脱原発の正念場

日本人は忘れっぽいとよく言われる。衆院解散による総選挙を間近に控えて政治屋たちが右往左往しているが何故か福島原発事故災害への関心がうすれ、置き去りにされているような気がしてならない。この選挙では経済政策も勿論大事だが原発問題は当たらず触ら…

前進か回帰か・・・第三極の行方・・・

民主党にも愛想をつかした。と言って今更旧態依然たる安倍自民党でもあるまい。解散総選挙では棄権する外ないと思っていたら何と80歳になる石原慎太郎が突然都知事を辞め第三極の中核となる新党を結成すると言うので波紋を広げている。先ずは立ち上がれ日…

日本人のマナー

先だってテレビで日本女子オープンゴルフの中継放映を観た。たしか横浜カントリークラブだったと思うが優勝したのはフォン・シャンシャンという中国人だった。心に残ったのはプレーそのものより沢山のギャラリーの観戦マナーだった。選手がプレーに入る時に…

自民党総裁の回帰

やっぱり自民党の体質は少しも変っていなかった。5年前に参議院選挙で大敗し臨時国会開幕直後に敵前逃亡した安倍元総理が総裁に返り咲いた。忌まわしい過去への回帰である。地方党員票で圧倒的多数の支持を得た石破さんを国会議員による決選投票で逆転した…

自民党の長老支配

先日谷垣さんのオウンゴールについて書いたが、オウンゴールの失点は自民党総裁改選で早くも現実になった。民主党おろしのためにあれほど「解散」を叫んで来た谷垣総裁がいざ自民党総裁改選の段階で早くも片腕の石原幹事長に候補者の座を奪われた。石原さん…

反則か、オウンゴールか?

自民党の谷垣総裁は野田首相問責決議案を参議院に提出可決した。主たる問責理由は衆議院でマニフェストに違反して消費税引上げ法案を成立させたからだという。しかしこの増税法案はつい先ごろ民自公三党の合意で成立させたものだ。自らを否定する不可思議な…

首相と市民の対話

昨日8月22日に「なぜ早く決められないのか」という記事を載せたが、その日の午後首相官邸で野田首相と原発再稼働反対の市民デモの代表者との対話が行われたことが報じられた。話し合いは平行線に終わったようだが、このような企画は前代未聞のことであり…

なぜ早く決められないのか

67回終戦記念日の8月15日、多くの人の目はロンドンオリンピックに向けられていたが、私は終戦 なぜ早く決められなかったのかというNHKスペシャル番組を視聴した。1945年2月の米英ソの首脳によるヤルタ会談でソ連の対日参戦が決められた。この重大…

大飯原発再稼動の先にあるもの

大阪市の橋下市長が手の裏を返したように大飯原発の再稼動容認を表明し、京都、滋賀も腰が砕けたようだ。原子力規制庁もまだ出来ないというのに、もはや野田首相の決定に委ねられた再稼動は時間の問題となった。圧倒的な国民の反対、不安は無視され、行政と…

原発再稼動の愚

関西電力の大飯原発の再稼動が取り沙汰されている。一体そんな事があって良いものだろうか?第一に安全性の保証がない。政府の中枢はストレステストで安全性を確認したということだが、大飯原発は福島第一原発に比べて何処がどう安全なのだろうか? 具体的な…

アメリカ vs.日本

日本には原発事故に関する何ヶ月にもわたる事故対策検討委員会の会議の議事録が全く無いという信じられないような報道を聞いて唖然としていたら、アメリカから彼の国で行われたこの事故に関する独自の調査や議論の3200ページに及ぶ詳細な報告書が送られて来…

原発輸出・死の商人

野田首相は来日したベトナムのズン首相との間で原発の建設に協力するとの協定を結んだという。この話には勿論3月11日の原発事故より前からの経緯があるのだろう。でもこの大事故で苦しんでいる国民を尻目に日本政府が何の反省も逡巡もなく原発の輸出に踏…

死のまちという表現

菅さんが孤軍奮闘頑張り過ぎて裸の王様になってしまい、新しく野田内閣が発足した。でも少し落ち着くかと思いきや早々に閣僚の失言問題がとび出してしまった。 大臣の中でも原発問題で今最も注目される経済産業大臣が就任早々の福島原発被害地視察で「人っ子…

中国vs.日本

中国の高速鉄道事故には唖然とした。中国鉄道省は事故車両を壊して穴に埋め乗客の救出もそこそこに現場の検証、事故原因の解明も待たず僅か一日半で運転を再開した。そこには国家の威信の前には人命や安全は二の次であり失態の隠蔽が最重要であるとする体質…

原爆と原発

東日本大震災から今日で3ヶ月経つ。福島第一原発の事故は収束のめども立たず日々環境汚染を拡大し続けている。広島、長崎と世界で唯一原爆の惨禍を受けたこの国は66年後今度は自らの作った原発の事故で苦しんでいる。何という皮肉だろう。自分も含めて何…

