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なんばの弁護士―梁英哲弁護士のブログ RSSフィード

2012-02-10

[]弁護士は本当に減るのか〜日弁連会長選挙



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日弁連会長選挙の投票日だ。今日は裁判期日に新件の相談に決済そしてその後出張となかなかハードなスケジュールの日だが不在者投票をせずに選挙日に投票することにした。4候補が立候補し、内一人はこれまでになかった再選を目指した立候補。日弁連なんて日本の中の小さな社会ですがあらゆる思惑の交錯が交わる日。ロースクール出身の新人弁護士であろうと大事務所の所長弁護士であろうと民主主義なので一票の価値は同じ。弁護士大増員の結果大票田となった若手弁護士の投票行動が会長を決めるものと思われる。




日弁連会長選挙では弁護士が多すぎることが争点になっているようなので自分なりに弁護士人口増員論を振り返ってみる。

もとをたどれば弁護士が足りないと言うより、むしろ、裁判官検察官が足りないことが問題だった。検察官は過去に前年度比で減少に転じるような危機的な状況に陥ったことすらある。そういう中で弁護士を含めた法律家人口増員論がしきりに主張されたが、裁判官検察官はインパクトあるほどは増えなかったので、弁護士人口だけの問題になった。




弁護士会の中での論調はどうだったか振り返ってみると、増員慎重論者の根拠は「弁護士が食えなくなってプロボノ活動(人権にかかる活動など)をできなくなる」というものでこれに対して増員論者は「弁護士既得権益を守りたいのか」という反論で押し切って来ていた。弁護士増員は国民の声なんて言っていた大先輩もいましたね。結局、修習期間の短縮して養成過程を省略して短期的な大増員が果たされたわけですが、これまで法律家の要請に特別な役割も果たしていなかった大学をここに食い込ませてロースクールを作ったのがまずかったです。慎重論もそうかも知れませんが増員論にも数十年先を見通した明確な国家観や社会観に基づいたものではなく、ただ規制緩和の風潮の流れに乗った「既得権打破」のスローガンだけのノリで進められた。




弁護士増員には私も賛成で意見でした。しかし、制度をいじらず単純に司法試験合格者数をいじらずに増やせばよいと考えていました。同じような考えの人は結構いたかと思います。これだと増え過ぎだと思えば単に減らせばいいだけなので柔軟性があり、新たなコストもかからない。



問題は増員論のノリにかこつけて、ロースクールに新司法試験司法修習制度の簡略化と制度の構造自体をいじってしまったことです。これだと増員に不都合が生じたとしても後戻りや微調整はむずかしい。ロースクールを出ても5年間しか新司法試験を受験できないのですよ。こんな限定付学位を取得のために学生に何百万円もの学費支払いを求める制度がまともなものだと思えません。修習の簡略化もロースクールで修習を先取りできるからという建前のようですが、司法研修所の教官チーム以上の教育ができるのでしょうか。しかもほとんどの生徒は法律知識どころか実務的な文書を作成する訓練すら受けていないのです。




ここで急激な弁護士人口の原因に舵を切られると、弁護士資格を得られると思って大金をはたいたり仕事を辞めてまでロースクール入学した学生が大きな不利益を受けます。国家ぐるみの資格商法と言われかねません。ノリで構造までいじったのが問題です。いやノリだけじゃなかったのかも国が負担していた法律家養成コストをロースクールという仲介者を通じて学生に転嫁しただけではないか。単純増員の一発試験だったら、すべて受験を続ける学生の自己責任です。合格、不合格は採点基準に基づいた公平なものでどんな結果がでようとすべての受験生に平等であることは変わりありません。弁護士になったけど仕事がないなんて嘆いても誰も相手にしてくれなかったも知れません。すべて自己責任ですから、養成コストは学生に転嫁する制度で資格を取ったけど仕事がないと言えば、国ぐるみの「資格商法」だとして悪徳商法扱いされかねません。




