Hatena::ブログ(Diary)

G.A.W. このページをアンテナに追加 RSSフィード

20110803

[]うんことの戦い20年史

 そんじゃ今日はうんこの話しますね。比喩とかそういうんじゃない直球のうんこの話ですね。それも排泄したての鮮度の高いうんことかじゃなくて、しばらく経ってから罠のように人間の世界に忽然とあらわれるようなうんこの話です。

 これ前から書こうと思ってたネタではあったんですが、以前に増田で、俺なんぞよりはるかにクオリティの高いうんこの話されちゃいまして、ああこれはかなわないな、と。俺のうんこ歴まだまだだな、と。そういうのは強い体験を持つ人に任せて俺はほかの話でもしようと思ったんですけど、このあいだうんこ食らって悲しい気分になったのでうんこの話する。ちなみにこれはうんこの話なので、食事中とかの人は見ないほうがいいです。いや俺はどうしてもカレー食いながらうんこの話読むっていう人がいればそれでもいいです。

 いちおう警告しておきますが、限度を越えて尾籠です。


 つーわけで、コンビニの便所です。

 清掃状態の悪い便所というと、昔は公園とかにある公衆便所が最強だったわけですが、いまや最大の無法地帯はコンビニのそれなんじゃないか、と思うときがあります。コンビニの便所は、汚れればすぐにわかるから限界を越えたひどい状況にはなっていない、というだけだと思います。

 ところで便所の掃除ですが、俺は大好きです。あの征服感ですね。あれがたまらない。人がいちばん忌むような汚い場所を、俺はこの舌でなめてもかまわないくらい完璧に掃除してやった、というあの達成感。俺が清掃を終えたこの瞬間、便所内部には人糞を想像させるようないかなるものも存在しない。それは俺の力によってなされた。俺はすげえ。便所の守護神である。人はなぜ山に登るのか、その問いに対する答えはさまざまでしょうが、俺はなぜ便所を掃除するのか、という問いになら答えられます。

 便所は、汚いからです。

 ならばきれいにせねばなるまい。


 ただ、それも程度問題です。俺は、便所が便所として利用されている限り、その汚れに立ち向かう気概はいつだって持っています。しかしコンビニ歴も20年を経過し、そろそろ四半世紀に到達しようとしているわけですが、それだけの長期間この仕事をやっていると、たまには「なぜこうなった」と、便所用のブラシを持ったまま呆然と立ち尽くしたくなるときもあります。

 以下は、俺がいままでに遭遇した便所内における惨劇と、そのときの俺の反応についてです。


・ケース1「壁うんこ」

 なんのひねりもありません。壁面いちめんにうんこありました。 な ん で だ よ 。

 もちろん壁いちめんといっても、漆喰の壁のように丹念にうんこが塗り込められていた、とかいう分量と硬度の点から考えて実現困難なような状況ではありませんでした。なんていうんだろ、実際にあるかどうかは知らないですけど、壁に向かって、自分の肉体だけを駆使してペイントするようなアートってありそうじゃないですか。俺のこの拳が筆である。人の生の実相を絵画というかたちで表現するときに、そこに筆という道具が挟まっていることは、生物としての人間の疎外である。よって俺は拳で、己のエネルギーを壁面に叩きつける。

 それがうんこでなされていた状態ですね。

 まず考えるじゃないですか。「どうやったんだ」って。どうやって掃除しようかっていうのはもちろんまっさきに考えたんですけど、そんなん、結局は壁面に洗剤ばらまいて、ペーパータオルかなんかで臭気を我慢しつつ拭い去って、最後に消毒でもするしかないじゃないですか。だからそれはいい。すごくいやだけど、やるしかない。

 だけど「なぜ」という疑問が残るわけです。「どうやって」も。このうち「どうやって」のほうは解答が出ています。手か、あるいはトイレットペーパーの上か、そのへんはよくわかんないですけど、手のうえにうんこ出したんですよ。それで塗った。あの拡散っぷりはそうとしか思えません。床や壁面の下部に散らばってるくらいならいいんですよ。人の背より高い場所にうんこあったら、かなり強固な意志で「俺はあそこにうんこ塗る」って思わないと届かないじゃないですか。肛門からうんこ出て空中浮遊して壁にぶち当たるなんて、そんな重力制御の方法を人類はまだ開発してないんですよ。開発したとしてそれうんこに使うなよ。

