非シス人『青ひげ公の城』@サンモールスタジオ

非シス人-Narcissist-vol.22
寺山修司生誕80年『青ひげ公の城』九條今日子へ愛を込めて
新宿 サンモールスタジオ
2015年2月8日(土)(2月5日〜9日)
マチネ 14:00〜
前売4000円、当日4500円

初見の劇団。
寺山修司『青ひげ公の城』をオリジナル音楽でやるというので観に行く。

近年、よく見かけるようになった、所謂アングラ臭の少ない寺山舞台。
歌をラップにするなどアングラ的な重さ、濃さがない。
寺山(1935年12月10日 - 1983年5月4日)の生誕80周年を記念しての公演だが、
むしろ没後30年以上が経ち、寺山のアングラ的や前衛演劇的な手法から解放された作風を感じた。
幸か不幸か寺山の場合は本人が亡くなることで、現在の若い演劇人が寺山演出の影響から離れて作品を自由な解釈で舞台化できるようになっているな、と改めて思う。
時代が一周回って寺山を再発見する余地が出来ているということは、他のアングラ演劇人にない現象かもしれない。

さて
非シス人は、別にアングラ作品を専門に上演している訳ではないので勘違いかもしれないが
それにしても寺山作品には美人がよく似合う、と今回も思った。
アングラ美人というか、ある種のステロタイプの美人が実に舞台で栄える。
容姿や性格の線が濃かったり、反対に幸薄そうだったり、足して二で割ると椿鬼奴さんになるような。
今回は青ひげの七人の妻(男優が演じる二番目の妻を含む)がそうした美人なのに対し、
端役の侍女役の女優陣が――年齢の差もあるが――モモクロ的な明るさで、
アングラを意識しつつも今の小劇場的で面白かった。
舞台はビジュアルの印象が本当に重要だ。