Seven Stream Crystal -- 七瀬晶

2006-06-29 [雑記]なぜ絵を描くのか

[]なぜ絵を描くのか?

 前に日記で出てきたお絵描き掲示板、レベルの高いイラスト・CGが見られるので時々お邪魔しているが、BBSで、「絵を描く動機は「こんなにうまく描けた」という自己愛か「褒められたい」という願望だ」というような主張が描かれていた。

 「『絵が好きだから描く』という人はよく考えていないのだ」と言うのだが、その言葉、そっくりまるまるお返ししたい。というより、よく考えた結果がこれならば、非常に精神が浅薄だといわねばなるまい。

 そういえば、「会社は儲けることがすべて」なんて言っている人もいたか。なんでもかんでも単純化しようとするのは、デジタル時代の象徴だろうか? そもそも物事はそれほど簡単に割り切れるものではないのだが。

 こういう論理の危うさは、それがまったくの嘘ではないため、盲目的に信じてしまう人のいることである。

 もちろん反対意見がたくさん寄せられていたが、書いた張本人は聞く耳を持たないし、なんだかぐだぐだな議論になっていた。ネットでは深遠な議論をするのは難しいのかなと思う。


 それにしても、人はなぜ絵を描くのだろう。

 その理由は百人いれば百通りあり、まとめること自体無理があるかもしれないが、この件をきっかけに、私なりに考えてみた。


 ラスコーの壁画から分かるとおり、人は大昔から絵を描いてきた。

 記録のためか、儀式のためか、楽しみのためか、意志伝達のためか。

 権威を象徴するため、メッセージを訴えるため、人を感動させるため、広告のため、お金のため、暇つぶしの道楽

 目的はさまざまで、とてもひとつに割り切れるものではない。

 しかしその根源に、多くの人間が抱える何かを造りだしたいという欲求、創作欲、いや、一種の表現欲のようなものがあるのではないかと私は思い始めた。


 私はそれほどたくさん絵を描くほうではないが、美術館に行って心を打つ絵画を見たり、本やネットで素晴らしいイラストを見たりした後、出し抜けに頭の中に見たことのない映像が閃くことがある。

 そうすると、いてもたってもいられなくなり、筆を取らずにはいられない。忘れないうちに描き止めておきたい、頭の中の絵を具体化してみたいと思う。

 もっとも、私の絵の腕はかなり未熟なのでまともに完成しないことが多いが、絵に限らず音楽でも小説でも、こういう願望、すなわち表現したい、具体化したいという欲求にかられて創作することが多い。


 作ってみて、できばえがよければ当然ながら人に見せたくなる。褒められれば嬉しい。

 しかしできばえがよくなくても見せることもあるし、誰にも見せずにお蔵入りしてしまうこともある。

 「褒められたいから描く」というのは順序が逆で、「描いたものをできれば褒めてほしい」なのだ。


 そもそも、なぜ絵を描くのかという以上に、もっと大きな課題がある。「なぜ絵でなければならないのか」ということだ。

「自分を認めたい」「褒められたい」だけならお洒落をしたり、スポーツに励んだりしても良いわけで、そのほうがよっぽどもてる。勉強や仕事を頑張れば、それこそ「自己満足」し回りからも「褒められる」。

 お洒落やスポーツでは飽き足らない理由、それこそ、先にあげた表現・創作欲なのではないかと思う。


 表現・創作にもいろいろあるが、その中でとくに絵を選ぶ人がいる。

 その理由は、「他の表現より絵が好き」「演劇やダンスや音楽に比べ、絵が手軽だった」「たまたま絵が上手だった」など色々だろうが、絵によって一番手軽に心の無意識を意識化できるということもあるのではないだろうか。

 心理療法などにも使われるとおり、絵を描くことは、癒しや自分の再発見につながる。画家に長命な人が多いのも、おそらくそのためだろう。絵を描くことは内なる自分との対話なのだ。

 人が、「私は何者なのか?」と問い続ける生き物である以上、絵を描くのは、ただ楽しいからというだけでなく、一種の宿命なのかもしれない。


 絵を描く目的が、「自分で自分を褒めたいから」「人に褒められたいから」とだけ認識している人は、おそらく絵が得意で、人から褒められてうちに目的と結果があべこべになってしまったのでないかと思う。