単なる数だけではなくて、当時の社会風潮だけを根拠に深い思慮もなく制度の構造までいじってしまった弁護士増員論、新日弁連会長は小手先の対策だけでは目に見える改善を見ることはできないのははっきりしています。新会長がいったいどういう方向に行くのか。じっくり見ようと思います。






以下、非公式の速報です。

   宇都宮健児弁護士

   山岸憲司弁護士   

決戦投票になるそうです。





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2012-02-09

[]弁護士初任給600万円は昔話〜明日日弁連会長選挙投票日



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移動中に乗ったタクシーの運転手さんと会話するのがちょっとした息抜きになる。話題で多いのは、今日の天気、橋下市長を含めた大阪の政治、阪神タイガース(シーズン中)、バブル時代の話あたりである。バブル時代私はまだ社会に出ていなかったのだが、タクシー運転手さんから聞くバブル時代の話は今から考えるとまるでおとぎ話だ。




当時は圧倒的にタクシーが少なくお客も多かったので月給は70万円以上あったそうだ。これ以外にもワンメーターの距離で1万円を払う客がたくさんいたそうで副収入もかなりのものだったそうだ。夜の店でホステスさんに1万円札を撒いているおっちゃんを一晩一回くらいは目撃したそうだ。料亭の女将さんが銀行やノンバンクからのべ何兆円も借り入れしていたこととかも考えると、中国バブルなんて比較にならないかも知れない。当時の弁護士の収入はわからないが、自己破産手続中に土地や絵画が暴騰し財団を換価したら借金を完済してもお金が残ったなんて話は聞いたことがある。




私が弁護士になった年は1年に2度新人弁護士が登録する年だったので2000年問題なんて言われ就職活動が心配されていた。というのも、当時司法修習の期間が2年から1年半に短縮されたことから年に2度新人弁護士が誕生したのであった。結果的にはそういった心配はほとんど杞憂に終わった。東京の大手渉外事務所も大量採用していたので地方では希望通り採用できなかった事務所がかなりあったようだ。




当時の初任給は、一般の個人事務所で平均600万円程度、大手渉外事務所で1000〜1500万円程度だった。個人事務所へ就職したとしても弁護士会法律相談や国選事件をすることができる2年目になると事務所給料と合わせたら1000万円程度の収入を得ていた新人弁護士が多かったと思う。就職活動のため事務所訪問へ行くとほとんどの事務所が食事の接待をしてくれ、有名な大物弁護士も浮ついた修習生のくだらない話を愛想良く強く聞いてくれたものだった。接待してくれる食事も自腹では行けないかなりの高級店が多かったと思う。女性が接客するような飲食店も修習生の就職活動ではじめて連れて行ってもらった。




こんな話をしても今の修習生からしたら、私がタクシーの運転手さんから聞いているバブル時代のおとぎ話のように思うかも知れない。私が弁護し登録した2000年も失われた10年なんて言われ社会に不況感は十分に漂っていた。今や失われた四半世紀になりつつあり、震災原発事故の対応を含めた官僚のお仕事を見ていてもこれからも失われ行きそうな予感がする。政権は何度も交代し経済界の勢力図も変わったが官僚だけはバブルの時からずっと同じ場所にいる。




明日の日弁連会長選挙では増えすぎた弁護士をどうするかが重要な争点のようだが候補者はみんな似たようなことを言っている。法律家人口を増やすことは2000年頃から日弁連のお偉い方が積極的に推進してきたのだが増えたのは弁護士だけだった。裁判判決までの時間は短縮されているとは思うが利用者が強く実感するまでの劇的な変化はないと思う。検察は質の低下とオーバーワークを実感する。近々刑事事件の公判があるが純粋に検察官の準備不足のため身柄が取られている事件であるにもかかわらず期日の空転が確実だ。こんなことは私が弁護士になってはじめて経験する。



