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Les vacances de Monsieur Keitaro このページをアンテナに追加 RSSフィード


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2009年02月17日 卵と壁(三訂修正版)

[]卵と壁(三訂修正版)

 表題の「卵と壁」とは、エルサレム賞の授賞式での記念講演で、村上春樹さんが使った比喩です。

 ガザ地区への攻撃に対する抗議の渦巻く中、イスラエル文学賞の受賞が決まった村上さんに対しては、各方面から批判や要望が出されていたようです。「賞を受け取れば、イスラエル政府に加担することになる」とか、「パレスチナへの連帯を示すために辞退してほしい」とか。

 僕もまた、イスラエルのガザへの攻撃はやりすぎであり非道だと考えていましたし、村上さんは好きな作家なので、この件には注目していました。


 以下は、講演を引用したメディアの記事からの拙訳。テキストは基本的に「エルサレム・ポスト」に基づいていますが、青字部分はTBS緑の字はJapan Today web版紫の字はAP通信から、灰色の字は「ハアレツ」紙掲載の全文と思われる文章(以下、「ハアレツ版」と称する)に基づく訳注です。

 どうやら「エルサレム・ポスト」はイスラエルに都合の悪い表現を省略する傾向があるみたい。考えてみれば、あたりまえの話ですね。迂闊でした。

(2/18追記・wikipediaによると、「エルサレム・ポスト」は右派系、「ハアレツ」は左派系の新聞らしいです)



”Always on the side of the egg”

『常に卵の側に』

So I have come to Jerusalem. I have come as a novelist, that is - a spinner of lies."

 今、僕はエルサレムにやって来ました。小説家、すなわち嘘の紡ぎ手として。


Novelists aren't the only ones who tell lies - politicians do (sorry, Mr. President) - and diplomats, too. But something distinguishes the novelists from the others. We aren't prosecuted for our lies: we are praised. And the bigger the lie, the more praise we get.

 嘘をつくのは小説家だけではありません。政治家も――失礼、大統領閣下――外交官も嘘をつきます。でも、小説家は他の人たちとは少し違っています。僕たちは嘘をついたことで追及を受けたりしません。賞賛されるのです。しかも、その嘘が大きくて立派であるほど、賞賛も大きくなります。


The difference between our lies and their lies is that our lies help bring out the truth. It's hard to grasp the truth in its entirety - so we transfer it to the fictional realm. But first, we have to clarify where the truth lies within ourselves.

 僕たちの嘘と彼らの嘘との違いは、僕たちの嘘は真実を明るみに運び出すためのものだ、ということです。真実をそっくりそのままの形で把握するのは難しいことです。だから僕たちはそれをフィクションという形に変換するのです。でもまず手始めに、自分たち自身の中のどこに真実が潜んでいるかを明らかにしなければなりません。

Today, I will tell the truth. There are only a few days a year when I do not engage in telling lies. Today is one of them.

 今日、僕は真実をお話ししようと思います。僕が嘘をつくことに従事しないのは年に数日だけですが、今日はそのうちの一日なんです。


When I was asked to accept this award, I was warned from coming here 

 受賞の申し出を受けたとき、僕はエルサレムへ行かないようにという警告を受けました。

 村上さんは、警告の内容が、村上作品のボイコット予告であったことを明らかにします。そしてそのような事態の理由として、老人や子供を含む一千人以上の非武装の市民がガザでの激しい戦いで命を落としたという国連のレポートについて触れます。

I asked myself: Is visiting Israel the proper thing to do? Will I be supporting one side? and that I endorsed the policy of a nation that chose to unleash its overwhelming military power.

 僕は自問自答しました。イスラエルに行くのは適切なことだろうか? 当事者の一方を支持することにならないだろうか? そして、圧倒的な軍事力を解き放つという選択を下した国家の政策を是認することになってしまわないだろうかと。

I gave it some thought. And I decided to come. Like most novelists, I like to do exactly the opposite of what I'm told. It's in my nature as a novelist. Novelists can't trust anything they haven't seen with their own eyes or touched with their own hands, so I chose to see, I chose to speak here rather than say nothing. So here is what I have come to say.