 幼い時分、絵を見るのが好きで自分も真似して描いてみた。描く過程が楽しい。描き終わってみると思いのほかうまく、嬉しくなった。私って僕ってすごい! みんなからも褒められる。褒められるからもっと描く。そのうちに褒められることが、絵を描くことに対する当然の報酬となり、褒められないと物足りなくなる。不満になる。そこで技術を磨く。しかし技術が上がれば上がるほど、自分より上手い人がいることが分かる。上手な集団に入れば「褒められる」という報酬は与えられにくくなる。嫉妬し、懊悩し、ますます「上手に描く」「褒められる」ことに執着していく。

 CGのサイトはそれほどよく知らないので、こういう人が多いのかどうか分からないが、小説創作のサイトなどではこうした病理を見かけることがよくある。


「ではなぜ人に見せるのか? 褒められたいからこそ絵を人に見せるのだろう」という人もいるかもしれない。

 しかし、それでは上手な(少なくとも本人はそのつもりの)人以外、絵を人に見せることはなくなってしまう。

 おそらく、絵を見せたくなるのは、それが一種の自己表現だからだ。

 人は何かしらの形で自分を表現する。言葉や文字で、表情や身振りで、そして絵で。

 言葉を人に聞かせ、返事をもらえば会話になる。

 絵を見せて誰かが共感してくれれば、それもやはり一種のコミュニケーションなのだ。


 私は絵のことはくわしくないが、美術館へ行って、絵の前に立った時、絵が語りかけてくるように感じることがある。

 突然その絵の持つ空間が広がりを持って自分に迫ってきて、絵の世界に飲み込まれてしまう。あるいは、その絵の持つ色彩や形に心躍るような気分になる。

 そうした時、私は絵の作者と握手を交わした気分になるのだ。

「ああ、あなたはこれが描きたかったんですね。この光が。ああ、なんて素晴らしいんでしょう」

「この絵のよさが分かってくれたかね?」

「分かります、分かります。他人が描いたものなんて信じられません。もう一人の私が描いたみたいです。私の心の中に眠っていたものを、あなたが呼び覚ましてくれたみたいです」

 時を越え、空間を越えて心が通じ合う、感覚を共有できるというのは、涙ぐみたくなるほどの感動を与えてくれる。

 芸術やアートは難しいなどという声も聞くが、たいした知識もない私にとって、分かるとか分からないとかではなく、作品の前に立って、それが力強く何かを訴えてくれば美術館に行く価値は充分なのだ。

 いや、「分からない」と感じるのは、要するにその絵の感性に共感するところがないということなのかもしれない。


 表現でいうと、今絵やイラスト以上に手軽なのは日記だろう。

 多くの人が日記を書くのは、記録のため、思い出を残すため、自分自身の再確認のため、書くことの喜びのためだろう。

 それをネットで公開するのは、褒められたいからではなく、自分を知ってほしい、それにたいして反応が欲しい、という無意識の気持ちからではないか。もちろんアフィリエイトのためにやっている人もいるだろうが、労力に見合った金額を稼げるほどの人気サイトはそう多くはないはずだ。

 カウンタの回転に戦々恐々としたり、反応欲しさに記事を捏造したりして、書くこと本来の喜びを見失ってしまうのは、本人にとってとても不幸なことである。


 話が脱線したが、絵を描くのは自己の発見でありコミュニケーションであるというのが私なりの結論になるだろうか。

 イラストやCGの場合、絵画とは少し違うかもしれないが、自分の心の中の景色や、好きなキャラクター、かっこいいと思う構図など、自分の考え・感情・意識・無意識を絵に表現し人に伝えたいという願望は同じなのではないかと思う。


 さて、ひるがえって自分を見てみると、表現や創作はどんなものでもたいがい好きなのだが、一番執着しているのは小説である。

 私はなぜ小説を書くのか?

