NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

神よ。わが青春を愛する心の死に至るまで衰へざらんことを。

元より人間は思ひ通りに生活できるものではない。愛する人には愛されず、欲する物は我が手に入らず、手の中の玉は逃げだし、希望の多くは仇夢(あだゆめ)で、人間の現実は概ねかくの如き卑小きはまるものである。けれども、ともかく、希求の実現に努力する…

他人を解放せよ

「こころすべきは、ゆめゆめ他人の精神を自分の限界のなかに閉ぢこめてしまはないことだ。他人を解放せよ。そしてぼく自身をきみたちの眼から解放してくれたまへ。」── 福田恒存(『否定の精神』)

盲目的な科学信仰に潜む罠

gendai.ismedia.jp

一日一言「人を許容できる度量」

一月二十八日 人を許容できる度量 人のすることなすことに、気に入らないことは多い。だからといって、他人が悪いわけではない。恐らく気に入らないと思う自分のほうが、悪い場合が多いのだろう。人を許容できる度量が小さいならば、自分の懐の小さいことや…

一日一言「男らしきは優しいこと」

一月二十七日 男らしきは優しいこと 承久元年(西暦一二一九年)今日は、源実朝が無残にも殺された日である。文武の道に秀だ青年であった右大臣実朝は、他の人々の怨みの犠牲になって、はかなくも殺されたけれど、彼の想いのほどは、その和歌に込められてお…

寒梅忌

今日は寒梅忌。 1997年(平成9年)1月26日 藤沢周平 没 『鶴岡市立藤沢周平記念館』 http://www.city.tsuruoka.lg.jp/fujisawa_shuhei_memorial_museum/ 『藤沢周平の世界』(朝日新聞) http://www.asahi.com/culture/fujisawa/ 藤沢周平「人はどう生きるか…

一日一言「雲は一時」

一月二十五日 雲は一時 延喜元年(西暦九〇一年)の今日は、菅原道真がおとしいれられた日である。昨日まで飛ぶ鳥も落とさんという勢いであった道真公も、一瞬にして日陰の人になった。けれども雲は永久に月を隠すものではない。それは、月が俗世間に固執し…

月光の鉛のなかに

月光の鉛のなかにみどりなる犀は落ち臥し松の影これを覆へり ── 宮沢賢治(『月光の鉛のなかに』)

現代人に効くキルケゴールの哲学

「『“あなた自身”の幸せは何?』現代人に効くキルケゴールの哲学」(現代新書) → https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59393 自分自身にとっての幸せとは? FBなりインスタなりを見ていると、「何らかのリーグで勝っていないといけない雰囲気」が漂ってい…

一日一言「熊沢蕃山の遺訓(1)」

一月二十二日 熊沢蕃山の遺訓(1) 人が自分をほめることを聞くと、小さなことでも喜んでしまい、自分を非難する言葉を聞くと、それが事実であれば驚き、事実でなければ怒る。自分の犯した過ちを改めることができないと、人は皆その人柄を知って、心が曲が…

西部邁

私は自分が一個のアナクロニストであることに誇りを感じてきた。時代錯誤者は、時代の流れに遅れるぶんだけ、その流れに批評的であることができる。そればかりか、未来とは、現在において構成されるイメージ、ヴィジョンそしてプランの総体のことなのだが、…

「歴史の中の未来」を考える意義とは

「日本人はもっと「歴史のif」を考えるべきだ」(東洋経済オンライン) → https://toyokeizai.net/articles/-/259634 あのときああしていればどうなったろう、と考えたことがない人はいまい。通常、今よりもましだったのでは、という感慨を伴うこの問い(反実…

キノコなんだ

いそがしい、いそがしい。 ぼくの知っているあの星に、赤黒っていう先生がいてね、その先生、花のにおいなんか、吸ったこともないし、星をながめたこともない。だあれも愛したことがなくて、していることといったら、寄せ算ばかりだ。そして日がな一日を、き…

一日一言「耐忍」

一月十八日 耐忍 大きいことでも小さいことでも、何か事を起こそうとすると、必ず周囲に反対されるのが世の常である。ある時は馬鹿者と罵られたり、狂人と呼ばれたり、悪人と思われたり、偽善者と罵られるが、これは試練で、その成否を決めるのは己の忍耐で…

歳寒の松柏

机の前の日めくり論語。 今日は17日。 歳寒(としさむ)くして、然る後に、松柏(しょうはく)の凋(しぼ)むに、後(おく)るるを知る子曰く、歳寒くして、然る後に、松柏の凋むに後るるを知る ── 子罕第九 歳寒くもろ樹(ぎ)も彫むその折りに、緑いや濃き…