脱原発

東電は今回の原発事故の収束見通しの工程表を6ヶ月乃至9ヶ月と発表した。政府の圧力にそう言わざるを得なかったのだろう。政府としても工程表がなければ復旧計画の策定が出来ないし人心は安定しないのだろう。問題は見通しの根拠である。壊れた4基の原発の…

国家的危機と政治家

今週のお題東北地方太平洋沖地震菅首相から自民党の谷垣総裁に今度の大震災に対処するため入閣の要請がなされた。谷垣さんは「唐突な話だ。政策協定もなく入閣出来るわけがない。責任を取らされるのはごめんだ。」としてこれを断ったという。公明党の山口代…

鳩山さんは政治家を辞めなさい

鳩山さんてこういう人だったのか。首相時代、見境もなく普天間国外県外移転を唱えて問題をこじらせ、自ら決めた期限が来ると「勉強すればするほど抑止力の重要性を知った」という迷言をもって沖縄の人達を失意のどん底に突き落とした。格好のいいことは言う…

菅さんは何がしたいのか

菅総理の影が薄い。参院選の前に寝ぼけたように自民党の谷垣さんに追従するような形で消費税10%を口走って選挙に惨敗した。もっとも選挙の大敗の原因はこれだけではない。過去10ヶ月の民主政権の迷走に対する批判と受け止めるべきだろう。脱官僚、政治主…

地に墜ちた宇宙人

昨年8月、鳩山さんは「私の政治哲学」と題する小論文を彼のホームページに載せた。その論文は次の言葉で締め括られている。>今日においては「EUの父」と讃えられるクーデンホフ・カレルギーが、八十五年前に『汎ヨーロッパ』を刊行した時の言葉がある。彼…

人類が消えた世界

ありそうもないことだが仮にいまヒトに特異性を持つ強毒のウイルスが発生して世界の人間が絶滅してしまったらこの地球はどうなるだろうか?著者アラン・ワイズマンは奇抜な発想で地球の自然と人間の関わりを豊富な科学的データの調査と大胆な予測を交えて考…

チリ津波

2月28日チリ津波が日本を襲った。奇しくも昭和35年のチリ津波から丁度50年後である。あの時は我々夫婦が結婚した年だった。当時は4畳半一間の新婚生活だったし勿論テレビも無かったから鮮明な記憶はないが、遠く地球の裏側から津波が到達するという…

バンクーバー冬季五輪雑感

猪谷、ザイラーの時代から私は山スキーに親しんでいたのでスキーの出来なくなったこの齢になっても冬のオリンピックに関心は深い。私はこのところずっと病床にあってテレビ観戦の時間はたっぷりあった。と言うかテレビ観戦で病気の憂鬱を紛らわすことが出来…

トヨタクライシス

どうしたことだろう?去年の夏レクサスのアクセルペダルにフロアマットが引っかかって起きたアメリカでの死亡事故に端を発したリコール問題にもたついている間に次々に連鎖反応を起して世界中の複数車種のアクセル、ブレーキ、ハンドルにまたがる大規模なリ…

党首討論に晴れ間あり

12日鳩山内閣になって始めての党首討論会が行われた。相も変らず質問は政治とカネの問題に終始しうんざりさせられた。でも終盤「あれ!」と思わせる場面があった。鳩山さんがしつこく追求する自民党の谷垣さんに逆提案したのだ。「企業・団体の献金を全面…

貧すれば鈍す

先週12日の衆院予算委員会における自民党与謝野議員の鳩山さんへの質問には驚きとともに深く失望した。もう少しまともな良識ある人間だと思っていたからだ。ヤクザだとか平成の脱税王だとか口汚く鳩山さんを罵った。それだけでない、1年半も前の鳩山邦夫氏…

台湾トイレ事情

十数年ぶりで海外旅行をした。とは言っても台北三泊四日のパックツアーである。ともかく寒い日本を抜け出して暖かい風に吹かれたかった。そうすればしつこいリュウマチの痛みも和らぐかもしれない。とは言っても長旅では静脈血栓症でもある私はエコノミーク…

小宮山さんの実験

前東大総長の小宮山宏さんがやった個人的な実験をご存知だろうか?6年をかけて今の市販の技術と製品を使って行った彼の住宅のエコ対策は特に目新しいものではない。外壁断熱、二重ガラス窓、給湯エコキュート、太陽光パネル、高効率のエアコンと冷蔵庫、ハ…

煙草増税あるべし

鳩山首相が「環境・健康の観点から煙草の増税もあり得べしと考えている」と発言し論議を呼んでいる。 批判の多くは煙草増税は不公平な税のしわ寄せであり、増税によって税収は減収するだろうと言うものである。先だってまで与党だった野党自民党の議員がこん…

トヨタのF1撤退の意味するもの

遅きに失した感はあるがやっとトヨタがF1撤退を表明した。F1レースの本家ホンダはすでに昨年撤退している(ホンダショック)。 これで日本の自動車メーカーは完全にF1レースから姿を消した。これは自動車産業にエポックを画する象徴的な出来事であると…