 これにとっては、また別の、ややこしい考察が必要になりそうだ。

 またいつかじっくり考えることにしよう。

YuYu 2006/07/20 15:12 なるほど。
興味深く拝読しました。
何度も読み返しちゃいました。
面白い。
私の考えよりも、数段先を行ってる話しです。
タメになりました。

nanasehikarunanasehikaru 2006/07/21 01:35 お? どうもです。
偉そうに色々書いてしまって、こんなコメントいただけるとは思いもしませんでした。
私がこうして色々書くのも自分の考えの再確認なんですが、それが他の人の中で意見やアイディアの種になるのかなと思うとなんだか楽しいですね。

halbowhalbow 2008/09/20 22:21 随分昔の記事に失礼します。自分は絵を描きます。自分ではかなりの確信を持って「描きたいから描く」と思ってました。しかしこの記事を読んでどの説にも自分と当てはまります。もう少し考えてみたいと思います。

7272 2010/12/14 22:36 私は絵を描きます。素人ですが、小さいころから大人になっても絵を描くのが好きでした。しかし、最近は絵を描くことに意欲が湧かなくなっていました。
そんな折にこの記事を見つけました。そこで記事を読むうちに、私の絵を描く動機がまさに「ほめられたいから描く」という動機に変質していたことに気付かされました。
そして「絵は自己表現の一つ」「絵はコミュニケーションの一つ」という言葉に強い共感を得ました。
それはなぜ私は絵を描かずにはいられないのだろう、という自問へのヒントになってくれました。
この記事を読んでまた絵が描けそうな気がしてきました。救われたような心地です。これから私も自分が絵を描く意義を見つけたいと思います。
ありがとうございました。
何年も昔の記事にコメントするのはおかしいかもしれませんが、とても感動させられたのでコメントさせていただきます。

7272 2010/12/14 22:36 私は絵を描きます。素人ですが、小さいころから大人になっても絵を描くのが好きでした。しかし、最近は絵を描くことに意欲が湧かなくなっていました。
そんな折にこの記事を見つけました。そこで記事を読むうちに、私の絵を描く動機がまさに「ほめられたいから描く」という動機に変質していたことに気付かされました。
そして「絵は自己表現の一つ」「絵はコミュニケーションの一つ」という言葉に強い共感を得ました。
それはなぜ私は絵を描かずにはいられないのだろう、という自問へのヒントになってくれました。
この記事を読んでまた絵が描けそうな気がしてきました。救われたような心地です。これから私も自分が絵を描く意義を見つけたいと思います。
ありがとうございました。
何年も昔の記事にコメントするのはおかしいかもしれませんが、とても感動させられたのでコメントさせていただきます。

nanasehikarunanasehikaru 2010/12/19 22:17 コメントありがとうございます。
こうやって時間を越えて共感しあえるところが、<表現>のすばらしいところで、人間だけの持つ特権なのかも・・・と思います。
私も勇気づけられました。

さーさー 2011/02/03 19:58 どうもはじめまして。
ヒトのモチベーションに関する記事を探しておりましたらこちらのページに辿り着きました。
とても考えさせられました。私にも当てはまる箇所がいろいろあって衝撃でした。

私も何年も描くのが億劫です。・・・上記の72様とかぶる話になってしまいますが。
描きたい衝動があっても、いざやってみたら不満と自信の喪失に満ちた「結果」のみが訪れる日々でした。
でも描きたいんです。
だから、モチベーションアップの話をさっきまでネットで読み漁っていたんです・・・が、
どうも私のやろうとしていたことは間違いだったようですね。

私が先ほどまで読んでいたモチベーションをあげるためのポイントなどを紹介したサイトで
『褒められること』『達成感で自己満足を得ること』・・・つまり『結果を前提にした行為(目標を掲げる)』が
モチベーションアップに必須なのだ、という話があったんですけど
これは上記のBBSの発言者の言うことと一致してるんですよね。

記事の出だしのところで、BBSの話を読んだときにはそちらの考えに流されそうになりましたが
最後まで読ませていただいて、私もそれは違うと気づきました。
なにかで感銘を受け、それに突き動かされ書きたいと思ったら書かずにはいられません。それこそがが絵を描く動機なんですね。

結果オンリーの描き方、まさにそれをやっていましたよ。ちっとも楽しくありません。
BBSの発言者さん、もしかしたら私のようだったのかもしれませんね。
結果を求めるあまり行き詰まって悪いところばかりが見えて。


こちらの記事が読むことが出来て本当によかった。勇気が出ました。
昔みたいにまた描けるかはわかりませんが、やりたい気持ちは尽きないのでいけるんじゃないかと思います。
本当にありがとうございました。

さーさー 2011/02/03 19:59 追記

あんまり感動してたら、コメントがすごい長くなってしまいました!すみません!!

nanasehikarunanasehikaru 2011/05/14 17:16 コメントありがとうございます。
すっかりお返事しておらず申し訳ありません。
3月の震災では、ご無事でしたでしょうか?

