ブロックチェーンの衝撃

本日読了。

ブロックチェーンの衝撃

ブロックチェーンの衝撃

この分野の書籍の中では秀逸。ビットコインの現状、限界、新しい動き、未来像と、満遍なく、かつ深い記述となっている。
従来のビットコインは、パブリック・トラストレス・パーミッションレス、これに対してプライベートブロックチェーンは、パブリックな特性をプライベート(単一組織)やコンソーシアム(特定組織)に置き換える。
活用が期待される分野。金融、物流、デジタルコンテンツ流通、貿易、不動産売買、中古品売買、予約、時間利用(駐車場、貸会議室など)、IoTなど自動取引、登記。IoTでは、様々な機器が、お互いに自動取引をしながらコトを作っていくモデルを提唱。
ブロックチェーンは低速だが確実な記録。これに対して分散型レジャーは大量で高速な記録。
ブロックチェーンの課題は、正確な時刻(非同期であるため)、実データの保管(ブロックチェーンに記載されるデータは全てのノードにコピーされ永久に記録されるため実データは別に保管することが望ましい)、有限時間での取引完了(確率的に完了するため)、アトミック、などができないこと。IoTのようなユースケースの規模はまだ現実的ではない。
新技術として、カラードコインはビットコインに色付けすることでトークんを発行する、Ethereumはブロックチェーン上で分散アプリを動作させる、NEMブロックチェーンを完全に置き換える。
NEMの概要。マイニングからハーベスティングへ。独自アーキからJSON/RESTfulへ。ブロック承認サイクルの短縮。悪意を持つノードをレビュテーションシステムで除外する。複数署名。時刻同期。等々。