 考えた末に、僕は来ることに決めました。たいていの小説家と同じように、僕もまた、人から言われたのと正反対のことをするのが好きなんです。やれやれ、これは小説家としての性みたいなものですね。小説家というのは、自分の目で見て、自分の手で触れたものしか信じることができないんです。だから僕は、自分の目で見ることを選びました。黙っているよりも、ここへ来て話すことを選びました。

 ここへ来たのは、ダイレクトな政治的メッセージを伝えるためではない、と村上さんは述べます。なぜなら、自分は超現実的な物語を表現手段とする小説家であり、物事の正邪の判断は、他の人々が、おそらく歴史がするだろうから、と。

 そして、「個人的なメッセージ」を伝えたいと前置きして、次の話を始めます。

It is something I keep in my mind, always keep in my mind while I am writing fiction. I have never gone so far as to write it on a piece of paper and paste it to the wall, rather it is carved into the wall of my mind. It goes something like this-

 それは、僕がいつも心に留めていることです。小説を書くとき、いつも心に留めているのです。紙に書いて壁に貼ろうとまで思ったことはありませんが、僕の心の壁には刻まれています。言ってみれば、こういうことです――

"If there is a hard, high wall and an egg that breaks against it, no matter how right the wall or how wrong the egg, I will stand on the side of the egg”

『硬くて高い壁と、そこにぶつかって行く一個の卵があったとしたら、たとえ壁がどんなに正しくても、卵がどんなに間違っていたとしても、僕は卵の側に立つ』


「壁」の側に立って書く小説家がいたとして、その作品に何の価値があるだろうか、と村上さんは問いかけます。

 また、「壁と卵」という比喩には、「爆撃機や戦車やロケットや白燐弾」は「壁」であり、「それらによって打ち砕かれ焼かれてゆく非武装の市民」は「卵」であるという意味もあると言います。

 さらに、この比喩にはより深い意味もあるから、以下のように考えてみて欲しいと呼びかけます。

each of us is an egg, a unique soul enclosed in a fragile egg. Each of us is confronting a high wall. The high wall is the system which sometimes takes on a life of its own and it begins to kill us and cause us to kill others coldly, efficiently and systematically.

 僕らはみんな、一人ひとりが一個の卵なのです。壊れやすい殻に入った、唯一無二の魂なのです。僕らはみんな、高い壁に立ち向かっています。壁とはつまりシステムのことです。しばしば一人歩きを始めて、私たちを殺したり、冷たく、効率的に、システマティックに他人を殺すように、私たちに仕向けたりするシステムのことです。

I have only one purpose in writing novels. That is to draw out the unique dignity of the individual. To gratify uniqueness. To keep the system from tangling us. So - I write stories of life, love. Make people laugh and cry.

 僕にとって、小説を書く目的はひとつだけです。それは、個人が持つ独自の尊厳を引き出すことです。独自性を満たし、システムにからめ取られないようにすることです。だから――僕は、生命の物語を、愛の物語を、人を笑わせ、泣かせる物語を書くのです。


 ここで村上さんは、昨年90歳で亡くなられたお父さんのエピソードについて話し始めます。

 元教師であり僧侶でもあったお父さんは、中国戦線に出征し、戦後ずっと、毎朝必ず仏壇に額づいて敵味方双方の戦没者のために祈りをささげていらっしゃいました。戦後生まれの村上さんは、祈るお父さんの後姿の周りに漂う「死」の存在を感じたそうです。それは村上さんがお父さんから受け継いだ数少ない、最も大切なもののひとつでした。

 それから村上さんは、「皆さんに伝えたい、ただ一つのこと」として、私たちはみな人間であり、国籍や人種や宗教を超えた個人であり、壁に直面した卵なのだと言い、以下のように言葉を続けます。

 To all appearances, we have no hope...the wall is too high and too strong...If we have any hope of victory at all, it will have to come from our utter uniqueness.

 見た限りでは、私たちには希望が無いように思えます。壁はあまりに高く、あまりに強い。もし私たちに勝利への何らかの希望があるとすれば、それは私たちの完全なる独自性を信じることと、魂を結び合う温もりから来るものでなければならないでしょう。

※ハアレツ版に基づいて補足しました。

 Each of us possesses a tangible living soul. The system has no such thing.We must not let the system control us - create who we are. It is we who created the system.

 私たちひとりひとりには、形ある、生きた魂があります。システムにはそんなものはありません。システムに私たちをコントロールさせてはいけないのです。システムが私たちを作るのではありません。私たちがシステムを作ったのです。

 I am grateful to you, Israelis, for reading my books. I hope we are sharing something meaningful. You are the biggest reason why I am here.