たぶん、それまで生きていて感じたことや、人生の積み重ねが、絵や物語や音楽に生まれ変わるのだと思っています。
作り手の気持ちは、見ているほうにダイレクトに伝わる。
そういう意味で、今回の地震がこれからの絵画や音楽や文学にどんな影響を及ぼすのか、大変興味深いです。

たなかよしとたなかよしと 2011/11/25 14:54 こんにちは。こちらの記事を読ませて頂きました。私は今現在すごく悩んでいることがあります。家族にも友達にも恋人にも言えないようなほの暗いモヤモヤがあります。そんな日々を送っていてどこかに自分をぶつけたい!この気持ちを自分なりに具現化したい!と思うようになり、技法も色合いも何も分かりませんがとにかくキャンパスに線を色を書きなぐるということを最近し始めました。あとで振り返るとすごく形容しがたいモノになっているのですが見ていてすがすがしく感じます。『褒められたい』という願望のは私自身はあまりなかったと思いますが、キャンパスは気持ちを流し込むバケツのようなものだと思いました。その絵は他人が見たらきっと意味不明だと思いますがどこか一か所でも共感?理解してもらえるといいなと思います。
これから周りの変化もあって心境もガラリと変わるはずなのでその都度自分の心の中を吐き出していきたいなと思いました。

大変興味深い記事をありがとうございました。

nanasehikarunanasehikaru 2012/01/03 20:14 こちらこそありがとうございます。
創作していくことには、色々な意味があるのだと最近感じています。
人とつながったり。自分自身が成長できたり。
田中さんが、どんな絵を描かれるのか、楽しみです。

hhartbeat164hhartbeat164 2012/05/06 19:28 私も絵を描いていました。単なる自己満足でしたね。今、思えば。。。

らったらった 2013/10/22 15:30 初めまして、「なぜ人は絵を描くのか」というテーマで辿り着きました。
とても共感できる記事で、長らくモヤモヤしていた心の整理が出来ました。

昔はお絵かきBBSがコミュニケーションの主な場でしたね。
そこで生まれる規模の小さな繋がりと一体感が好きでした。
絵の閲覧は個人HPが主で、その頃は個性が強く出ていたと思います。


今はPixivなど絵投稿サイトが主な場となっておりますが、
得点制度がとられている為、絵が数値として可視化されました。

それが多くの人に、その絵に対する先入観を与えるだけでなく、
描き手もが、その得点を得る為に似通ったモチーフを描いています。

人気の描き手さんも、その地位を守るためか、
かなりの頻度で絵を描き、中には苦しそうに感じる絵もあります。



私も絵を描きますが、絵を描くに至った自分の感性が、
得点化された人気や流行に流されていないか不安になります。

ランキングに登るような「こんな絵柄が人気」から「模範」となり、
以前までは持っていた感性を偽り、別の色で上書きしている気がします。

そして、好きだったもの(感性)とは何だったのか、
ではそもそも絵とは何なのか・・・自問自答する日々が続いていました。



記事を読ませて頂いて、その考えの答えがありました。
本当にありがとうございました。

らったらった 2013/10/22 15:32 初めまして、「なぜ人は絵を描くのか」というテーマで辿り着きました。
とても共感できる記事で、長らくモヤモヤしていた心の整理が出来ました。

昔はお絵かきBBSがコミュニケーションの主な場でしたね。
そこで生まれる規模の小さな繋がりと一体感が好きでした。
絵の閲覧は個人HPが主で、その頃は個性が強く出ていたと思います。


