効)でしかなく、綺麗になったからと言って大方の番組の面白さに影響はない。むしろ出演者のアラ(肌艶やシワの有無など)が見えてしまい、今までより余計なことを気にしなければならなくなる。デジタル放送は多くの情報を提供するが、情報を大量に提供することが必ずしも善ではないのである。


なもんでテレビ局としては地上波デジタルのメリットを生かした番組を作らざるを得ない状態になる。一番分かりやすいのは「双方向」であり、視聴者がテレビを通じて番組に参加できる番組が増えるだろう。今も日テレが「サプライズ」で視聴者投票を多用しているが、完全移行してからはもっと「生放送でのアンケート番組」は増えるんじゃないだろうか。クイズ番組も然り。ここが新たな鉱脈となれば、思いも寄らない番組が登場してもおかしくない。可能性は低いと思うけど。


結局のところアナログだろうがデジタルだろうが、テレビの面白さを左右しているのはテレビの中の人間であって、それを見るのは視聴者であるから、デジタルになろうともテレビの中身そのものはさほど変わらないとは思うが、それ以前の問題でデジタル移行に際し多くの視聴者を篩いにかけることになるならば、いくら電波の有効利用を謳ったところで、そこに明るい未来があるとは思えない。


テレビは万人に見られての情報共有源であり娯楽であるべきだろう。どうせデジタルの立派なテレビなんて金持ちが大して見もしないのにどでかい画面のものをインテリア代わりに置かれているんだろう。だったら貧乏人がしがみつくように見てフル活用されている14型のアナログテレビを壊れるまでちゃんと映せるようにしておけ、と思う。


結局あんまり未来については語ってませんが、地上波デジタル切り替えがスムーズに行かないことには未来もクソもないということです。そしてデジタル放送になってもそんなに大きく何かが変わるということではないように思います。

ガクトの歯が白すぎる

・MR.BRAIN
ジャンケン必勝のくだりは、脳科学のフリを生かして犯人逮捕のギミックに使うという割と陳腐なやり方だったわけですが(でもあのやり方では証拠能力ないと思うけど)、最後に木下優樹菜が出てきてジャンケンやろうとした時点で視聴者の100%が「どうせ負けるんだろ」と思ったこと請け合い。なにあれ。面白いとでも思ったか?


あと連続殺人犯と刑事の指紋データ入れ替えトリックだけども、理屈としては分かるが成立はしない。殺された刑事の指紋と死刑になった連続殺人犯の指紋のデータが入れ替わっており、死んだはずの連続殺人犯の指紋が刑事の部屋から大量に検出されるというもの。


これを実行すれば、確かに刑事の部屋からは連続殺人犯の指紋は検出される。しかし一方でデータベース上の刑事の指紋(=本当の連続殺人犯の指紋)は、連続殺人犯が刑事の部屋に出入りしていない限り部屋から一切検出されないことになる。当然に犯人は出入りしているわけがないので、刑事の指紋は刑事の部屋から一切検出されない。本人の部屋から本人の指紋が一切検出されないことがおかしいのは、警察でなくても誰でも不審に思うが、なぜかドラマの中では誰も不審に思っていない。そんなバカな話はあるまい。ま、このドラマそのものが日本の警察をバカにしすぎな感じはする。キムタクを万能にするために周りのレベルを落としすぎるというのもいかがなもんか。


それよりも自分はこの第2話を見ている最中、ずっと出演していた松重豊の名前が思い出せなくて「あれ?誰だったっけ?」となったまま1時間見続け、スタッフロールでようやく「ああ、そうだ」となった。ドラマを見たところで脳が全く活性化されていない証拠である。