 イスラエルの皆さん、僕の本を読んでくださったことに感謝します。僕たちが意義のある何かを共有できていれば嬉しいです。あなたたちこそ、僕がここへ来た最大の理由です。

 壁と卵、という比喩は、以前にも村上さんがどこかで使っていたように思います。壁はシステム、卵は個人、ということなら、この「システム」にはイスラエル当局のみならず、パレスチナの強硬派も含まれていると解釈できるかもしれません。村上さんのスタンスからして、そう取るべきでしょう。彼らもまた実質上一個の国家であり、システムですから。

 壁はまた、村上さんの小説「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を思わせ、イスラエルがパレスチナ人を隔離するために築いた分離壁も思わせます。

 いずれにせよ、結果的に、村上さんは辞退よりもずっと効果的な方法で紛争への抗議、イスラエルへの抗議の意思を示すことが出来たと思います。英語でのスピーチの堂々とした様子も格好良かったです。さすがでした。

PEOPEO 2009/02/17 17:38 はじめまして。
素晴らしいスピーチですね。
なんと言えばいいのか分からないのですが、
素晴らしいスピーチの内容を教えていただいて、
ありがとうございます。
と、どうしても言いたくてコメントしました。
この素晴らしい・誇らしいニュース、
もっともっと取り上げられてもいいと思いました。
どこか1紙くらい、
スピーチの全文掲載をしてもいいんじゃないか!
色々と権利やらあるのでしょうが…。
なんて、こともこのスピーチの前では霞みますね。
ありがとうございました。

kamigoryokamigoryo 2009/02/17 17:54 先ずは、ありがとうございました。
昨日ニュースを見て原文と和訳をどなたか出してくれないかなあと思っていました。
はてなにおられたとは。
感謝!!!

iphigeniaiphigenia 2009/02/17 17:59 原文をじっくり読んでみたいです。というか、スピーチを聞きたいですね。
貴重な情報をありがとうございます。

さわかさわか 2009/02/17 18:47 ケイタイロウさん
ありがとうございます!
いろいろなところからスピーチをかき集めて、できるだけ原文に忠実に訳していただき本当に感謝しております。

村上氏のスピーチをテレビで見た時、私は感動して涙が出ました。イスラエルにわざわざ出向き、本当に勇気がいるだろうスピーチをあれだけ堂々と行われた村上氏は、いつも曖昧な態度をとる日本人や世界の場で醜態をさらした日本人と対照的で、本当に誇りに思えます。
また、直接的な表現と作家らしい比喩をまぜたスピーチはすばらしいですね。
また村上氏の作品を読みたくなりました。

chaconnechaconne 2009/02/17 19:15 村上春樹のファンです。色つきの訳の部分に、ますます感動しました。翻訳ありがとうございます。

ミユキミユキ 2009/02/17 20:05 村上春樹さんのスピーチの全文が知りたかった。
あちこちさがしていたらこのブログがみつかりました。
報道を見た時、村上春樹さんの勇気を感じた。
そしてこの翻訳を読んでまた、もうひとまわりおおきな勇気を知ることができました。
Keitarouさんにお礼を申します。

ふゆふゆ 2009/02/17 20:13 ありがとうございます。
ご尽力に感謝します。
ニュースも抜粋でなく全文を放送してほしかったですが・・

みちのくみちのく 2009/02/17 20:26 ニュース記事から来ました。
翻訳、ありがとうございました。

あえて戦地に赴いてご自分の主張を発信するという
勇気ある行動は素晴らしいと思います。

内容を正確に伝えて下さったことに感謝です。

酒田酒田 2009/02/17 20:50 昨日の村上氏の受賞スピーチには、ここ最近では得がたい感動を覚えました。
もともと村上氏のファンでしたが、毅然とした姿勢と勇気にあらためて尊敬の念を抱いたものです。
15分あったと報道されたスピーチの全部を知りたかったので、こちらでその多くに触れることが出来たことを嬉しく思っております。有難うございました!!

tomo朋tomo朋 2009/02/17 21:12 Keitarouさん。和訳、心より感謝です。
なんと素晴らしいスピーチ。
一人の人間として、本当に大切なもの。
そして尽きない勇気と感動を頂きました。
ありがとうございました☆

gemini13gemini13 2009/02/17 21:54 Keitaroさん、はじめまして。

ニュースで紹介されているのを見て、そこからたどってきました。

失礼かとは思いましたが、
勝手ながら私の書いた記事に文章を引用させていただき、
この記事にトラックバックさせていただきました。

なにとぞご了承いただきたく存じます。

NZNZ 2009/02/17 23:14 こんばんは。久々にコメントします。
確かに、今回の村上さんの講演には感動しましたし、なぜだか誇りに思ってしまいました。ただ小説のファンと言うだけで、自分は何にもしていないわけなのだから、不思議だけど。
「壁」はやはり、「世界の終わり」を連想しますよね。チャオ。