今はPixivなど絵投稿サイトが主な場となっておりますが、
得点制度がとられている為、絵が数値として可視化されました。

それが多くの人に、その絵に対する先入観を与えるだけでなく、
描き手もが、その得点を得る為に似通ったモチーフを描いています。

人気の描き手さんも、その地位を守るためか、
かなりの頻度で絵を描き、中には苦しそうに感じる絵もあります。



私も絵を描きますが、絵を描くに至った自分の感性が、
得点化された人気や流行に流されていないか不安になります。

ランキングに登るような「こんな絵柄が人気」から「模範」となり、
以前までは持っていた感性を偽り、別の色で上書きしている気がします。

そして、好きだったもの(感性)とは何だったのか、
ではそもそも絵とは何なのか・・・自問自答する日々が続いていました。



記事を読ませて頂いて、その考えの答えがありました。
本当にありがとうございました。

みことみこと 2013/11/10 16:34  やられたぁーっっ。
 これは描くことに悩み苦しんでいる人にずっと語り繋げたい。
 漫画は否定してしまった自分が生きられるから「殺してしまった自分を癒す場所」小説は書けば心の病が癒えるから「苦しんでいる心を和らげる薬」。なら、イラストや絵画は?っと考えていました。
 絵は「眠っている自分を、呼び覚ます衝撃」なんですね。だから自分も描きたくなるっ! 描いて癒やされたりはないけれど、衝撃がないと描けないというのはありますし。
 
 ・・・音楽ってなんだろう。。。心の記憶を閉じ込めたもの?
なんちゃってww  わかんないですぅ

  
 っは! 気付けばいっぱい書いちゃった。
 今すっごく心が晴れた気分です!
 本当に「なぜ絵を描くのか」ということを考えてくれてありがとうございましたーーーー!!

nanasehikarunanasehikaru 2013/11/10 18:55 hhartbeat164さま、らったさま、みことさま
書き込みありがとうございます。私も原稿(小説)でお金をいただくようになったのですが、皆様の書き込みを見て、反省するところも多々ありました。こうやって過去の自分と対話できるのも日記のいいところですね。
絵を描くのは楽しい行為なのに、人気取りのために無理を重ねるというのは辛いだろうなと思います。仕事でイラストを描くなら仕方ないですが、ポイント稼ぎが目的になってしまうと……
漫画、小説、絵画、音楽に対するみこと様の考察とても興味深いです。
最近、私にとって言葉をつづることは、「自分の中の無意識との対話」だと感じているのですが、絵画のほうがよりそれに近いかもしれません。自分の知らない自分を発見する。
音楽、確かに記憶を呼び覚ますなぁと改めて思いました。

瀧川瀧川 2013/12/09 21:01 なんで自分は絵を描きたいんだろう?と疑問に思って、「絵を描きたい 動機」で検索したらここにたどり着きました。
思い通りの絵が描けず悩んでいたのですが、このブログを読んだらもう一度新鮮な気持ちで、喜びを持って絵を描く事を頑張れる気がしました。
ありがとうございます。

ゆきんこゆきんこ 2014/02/20 16:01 こんにちは。こちらの記事を拝見していて、とても温かい気持ちになり、
コメントさせていただいております。

私も、絵や文章を書くのですが、気が付いたら人に認められるために、
売れるために、どうするか。ということを考えるようになり、
結果的に苦しくなってしまっていました。
「うまい」「へた」にばかり執着していて、それ以外に考えなくなってました。
今でも、手が麻痺するように、ペンを握るのが苦しくなることがあります。
「うまいへた」の物差しで、自分を裁いている感覚です。
「なぜ自分は心から楽しめないんだろう!」と、さらに自分を責め…。
悪循環ですよね。
いまでは、「自分にとって、絵って何だろう」と、やっと少し
冷静に考えられるようになりました。
nanaseさんが、「なぜ絵を描くのだろう?」ということを
考えて、ここに書いてくださったことに感謝いたします。
特に、「そもそも物事はそれほど簡単に割り切れるものではないのだが。
こういう論理の危うさは、それがまったくの嘘ではないため、盲目的に信じてしまう人のいることである。」
という言及は、私にとって、目を覚まされる箇所でした。
大勢の人が言っている、絵。
大勢の人が認める、絵。
時代が求める、絵。
たとえそれと違っていても、自分の中の真心が「これだ」と思うものが
屈託なく描けたら、そこに新しい世界が生まれるということですよね‥
そう信じるのが難しいからこそ、信じたい。
そう思ったら、やる気が出てきました。
自分の夢もしっかり思い出しました。

