第八話「裏切り?雪山に消えたマチ」

この「走り」も「ヒヲウ化」と見える。

ラクリ村の娘「マチ」と武家の娘「華」とはその生活習慣等の違いから、意見が合わず対立する。

対立し、尽く反発する二人なのだけれど、敵に追われ負傷した華にマチは肩を貸し、言い放つ。

アタシは一人で逃げたりなんかしない!
アンタが武家の子だろうとなんだろうとそんな事どうでもいい!
絶対に「炎」に連れて帰る・・・!!

この際に、マチは泣いているのである。
自己主張し、ソレを貫きながら泣いているのである。
正にこの瞬間、マチがヒヲウ(=主人公)になっているのだと言わんばかりである。
仮にこの時のマチがヒヲウ当人を目の当たりにした状況だったのならば、多分、泣きはしなかったのだろう。
然し、普段ヒヲウの言動を如何に見て、共に生きて来たからこそ、この場面でのマチの姿があるのでは無いかと、そう思わされるのである。



脚本:稲荷昭彦
絵コンテ:錦織博
演出:増井壮一
作画監督毛利和昭


機巧奇傳ヒヲウ戦記 DVD-BOX(上)

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