『サヨナラCOLOR』 DVD

●スタッフ
監督 竹中直人
脚本 竹中直人
馬場当
プロデューサー 新藤次郎
撮影 佐々木原保志
美術 斎藤岩男
音楽 ハナレグミ
クラムボン
ナタリー・ワイズ
録音 北村峰晴
照明 安河内央之
編集 奥原好幸
衣裳デザイン 伊藤佐智子
●キャスト(役名)
竹中直人佐々木正平)
原田知世笈川未知子)
段田安則 (鈴木雅夫)
雅子 (あき子)
中島唱子 (聖子)
水田芙美子 (沢井まなみ)
内村光良 (前田)
大谷直子 (木村道子)
久世光彦 (田村先生)
中島みゆき (巌岳)
第一線の俳優として活躍するかたわら、91年に『無能の人』で監督デビューして以来、コンスタントに秀作を発表してきた竹中直人。前作『連弾』から4年ぶりとなる監督最新作は、せつない珠玉のラブストーリーだ。竹中と同級生(!)という設定のヒロインを、原田知世が変わらぬ可憐さで演じている。段田安則内村光良が意表をついた役どころで登場するのを始め、中島みゆき久世光彦、さらに北川悠仁斉藤和義、浜田貴司、スチャダラパーなど多くのミュージシャンがゲスト出演しているので、お見逃しのないように。エンディングで流れるのは、ファンクバンド「SUPER BUTTER DOG」の楽曲「サヨナラCOLOR」。本作品に多大な影響を与えたという、これまた切ないスローバラードの名曲だ。
●解説
多方面で活躍を続けるかたわら、映画監督としても評価の高い竹中直人の4年ぶりの監督作。馬場当のオリジナル脚本を読み、ファンクバンド“SUPER BUTTER DOG”の名曲『サヨナラCOLOR』を想起した竹中が馬場と共同で脚本を執筆。ヒロインに原田知世を迎えて描く大人のラブストーリー。永積タカシの個人ユニット・ハナレグミと、クラムボンナタリー・ワイズらが音楽を担当。
●あらすじ
海を臨む病院に勤める医師・正平(竹中直人)の元に、子宮がんを患った未知子(原田知世)が入院してきた。偶然にも未知子は、正平が高校時代思い焦がれた初恋の人、その当人であった。気軽に独り身を謳歌しているかに見える正平には、長年付き合っている居酒屋の女将・聖子(中島唱子)や、最近知り合い、いきなり援交を申し込んできた女子高生まなみ(水田芙美子)がいるが、心の中は二十数年もの間、一途に想い続けてきた未知子でいっぱいだ。「思い出してくれましたか? 僕のこと」。そう問いかける正平だが、肝心の未知子はすっかり正平を忘れている様子。一方の未知子にも、長年の恋人・雅夫(段田安則)がいた。雅夫は今をときめく売れっ子スタイリストだ。しかし浮気性の雅夫には、未知子の友人で、彼女が作るガラス細工のランプを売るアンティーク・ショップの経営者・あき子(雅子)という愛人がいた。献身的に治療を施しながら、なにかと自分を思い出してもらおうと試みる正平。始めのうちはしつこくされて迷惑気味の未知子だったが、いつしかそんな彼に心を開いていく。化学療法が効き、未知子は手術できる状態にまで回復した。自分で執刀したいと願う正平だったが、正平自身の体調を心配する後輩の医師・前田(内村光良)の薦めで、担当は子宮がんの権威・巌岳先生(中島みゆき)に決まった。正平は長年の不摂生がたたって、病魔に身体をむしばまれていた。そうとは知らない未知子は、夜勤明けの正平を海に誘い出した。ランプの材料となるガラスのかけらを、正平と共に集めようと思ったのだ。死ぬことへの恐怖におびえる未知子を、「あなたは長生きしなくちゃだめだ」と励ます正平。“欠席”に丸をつけていたが、未知子に誘われて正平は高校の同窓会に出席した。久々の旧友との再会。壇上で未知子はスピーチするが、正平は所在なさげに後ろで佇むのだった。そして、いよいよ手術の日がやってくる。手術室に送られる前、未知子は正平に告げる。「先生、これからの50年、私と一緒に生きていただけませんか?」。正平を求めるように差し出された未知子の手のひらを、驚きながらも握り返す正平。そして、未知子の手術が始まった。