シンプルテキストシンプルテキスト 2009/02/17 23:54 はじめまして。
私もリンクを辿り着きました。
素晴らしい和訳だと思い、色んな方に見て感じて頂きたく、
私も勝手ではありますが、リンクを貼らせて頂ければと思い
コメントを入れさせて頂きました。
どうかご了承下さい。

kotarokotaro 2009/02/18 00:32 はじめまして、Kentarouさん。
ありがとうございました。
このページで初めて、村上さんの言いたかったことに触れられた気がします。
ありがとうございました。

yanayana 2009/02/18 01:19 各紙の比較まで!
読ませていただき、いろいろなことがすっきりしました。ありがとうございます。私も自分で訳してみていたので、その添削にもなりました(笑)。

日本の新聞の一報を見て、ん?ハルキさんがそういう感じのこと言うかな?と思っていました。

>「システム」にはイスラエル当局のみならず、パレスチナの強硬派も含まれていると解釈

同感です。だからこそ、片方の国にだけ足を運ぶことを躊躇ったんだとも思います。
しかし、記事を書く人の意図で、全く印象の違う内容になるんだなあ、と、改めて感じました。

ishiharaishihara 2009/02/18 01:20 こんなにすばやく全文を和訳して(しかもエルサレム・ポストが割愛した部分も)くださって、心より感謝します。そしてその正義感、責任感で推敲も続けておられることを尊敬します。
村上春樹さんは、これほどまでに世界の人々を動かす言葉をもっておられて、本当にすばらしい。
日本の政治家の熱い言葉に胸熱く感涙にむせることなんて皆無ですが、彼のスピーチする姿をテレビで拝見したときには、高揚感で胸がいっぱいになりました。

PinePine 2009/02/18 01:37 素晴らしいです。
いろいろなところで断片を見ましたが、ここに来てようやく全貌が理解できました。ありがとう。
単純な反戦平和とは違う、人間存在の根本から説かれる氏の主張は、静かでありながらとても熱いですね。
またやられてしまいました。なんでこういつも自分の感じていることをこうも的確に表現してくれるのだろう?と、思ってしまう。

それにしてもスピーチの鍵となる具体的な部分を削除して抽象的な部分だけを残し、「この作家らしい難解なスピーチ」と評したイェルサレム・ポスト紙もずいぶんですね。でもほんとうに断片だけしか触れていない日本のマスコミよりはましかな。
もう少し長ければ美智子妃の講演のように単行本にしてもよいくらいの素晴らしい内容。広く読まれてもらいたいものです。

長文で失礼しました。

ユーリユーリ 2009/02/18 02:24 ミクシの村上春樹のコミュから飛んできました。
スピーチを、素敵な訳で紹介して下さって、ありがとうございます。
一方ではろれつの回らない政治家のニュ−スが喚き立てられている中で、春樹さんの今回のスピーチには胸がすく思いでした。

はたぼうはたぼう 2009/02/18 03:44 素敵な翻訳をありがとうございました。
こちらのアドレスを明示した上で、自分のブログにも転載させていただきました。
ありがとうございました。

あひるあひる 2009/02/18 05:50 はじめまして。素晴らしい翻訳をありがとうございました。
今まで読んだ中でどこよりも情報量が多く、またわかりやすかったため、こちらの文章を私のblogに転載させて頂きました。

また、より詳しいスピーチ原文を見つけたのでお知らせします(すでにご存知だったらごめんなさい)。
これが今のところ一番情報量が多く、また、春樹氏自身の話し言葉に近いのではないかと思います。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1064909.html

ヤムヤムヤムヤム 2009/02/18 08:01 こんにちは。
こちらにたどり着いてよかったです。
チラッとニュースで見た、村上春樹のスピーチの印象と重なりました。全文が知れてうれしいです。ニュースで取り上げられていたのはもちろん、壁と卵の箇所ですが、壁がどんなに間違っていても、僕は壁の側に立ちます、というのは村上春樹が実際の映像で語っていても、このように活字で読んでも、心に訴えるものがあります。作家の発言だからということもあるのでしょうけれど、強さとはやっぱり、考え続けることなのだろうと、重ねて考えさせられました。