 まあ、方法はいい。しかし理由です。これがもう、ぜんぜんわからない。うんこが付着した下着とかが便所内に落ちてるんだったらまだわかるんですよ。でも、そういうものもない。店に対する強烈な悪意があったとしても、壁うんこを実行する人のリスクが高すぎます。もし怨恨がらみの犯行だとするなら、それはもう無差別殺人級の悪意だと思うんです。人間は瞬間の憎悪で人間を殺すことができるかもしれませんが、うんこを壁に直で塗るレベルの熾烈で、しかも継続的な悪意というのはそうは持てないはずです。

 この「なぜ」に対する解答はいまだに俺には与えられていません。これはずいぶん前の話で、当時はまだ防犯カメラも貧弱であり、また、うんこの乾き具合からうんこが産出された時間を逆算するような硬度な操作能力も俺にはなかったので、どのタイミングでトイレに入った人が壁うんこマスターだったのかはわからないままでした。しかし俺はいまだに犯人に会って聞いてみたい。「なぜあなたは壁うんこしたのか」と。過ぎたことです。いまさら責めるつもりもありません。しかし理由だけは教えてほしい。どのような精神状態であればそれが可能だったのか。それだけが俺は気になっています。

 ちなみに、この壁うんこについては、上述した増田のエントリにもあったような気がするんで、そんなには珍しいケースじゃないのかもしれません。その事実がいちばん怖い。


・ケース2「床うんこ」

 なんのひねりもないです。床にうんこありました。

 この件については、掃除については壁うんこより楽でした。楽だったんですが、犯人を糾弾したい気分はこっちのほうがかなり強いですね。便器から列島上に点々とうんこが続いて、最終的に床にうんこ溜まりを作っている、とかならまだわかるんですよ。「ああ、うんこしながら移動したんだね」と(ぜんぜんわからないです)。でもね、そのケースでは、明確に床だけにうんこあったんですよ。

 つまりこういうことです。だれかが便所に入る。ズボン脱ぐ。床にうんこする。

 おまえバカだろ!!!!

 なんで! そこに便器あるじゃん! しかも便器和式じゃん! 便所内に段差あるから一段低くなってるスペースのほうがはるかに狭くて、そこでうんこすんの姿勢的に相当きついはずだよ!? それでなんでそこでうんこすんの!? そんな人間二人が立ったらもう定員オーバーですみたいなスペースにうまいこと収まってうんこするって、便器でするのよりはるかに難易度高いでしょ!? 我慢できなかったとかじゃないでしょ!?

 だめなんですよ。これに関してはどうしても理由がこれしか思いつかないんです。

「よし。今日は便器じゃないところでうんこしてみよう。人間には野グソという手段がある。しかし俺はあえてそれを屋内で、しかも便所でやってみようと思うのだ。では開始する。……(ああんっ)……すばらしいスリルだ。そこに本来ならうんこを収容し、衛生的に処理する設備がある。しかし俺はここだ。ここにいるのだ。あえてここでうんこをする。これがこの管理社会に対する俺なりの解答だ」

 いや、犯人の思想までは知らないですが。

 ただ、ひとつめの壁うんこに関しては、事例全体が、もうどうしていいかわからないくらい意味わからないのに対し、こちらは明確な意志を感じるんですよ。万難を排してここでうんこする!という。それだけに余計に腹立ちますね。許せないです。そういうのは自分の部屋のまんなかでやれ。


・ケース3「床おしっこ」

 すいません、うんこファンには申し訳ないんですが、ここでおしっこが混じります。

 これ、けっこうありますよね。ある程度の期間コンビニの仕事をやってる人なら、一度や二度は食らったことがあるんじゃないかと思います。これは理由も動機も単純で、その面での謎はあまりないです。

 状況としては、床がびしょ濡れ、というかちょっとした湖みたいになっていて、どうやらその湖を構成している液体はほぼ尿であるらしい、というような感じです。これについては、便器がまったく汚れておらず、床だけが濡れている、という事例には出会ったことがありません。

 つまり、こういうことでしょう。

「さあおしっこするぞ。うわあ陰茎がありえない方向を向いて拡散! 尿拡散!」

 勃起でもしてたんですかね。

 でもたぶんこれって、犯人はほとんどの場合、子供だと思うんですよね。一人でトイレできるかどうか危ういくらいの年齡の。うまく命中をさせられなくて、ちょっとおしっこが自由な動きをした、と。