『人間・この劇的なるもの』

自然のままに生きるという。だが、これほど誤解されたことばもない。もともと人間は自然のままに生きることを欲していないし、それに堪えられもしないのである。程度の差こそあれ、だれでもが、なにかの役割を演じたがっている。また演じてもいる。ただそれ…

梅原猛

我が家の本棚より。 「【梅原猛さん死去】疑い、仮説立てる『勇気』と『好奇心』」(産経新聞) → https://www.sankei.com/west/news/190114/wst1901140011-n1.html 梅原さんが頻繁に利用していた京都市内のホテルを訪れたのは、平成18年の師走だったよう…

君自身の純潔を愛したまへ

成人の日。 「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日 平成最後の成人の日。 坂口安吾から、青年に愬(うった)える。 先日新聞紙の報ずるところによれば浅草の本願寺だかで浮浪者の救護に挺身し、窮民達の敬愛を一身…

1400年にわたる歴史の大本にあるもの

「『天皇』の呼び名は日本人の気概を表している」(東洋経済オンライン) → https://toyokeizai.net/articles/-/259116 1948年以降、新年と天皇誕生日の年2回行われている、一般参賀。1月2日、皇居では天皇陛下の在位中、最後となる一般参賀が行われ、参賀者…

「社会学の窓」から⑤

「なぜアメリカには熱心なキリスト教信者が多いのか。シンプルな答え」(現代ビジネス) → https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59276 アメリカは、不思議な国である。とくに不思議なのは、キリスト教。なぜあんなにアメリカ人は、キリスト教を熱心に信じ…

孤独は、人のふるさとだ。

人生において、最も人を慰めるものは何か。苦しみ、悲しみ、せつなさ。さすれば、バカを怖れたもうな。苦しみ、悲しみ、切なさによって、いささか、みたされる時はあるだろう。それにすら、みたされぬ魂があるというのか。ああ、孤独。それをいいたもうなか…

オダサク

私は非常な人生浪費者だ。私の浪費癖は、もういまではゴシップになっているが、しかし私の浪費はただ物質だけでなく、私の人生、私の生命まで浪費している。この浪費の上に私の文学が成り立っている――というこの事情も、はじめは私の任意の一点であったのだ…

信心の形を反省すべき時期が来た

「いまだに盛んな『パワースポット・ブーム』にひとこと物申す」(現代ビジネス) → https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59188 理由なき“名所” いわゆる「パワースポット」がブームになってから、もうすでに10年以上が経過する。古くから信仰の対象となっ…

何とでも言ふがいいや。

私はいつも神様の国へ行かうとしながら地獄の門を潜つてしまふ人間だ。ともかく私は始めから地獄の門をめざして出掛ける時でも、神様の国へ行かうといふことを忘れたことのない甘つたるい人間だつた。私は結局地獄といふものに戦慄したためしはなく、馬鹿の…

一日一言「意志は運命を拓くもと」

一月七日 意志は運命を拓くもと 今日(西暦一七六六年)はフランスの皇帝ナポレオンが生まれた日である。彼は意志さえ持っていれば道はおのずから開かれてくるものだと信じていた。彼は意志を乱用した傾向はあったが、確かに大英雄であった。意志は運命を拓…

こころよからぬものは...

自戒のことば こころよからぬものは── ことばの多き、口のはやき さしで口 手がら話 へらず口 唐(から)ことばを好みてつかふ おのが意地をはりとほす もの知り顔のはなし この事すまぬうちにかの事いふ くれてのち其の事人にかたる 返すといひて返さぬ に…

優れたリーダーが避けるべき2つのこと

「【君主論】優れたリーダーが避けるべき2つのこと」(STAGE) → https://stage.st/articles/Sunp7 従来の道徳や倫理から切り離してリーダーシップを論じたマキァヴェリの「君主論」。君主論では、君主は愛されるよりも怖れられるほうが好ましいとするほか、…

人間であるということは、

多忙...。 人間であるということは、とりもなおさず責任をもつことだ。人間であるということは、自分には関係がないと思われるような不幸な出来事に対して忸怩(じくじ)たることだ。人間であるということは、自分の僚友が勝ち得た勝利を誇りとすることだ。…

「もう一度、自分の人生を生きよう」

「【直球&曲球】野口健 もう一度、自分の人生を生きよう」(産経新聞) → https://www.sankei.com/column/news/190103/clm1901030005-n1.html この原稿をヒマラヤで書いている。学生の頃から年末年始は決まってヒマラヤで過ごすものだったが、今回は久々に…

生きるといふことは全くバカげたことだけれども、

多忙は続く。 人生とは銘々が銘々の手でつくるものだ。人間はかういふものだと諦めて、奥義にとぢこもり悟りをひらくのは無難だが、さうはできない人間がある。「万事たのむべからず」かう見込んで出家遁世、よく見える目で徒然草を書くといふのは落第生のや…