法律家人口増大については総論賛成の弁護士はかなりいたと思う。ただ増やすスピード、人数、裁判官検察官の人数増加とのバランスなんてことはあまり考えられていなかったようだ。人口増大を積極推進していた方は弁護士を退いて自ら願った復帰もかなわなかったのでこの世界に戻ってくることはない。そのおじいさんは主張していた法律家人口増大の数の根拠について「私の勘だ」と強弁し、さらにその根拠を問う若手弁護士に「私の声は国民の声だ」と言って黙らせたのだったが、そのときに感じた私の悪い予感はあたっていたようだ。馬鹿な修習生を愛想良く接待して600万円もの初任給を提示しても内定を蹴って年収1000万円の東京の大手事務所に就職されてしまう、こんな現実を国民も許すはずがないなんて思ったお偉い弁護士がいたかどうかはわからない。




法律家として受けた訓練や知識だけでは10年や20年先の国の未来を見通すのはとてもむずかしい。それを思うと1930年代に初版本発売された我妻栄先生の民法のテキストが今でも通用するのは奇跡としか言いようがない。我妻栄先生のテキストは若干法律が異なる隣の韓国でも長い間基本的なテキストとして通用していたのである。




 さて明日は日弁連会長選挙投票日。初任給600万円だったおとぎ話を後輩にどう説明するかが候補者で争われいるようだ。忘れずに投票に行くとするか。




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2012-02-08

[]離婚届けに養育費分担、子との面会のチェック欄ができます。


今年4月1日改正民法が施行されます。改正民法民法766条)と関連して協議離婚の届出の書式に子との面会、養育費分担チェック欄がある書式に変更されます。もっとも、協議離婚時に決めていなくても離婚届自体は受理されるので強制力はありません。これまでどおり子との面会や養育費の分担を決めていなくても離婚届自体が受理されることは変わりありません。強制力がないので、この改正民法がどの程度、子の面会や養育費分担に関して実効性があるのか全く未知数です。



ちなみにお隣の韓国ではすでに養育費や子の面会のことについての合意がなければ協議離婚届自体が受理されない制度になっており、在日韓国人同士の夫婦が領事館へ離婚届を出す際もすでにこのような運用がされいて、届出自体の受理にも熟慮期間が定められているので当事者の合意があっても直ちに離婚を成立させることはできません。



日本の改正民法の場合は、離婚届の際に面会と養育費について制度の運用次第では役所窓口でも意識喚起は可能かも知れませんが、例えばはなから養育費を支払う意思がない親にはほとんど効果がないと思います。強いて言えば、両親が出した離婚届の写しは子どもが入手することが可能で両親がどんな約束をしてその約束が守られたかどうかを知ることは可能になった程度の差かな。



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新しい離婚届様式に関する報道

「子との面会法、取り決めたか」離婚届に記入欄 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

朝日新聞デジタル:離婚届に面会方法や養育費のチェック欄 - 社会

離婚届:「子との面会」「養育費分担」チェック欄??4月から - 毎日jp(毎日新聞)




民法改正に関する法務省のサイト

法務省:民法等の一部を改正する法律案

2012-02-06

[]ウルトラブックを使ってみた



 超低電圧CPUインテル製)を搭載し厚さは2cm以下のノートブックのことをインテルはウルトラブックと言っているそうです。長年XPのノートブックを使っていましたがバッテリーハードディスクが限界で”ウルトラブック”を購入しました。近鉄電車奈良地方裁判所へ向かっています。新しいノートブックでブログの更新をしてみようと思っています。



 使っているのは、ASUS UX31Eシリーズ 13.3型液晶 SSD128GB UX31E-RY128(ZENBOOK)、OSはWIN7のHome Premiumですが、これはWindows Anytime Upgradeパックを使ってProfessionalへアップグレードしました。はじめて買ったノートブックからVAIOの愛用者でしたがいい加減に愛想を尽かしました。ZENBOOKというネーミング、10万円以下という買い安い値段に引かれて購入しました。