猫と本が好きな方なのでしょうか?
うちにも二匹の猫がいます。本も好きです。
これを機に、また寄らせていただきます。
とにかく、ありがとうございました。

ipanemaipanema 2009/02/18 10:45 全文翻訳、ありがとうございます!
スピーチの内容を知る事が出来て良かったです。
私のブログにリンクを貼らせて頂きましたので
取り急ぎご報告まで。

sakurasakura 2009/02/18 11:05 はじめまして。
幸運にも村上さんのスピーチ内容を詳しく知ることができ、大変感謝しています。
うまくトラックバックできなかったので、リンクをはらせていただきました。

しんしん 2009/02/18 12:40 はじめまして。
他の、どのブログを読んでもいまいちわからなかったのですが、このブログのおかげでほぼ全容を理解することができました。
やはり重要なのは原典にあたることですね。。。
取り急ぎお礼まで。

TylaTyla 2009/02/18 13:09 少し意地悪かもしれませんが、多くの批判や反対を押し切って授賞式にきたというわりには物足りない内容と感じました。やはり、オバマさんのスピーチと比較してしまいます。イスラム、ユダヤ、などの固有名詞が全く出て来ず、せいぜい、「戦車、ロケット弾、白リン弾」という言葉が、あるしゅの連想を惹起するだけですから。それも、イスラエルとハマスを対等な関係として壁と表現しているのは納得出来ません。これなら授賞式に出席しない方がもっとインパクトがあったと思います。村上さんともあろう人がこの程度なの?というのが正直な感想です。確かに、これだけでは不十分と感じる方が多いのも仕方ないと思います。次の、何らかの行動に希望をつなぎたいです。

YUKAYUKA 2009/02/18 13:55 はじめまして。
全文翻訳ありがとうございました。
色々なところでこの翻訳を読んだのですが、ケイタロウさんが訳された文章が一番わかりやすく春樹さんを感じました。

本当に素晴らしいスピーチ!感動しました。
前々から村上春樹さんの作品のファンでしたが、ますます好きになりました。

そして、私が村上春樹さんの作品に惹かれる核の部分に触れられた気がします。
彼が小説を書くただ1つの理由…本当にジーンときました。

長々と失礼したました。
私のブログにこの記事(URL)を紹介させて頂きたいと思っています。

どうかご了承頂きたく存じます。

masugimasugi 2009/02/18 15:10 初めまして。この素晴らしいスピーチを翻訳してくださって有難うございました。
私も自分のブログで、こちらの記事へのリンクを貼らせていただきました。もし、不都合などありましたら、すぐに削除しますので仰って下さいね。

もともとファンではありましたが、彼の中の矜持、彼らしい誠実な筋の通し方に感動しました。

せかせかせかせか 2009/02/18 20:05 はじめまして。翻訳ありがとうございました。
他の方の翻訳と比べて、村上さんが話したスピーチっぽく仕上がってるのが
とても好感が持てました。

ただ、ハアレツ版の扱いがちょっと悪いような気がしたのが少しだけ残念です。
ハアレツ版を読むことで初めて伝わることも多いと思いますので、
補足的ではなく他のソースと同様に枠内に書いて頂ければ、と感じました。

nakamu1973nakamu1973 2009/02/18 20:18 >せかせかさま
 本当は「ハアレツ」版の全訳を載せしたいのですが、村上さんがお書きになった原稿そのままと思われますので、著作権に配慮して控えました。素晴らしい文章なので、とても残念なのですが……。(その経緯については)右のURLをご覧ください。コメントありがとうございました。

せかせかせかせか 2009/02/18 20:42 >ケイタロウ様

わざわざレス頂きありがとうございます。
著作権に配慮したことについては、コメントを書いた後に上の注記に気付き、赤面していた次第です。
著作権に配慮したケイタロウさまの苦渋の決断に好感を持ちました。

「あとがきのようなもの」も拝見致しました。
『首尾一貫している』というのは私の印象と一致してます。ハアレツ版を読むことで全てがクリアになりました。
ハアレツ版をもっと多くの方に読んで頂けたらいいのですけどね。