 これでいやなのは掃除ですね……。なんかねえ、うんこと違って踏ん切りつかないんですよ。液体の量が量だと、ペーパータオルやトイレットペーパーで全部吸い取ってたら不経済じゃないですか。それで便所用のモップで吸い取ってから、デッキブラシで、っていうことになるんですけど、なんかいくら掃除してもおしっこ成分が床に残ってる気がしますよね。それと、掃除に使ったモップの処遇。ゴム手付けて水でガンガン流して洗えばいいんですけど、なんか、どっちにしろやりきれない気分が残りますね。

 理由も方法もわかるだけに、微妙っていうこともあります。親ついてなかったのか、とか、そんなにおちんちんがおもしろ方向を向いてたんですか、とか。まあいろいろ。あとこの「ケース3」を通じてむしろご褒美的なところまで想像を及ぼさないようにしてください。トイレからのお願いです。


・ケース4「歴史的便器詰まり」

 いままで、片手ではきかない店舗で責任者をやってきましたが、店によってはどうも水まわりの設計がよくないんじゃないか、と思えるようなところがあって、配管がしょっちゅう詰まるんですよね。いまやってる店なんかもその傾向があって、定期的にあのゴムのずっぽんってやって飛沫による二次被害が心配になる道具使って開通させたりするわけです。あれの話題出てきたのって、ひだまりスケッチでしたっけ? 6巻は8月発売というななきさん情報です。いうまでもないですが、ゆのっちもトイレ行く。すごいよぉ……。

 ふぅ……話がかなり逸れそうになりました。ふつうの詰まりなら、まあいいです。

 世のなかには、ふつうじゃない詰まりというのもあります。これもさほどのレアケースではないと思うんですが、紙おむつを便器に流された場合。あれはちょっと冗談じゃ済まないものがあります。

 ところで洋式便器の場合だと、便器って完全に詰まった状態で水を流しても、一度か、なんとか二度くらいはあふれずに耐えれます。ただ、焦るんでしょうね、紙おむつが詰まっていたケースって二度くらいあったと思うんですが、どっちも完全決壊してました。こうなるともう、汚物のエクストリームです。便所は詰まってあふれてるし、紙おむつ(ところでさっきから「かみおむつ」を「かみおみ」とミスタイプして、そうすると予測変換で観鈴ちんの名前出てきてなんか泣きそうになってるんですが)に付着した汚物は水にぷかぷかと浮いて、そのまま便器から溢れでて床に漂うわけです。もうどこから手をつけていいのかわからない。業者に電話することも考えますが、原因のわかってる詰まりだと「それ自分でなんとかできるからしてよ」と言われるケースも多いです。じゃあってんでクラシアンかなんかに電話してすべてをなかったことにしたいんですが、そのために数千円払うのもばからしい。

 しかたない。もうしかたない。やるしかない。満水状態の便器から汚物混じりの水を汲み出して、男子便所のほうに持ってって流す。水位を減らしたところで原因となっている紙おむつを除去。それから便所の掃除です。なんかもう、こうなってくると、ああニヒリストってこういう顔して世界を見てるんだろうな、みたいな死んだ表情で掃除してるわけです。せめて汚物入れに入れようよ、と。もうちょっとどうにかなんななかったの、と。


 以上、4つばかりではありますが、便所と俺の戦いの歴史について書いてみました。ほんとは男子便所に使用済み生理用品落ちてたとか、女子便所に万引きされたとおぼしきエロ本と明らかに男性の体液と思えるものがあったとか、いろいろあるんですが、どこからどう書いても不快であることがわかりきってる内容にしかならないんで割愛します。

 まあ、これほどまででなくても、常識的にそんな汚れねえだろ、的なもんなら日常的にけっこうあります。ほとんどが男子便所ですけども。便所のマナー圧倒的に悪いのは男のほうですね。

 昔っから公園とかの公衆便所があんなであった以上、日本人の公徳心はどこ行ったとかそんなことは書きません。昔からそんなもんだったのが可視化されただけだろ、くらいにしか。便所貸してくれるコンビニの数が増えれば、ありがたみが減るぶんだけマナーは加速度的に悪くなるんじゃねーかなーとか。まあ今後もうんこと俺の戦いは続くわけです。