 良かった点はとにかく薄くて軽い。13インチの大画面ながら薄めのA4のブリーフケースにすっぽり収まります。ACアダプタも小型軽量でトランプケースより一回り小さい程度の大きさです。スリープからの立ち上がりがとても早い。比較するのがおかしいかもしれませんが、IPhoneの電源オフからの立ち上がりより早いです。ストレスを感じません。金属製のボディなので高級感があります。AudioはBang&Olufsenとコラボしているようです。外付けDVDプレヤーとヘッドフォンで映画を1本見ても疲れを感じませんでした。スカイプも内蔵モバイルカメラ、マイクとスピーカーだけで快適に利用可能です。電源管理ソフトはバッテリーは約9時間以上と表示されています。こんだけ持てば十分です。



これまでは外出先ではiPhoneと携帯用キーボードEvernoteを使って書き物をしていましたが今はノートブックを使うことが多くなりました。



 気になる点は、個人の好みと慣れかも知れませんが、キーボードの配置が若干広すぎる感を感じます。手が小さい人は購入前に展示品を触れてみるのがいいかもしれません。キー自体がかなり薄いのでキータッチは若干気になるかも知れません。



 今、薄手のブリーフケースの上にノートブックをのせてこの文章を打っていますが全く違和感はないです。外国の弁護士にそんなに日本製(VAIO)がいいのなんてからかわれつつ何代にも渡って愛用していたVAIOですがしばらくお別れです。



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2012-02-04

[]高額養育費がむずかしい男性側有利な裁判所基準


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裁判所の基準(養育費算定表)では、子1人(0〜14歳)、年収400〜500万円の給与所得者の場合、養育費の基準額は月4〜6万円です。子どもを養うのには到底不十分な金額です。養育費は収入が多い側から少ない側(若しくはない側)へ、子を養育していない側から養育している側へ払うものです。女性の社会進出が進んで来ているとはいえ、実務では母親側が子を引き取り、父親側の収入が多いことが圧倒的なので、養育費の支払義務者は男性側であることがほとんどなので、このブログの題名を「男性側有利な裁判所基準」としています。




養育費支払義務者である男性側からしたら、年収500万円で月4万円というと弁当代とたばこ代位ではないでしょうか。残念ながら裁判所の養育費算定表に従えば、つまり家庭裁判所の実務に従えば、受け取れる養育費というのは残念ながら小遣い銭程度です。この算定表というのは、養育費の支払義務者が経済的に困窮しないことを基準に考えられているようです。現にこの算定表に対する知識がない男性は算定表より高い養育費を支払う必要があるものと考えていることが多いです。




さらに問題なのは裁判所で決められた養育費の支払いの強制は一般の民事執行と同じ手続きで行うほかないです。日本の強制執行手続きに関する法律は時代遅れの代物で相手が財産移転のフットワークが軽い個人相手ではほとんど実効性がありません。相手方に払う気がなく執行を逃れる目的があるような場合は(お金の損得だけ考えて合理的に行動すれば普通こうなります)判決や調停で命じられた金額のすべてを回収するのは極めて困難です。こういう意味でも養育費については男性が有利な制度になっていると言えます。




年収500万円で月4万円、その上支払われなくなった場合の執行手続での回収も簡単ではない。そういった現状から不本意ながら生活保護に頼って生活せざるを得ない母子が増えるわけです。離婚後も自分の子の養育に経済的な責任を持つ、この責任を免れようとする者にはきちんとしたペナルティを科すという法制度があるだけでも、社会問題になっていり生活保護受給率を少しは下げることができるはずです。




このように裁判所基準では男性側(支払う側)有利、女性側(受け取る側)不利に定められているので、弁護士が男性側についた場合は裁判所基準に寄りそうようになるべくミスせず守る姿勢、女性側についた場合には社会的に不合理な裁判所基準を打ち破り気概を持った攻撃的な姿勢でいうのが基本戦略になりそうです。しかし、社会的に子の父親としての責任を果たすということを考えれば、相応の収入があるにもかかわらず男性側有利な裁判所基準にへばりついていると、子から父への尊敬や信頼というお金で買えないものを失う結果になるかも知れません。




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