民事裁判

枚方談合事件により、市に損害を与えたとして提訴されている民事裁判で、証人として出廷しました。
枚方市の清掃工場の施設整備費は約110億円で、実際には、当時の同規模の清掃工場の全国平均値(約132億円)より約20億円も安価で整備できたのです。
副市長以下担当部署の職員が、十分な予算もない中、一生懸命取り組んで下さったからであり、本当に頭が下がります。
訴えている市民団体は、談合により市に27億円の損害を与えた、としています。
私は、この民事裁判の準備書面等に目を通して驚きました。
というのも、この事件で2年前に無罪が確定している前枚方市副市長の小堀隆恒さんが、未だに損害賠償の求償対象から外されていなかったからです。
小堀さんは、大阪地検特捜部の暴走により事実誤認で逮捕・起訴され、一審で検察側の控訴もなく、完全無罪を勝ち取られた冤罪被害者です。
無罪が確定した以上は、当然、損害賠償請求の対象ではなくなったものと思い込んでいました。
この日の法廷で私は、枚方事件は冤罪であり▽談合に関与していないこと▽市に損害を与えていないこと―などを説明した後、小堀さんのことに関連して「私は当時の市長であり、たとえいわれなきことであっても、裁判は受けて立ちますが、明らかに冤罪被害者であり、公務員として真面目に勤め上げられた小堀さんに巨額の賠償を求めるというのは、何のための裁判か分かりません」との思いを述べました。
この冤罪事件に関心を持って取材に来られていたジャーナリストも、「冤罪の被害者に金を払えという『市民』とはいったい何者ですか?」と驚いておられました。