まるたまるた 2009/02/19 14:01 ニュースで村上春樹さんがうごいてるのをはじめてみて、ミーハーなファンのようにテレビのチャンネルを変えてました。日本のニュース番組ではホントに一文しか伝えてくれなくて、とてもはがゆかったのです。翻訳よませていただき、とてもうれしく思ってます。そして自分のブログにもリンク貼らせていただきました。ありがとうございました。

kumiko ishizukakumiko ishizuka 2009/02/19 19:48 英文・翻訳どちらも読ませて頂けるこのエントリーに出逢えて良かったです。ありがとうございました。ブログにリンクをはらせていただきました。

まれまれ 2009/02/20 03:42 全文翻訳ありがとうございます。
すばらしいスピーチがきちんと理解できそうでうれしく思います。
自分のブログにもリンク貼らせていただきました。

bragelonebragelone 2009/02/20 13:39  くだらないと思いました。
 卵であるわたしたち一人ひとりが 壁を作り支えているのですから。所詮 ウソつきです。
 大衆芸術としては 作品の話っぷりがおもしろいです。

keitarokeitaro 2009/02/20 17:44 >brageloneさま
 そういうご意見も当然あると思います。村上氏のスピーチも、恐らくさしあたっては何の役にも立たないでしょうし。

 壁を支えているのが我々自身であることは村上氏もよくご存じだろうと思います。「システムの思うがままにさせてはいけない」「私たちがシステムを作ったのだ」とは、とりもなおさず、そのことを自覚すべきだとの訴えだと思うのですが、いかがでしょう。

 ところで、現実の社会やシステムには歴史や惰性というものがあり、今日のシステムのありようが我々の総意にもとづくものとは、必ずしも言い難いと思うんです。民主化された先進国以外ではなおさらです。たとえば朝鮮民主主義人民共和国の体制が、国民の総意によって成り立っていると言えるでしょうか? パレスチナの住民が、いつ、何を選択し得たでしょうか? 程度の差はあれ、いかなるシステムにも本質的にそのような理不尽な側面があると思うのです。だからこそ、世界には変革への絶え間ない動きがあり、それへの反作用があり、反作用への反作用があり、多くの血が流されるのではないでしょうか。そのように激しく渦巻く力の動きの中で、われわれみんなが一個の卵であることを思い起こせ、という村上氏の呼びかけには充分意味があると僕は思います。

 さらに拡大解釈すれば、「壁」は国家や社会、「卵」は個人、という形ではっきりと線を引くべきではないかもしれません。「壁」と「卵」の衝突は個人の内面でも起っていることだと思います。システムはわれわれが生まれる前からあり、それに囲まれて育った我々の心の中に、その働きが内面化しているからです。村上氏が言った「私たちひとりひとりが、程度の差はあれ、一個の卵なのです」という言葉の中の、「程度の差はあれ」という表現に、そのあたりが現れているような気がします。村上氏が話しかけた聴衆"we"の中には、エルサレム市長やイスラエルの国家元首も含まれていたわけですから。村上氏はペレス大統領にも、「大統領、あなたも卵なのですよ」と語りかけているのではないかと、僕は解釈します。そしてそれは普通の意味での「イスラエル批判」とは一味違った意味を持つのではないでしょうか。

 ともあれ、コメントありがとうございました。初対面の相手に開口一番「くだらないと思いました」なんて挑発的な言い方、ネットじゃなくて面と向かってならあなたもなさらないのではないかとは思いますが、ブログ主の僕も含めて「ハルキ賛美」の雰囲気が強いこのコメント欄で、真っ向から村上スピーチを否定したあなたは、正真正銘の「卵」だと思います。失礼します。

T.MoritaT.Morita 2009/02/20 18:15 すばらしい翻訳、ありがとうございます。私のブログでもリンクを貼らせていただきました。

hosihosi 2009/02/20 19:37 ブログにリンクを貼らせていただきました。
わかりやすい翻訳ありがとうございます。

bragelonebragelone 2009/02/21 11:56  片や 《壁を支えているのが我々自身である・・・そのことを自覚すべきだとの訴え》と
 片や 《常に卵の側に立つ》との訴えとは まったく 別のことです。
 片や 《われわれみんなが一個の卵であることを思い起こせ、という村上氏の呼びかけには充分意味がある》ことと
 片や 《僕は常に卵の側に立つ》との訴えとは 全く 別です。
 後者は ただ単に 《わたしは 卵である自分の側に立つ》と言っているだけです。くだらないというその理由です。

taratara 2009/03/01 22:59 テレビを見ないので、このニュースを今日知りました。
春樹流の訳がすごく響きました。
ありがとうございます。

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