何もしなかったスパイ・栞

予告通り、栞について考えてみたいと思います。


フェイト側にとっての栞の「役目」はほぼ終わりに近づいた格好になりましたが、私がかねてから疑問に思っていたことがあります。それは「栞はせっかく敵の勢力に潜入したのに、『スパイ行為』といえることは何もしていない」ということです。ただひたすら、「神楽坂明日菜」としてのふるまいをしていただけなのです。


入れ替わった直後その事実が描かれる前に、明日菜が石化したいどのえにっきを強引に開けようとしたシーンで「偽者説」を唱える人がいましたが、「明日菜ならこういうことしそうだ」という意見もあり、我々は結果的にその時点では結論を出せませんでした。しかし、それ以降の明日菜(栞)はネギの行動にほとんど介入することなく1週間近くが経過したのです。
それどころか、フェイトや他のメンバーと連絡すらとった形跡がないのです。


もちろんフェイトの性格上、ネギとは戦う前から勝てるような状況を作り出すつもりがなさそうですから、単に「ネギ達に神楽坂明日菜がさらわれたことを悟られない為」だけにすり替えるというのは考えられます。
しかし、「偸生の符」の能力を買いかぶりすぎではないでしょうか。

「偸生の符」は、さすがに10年がかりで作られただけあって、確かにちょっとやそっとのことでは正体がバレないような非常に優れた代物でした。しかしそれでも、栞は明日菜を通じて気持ちがネギに傾き出していったのです。敵に惚れるなんて、これはどう考えてもスパイ失格でしょう。そういえば、栞は個人としての描写が少なかったこともあり、暦・環・調・焔の4人ほどフェイトにお熱といった雰囲気が感じられませんね。
フェイトも、敵の組織に尖兵を送り込んでおいて全く連絡をとらないというのは無責任です。栞の気持ちをネギに傾けさせないように、1日1回程度連絡をとるべきだったと思います。


ともあれ、ネギとフェイトのはざまで、栞はどうなっていくのでしょうか。またしても楽しみな人が一人増えましたね。