ナナロク社の新しい本。

4月です。今日は、ナナロク社の
新しい本についてお知らせいたします。


何かに感動したとき、
涙が出た、鳥肌がたった、と体の反応で、
受けた感動の強さを伝えることがありますね。
ぼくなんかもそうですが、
心の奥の奥での出来事は
なかなか言葉にできないものです。


今度の本は、きっとそんな心の奥の奥の奥の出来事、
言葉にできないような感動を生む「詩集」です。


著者は1976年生まれ。
3歳で筋ジストロフィーと診断されました。
その生命を振り絞るように紡がれた5行詩に私が
出合ったのは昨年のことでした。
いわゆる闘病詩におさまらない、生活を人生を仕事を
生きようとするすべての人に贈りたいと思わせる詩。
これは素晴らしい一冊になると、
直感させるものでした。


今回、写真家の齋藤陽道さんにお願いして
一緒に著者の住む仙台まで訪れ、
著者本人をはじめ地元の風景を含めて撮影して
いただきました。


今日、ご紹介するのは(仮)のついたタイトルと、
一枚の写真、それと「5行詩」を5つ。
この一冊を形づくりみなさんの手にお届けするのが
いまの私の願いです。
もう少々お待ちください。素晴らしい本に致します。




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『点滴ポール』(仮)
詩 岩崎航  写真 齋藤陽道
ナナロク社刊
初夏発売予定
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点滴ポールに
経管食
生き抜くと
いう
旗印



春の便りが
カーボンコピー
されてくる
この白き
病牀六尺



できることと
できざることとを
問う我は
いったい何が
できれば良いのだ



それぞれの家族の
それぞれの物語が
あることを思い
我が家の
物語を生きていく



嗚呼 僕も
生きているんだ
青空の
真っただ中に
融け込んでいる