新しいシークエンス技術とメタゲノム解析のインパクト〜Current topics in metagenomics and new sequence technologies

次世代シーケンサーの国際シンポジウムに参加しました。手書きのメモと記憶から書き写します。

日 時: 2008年5月28日(水) 13:00-17:40
会 場: 東京大学農学部・弥生講堂(一条ホール)

メタゲノム解析手法の導入と新世代DNAシークエンサーの登場により、ゲノム研究の世界では今、新しい展開が始まりつつあります。メタゲノム解析は、難培養微生物が多数含まれる微生物集団の機能や動態を本格的に解析するための新しい手段になると期待され、新世代DNAシークエンサーの出現はスピードとコストの両面において、ゲノム配列解析の効率を飛躍的に高めました。また、新世代DNAシークエンサーはDNAマイクロアレイなどにとって替わりうる新しい研究ツールとしても期待されます。こうした技術的進歩も背景に、1000人のヒトゲノム配列を解読しようとするプロジェクトや、ヒト常在菌1000種のゲノム配列とそのヒト体内の動態を明らかにしようという大規模なプロジェクトがEUおよび米国で始まりました。中国でも、こうしたEUや米国のプロジェクトと連携したゲノム解析が計画されています。このような世界のゲノム研究の新たな展開とそのインパクトを、微生物を中心に紹介し、我が国における課題を考えていくためのシンポジウムを、EUのメタゲノムプロジェクトの代表者や英国・中国のシークエンスセンターの中心的な研究者も招待して、緊急に企画しました。多くの方々の参加をお待ちしています。

オーガナイザー: 林 哲也、小笠原 直毅

主 催: 文科省特定領域研究「ゲノム研究」 http://www.genome-sci.jp/
後 援: 日本ゲノム微生物学http://www.sgmj.org/

13:10-13:50
「MetaHIT, the European project on the metagenomics of the human intestinal tract. MetaHIT, ヒト腸内細菌叢のメタゲノム解析を目指すEUプロジェクト」
S. Dusko Ehrlich (French National Inst. for Agricultural Research)

13:50-14:30
「Exploration of deep subsurface environment by metagenomic analysis 地下深部環境をメタゲノム解析から探る」
高見 英人 (海洋研究開発機構

14:30-15:10
「Application of new technologies for bacterial genome sequencing 新シークエンス技術による細菌のゲノム配列決定」
Stephen Bentley  (Wellcome Trust Sanger Institute)

  • 454
    • 100Mbp / 7.5 hours
    • 250bp
  • Solexa
    • 1Gbp / 3 days
    • 35bp
  • SOLiD
    • 4Gbp / 8 days
    • 35bp
  • Helicos Biosciences
    • 90Mbp/h
    • 30bp
  • Pacific Biosciences (PacBio)
    • 10-20kbp
  • 454で30Xくらいでは、カバレッジが96%とか。
  • ショートリードでコンティグをつくってもISやリピートを越えられない。
  • de novo sequencing 向けには、454 > Solexa/SOLiD とのこと。

15:30-16:10
「Transcriptome and New sequencers. 新しいシークエンス技術とトランスクリプトーム」
菅野 純夫 (東京大学

  • oligo-cap して、5'端読みをSolexaでやっている。
  • http://dbtss.hgc.jp
  • いままでのcDNA端読みより、スクリーニングが深くて、感度が高そう。
    • TSS の揺らぎの分布がみえる。
  • 5'末 35mer でもユニークにならない場合がある。レセプターなどのファミリー遺伝子とか。
  • 読み始め/おわりの2-3bpのクオリティがよろしくない。
  • ゴーストが出る。
  • 複雑な遺伝子構造

16:10-16:50
「Sequencing, sequencing and sequencing... シークエンス、シークエンス---(北京ゲノムセンターのアクティビティ)」
Jun Wang (Beijing Genomics Institute)

16:50-17:30
「Massive sequencing and bioinformatics challenges テラシークエンス時代のバイオインフォマティクス
黒川 顕 (東京工業大学

  • Nusbaum C et al 2008
    • E coli K-12

まとめ

  1. プレゼンは全体的に落ち着いていた。もっとうきうきしたプレゼンがあると思っていた。
  2. といいつつも、ひとによっては、うきうきしすぎ、という印象をもっていた。