うまくまとまっていないですが…
勝手にお礼を言わせてください。
ありがとうございました。

nanasehikarunanasehikaru 2014/02/26 23:56 瀬川様、ゆきんこ様
七瀬です。こちらこそ、私の駄文にコメントいただきありがとうございます。
私もこうして自分で書いておきながら時々忘れそうになるのですが、何かを伝えるためには技術や表現方法なども大切ですが、やはり創作で一番大事なのはその根っこにある何か、自分の中にある感覚であり感性、世界の捉え方、衝動、生きざまなのだと改めて感じています。
お二人の、お二人にしか描けない絵がこれからも生み出されていくことを、心からお祈りしております。

28歳28歳 2014/04/19 01:26 記事を読ませてもらいました、28歳の発達障害もちです。
自分は物心つくころから誰かに褒められたい、認められたいということに酷く飢えており、自分がやりたいからやるという感情が持てない機能不全状態になっています。
それもこれも、何を頑張って落ちこぼれと烙印を押され、誰からもまともに取り合ってもらったことがないからです。
サッカーにしたって、小学校の頃に12人の小さなクラブで自分が補欠になって酷く疎外感を感じたり、専門学校でゲームプログラマーを目指していても自分だけ完成できず、赤っ恥をかいたり……。
去年あたりも8年間頑張っていたイラストがまったく評価されないことに、嫌気が差して筆を折ったりと……。
でも、これとは別に頑張っていたライトノベル(まあ、自分の妄想をそのまま書き下ろしたようなものですが)をカウンセラーに褒めてもらって、涙が出るほどに嬉しかったです。間違いなくお世辞かもしれないが、それでも偽りでも褒めてくれることが嬉しかった。
ただ、自分でも主さまみたいな感覚を持てるようになりたいのです。自分にだって、普通の人と同じような感覚を。
発達障害ゆえに酷く他人に認められたいという固執がありますが、それでもそれから脱却できるになりたいのです。
どうしたら自分でも出来るようになるのでしょうか?
ぜひアドバイスよろしくお願いします。

nanasehikarunanasehikaru 2014/04/19 22:52 人様にアドバイスできるようなおこがましい立場ではありませんが、私の思うところを書かせていただきます。

褒められたいとか褒められて嬉しいとかいうのは、人間の自然な感情で、何も否定するものではないと思っています。
ただ、褒められること自体が創作の<目的>になってしまうと、苦しかろうというのがこの日記の趣旨でした。
頑張って創作したからといって、いつでも褒められるとは限りませんし、作品には自然と気持ちが出てしまうものです。
「褒められたい」と思って作られた作品からは、「褒めてほしい」という気持ちしか感じられず、見ている人は白けてしまったりする。
むしろ、苦しいならば苦しい、嬉しいならば嬉しいという気持ちを素直に作品にぶつけたほうが、共感を得られるのではないでしょうか。
夏目漱石が草枕に書いていた通り、
「とかくに人の世は住みにくい。……どこへ越しても住みにくいと悟(さと)った時、詩が生れて、画(え)が出来る。」
というのが真実なのかもしれません。

「28歳」様がどんな発達障害をお持ちなのか分かりませんが、一般に障害と呼ばれるものは、必ずしも創作の妨げにはならないと感じています。
絵画であれば、山下清画伯が有名ですし、エム・ナマエさんなどは盲目であるのに素敵な絵を描いていらっしゃいます。
有名な作家さんでも、躁鬱病、統合失調症に悩まされていたり、アスペルガー症候群であったりという例をよく聞きます。
創作する人間にとって、悩み苦しみもコンプレックスも、むしろ宝物であり、かけがえのない財産です。
「28歳」様の経験されてきた苦しみが、創作の中で昇華されていくことを祈っております。
いつの日かその作品が、それを見た人の苦しみも癒せるようになれば、これほど嬉しいことはありません。

リリーリリー 2014/10/22 13:34 はじめまして!人はなぜ「描かずにはいられない人」と「描かなくても平気な人」がいるのかとずっと思っていて、このページにたどり着きました。

わたしも幼い頃からずっと絵や詩をかいていて、毎日仕事していても、最低でも1枚は絵を描かずにいられないのですが、周りの人はまったくそうでもないのでなかなか理解されず苦しんでいました。

わたしにとって絵を描くことは趣味的に楽しんで描くというより、吐き出す、もしくは手が動くままに描くという感じです。

絵を描かなくても息はできますが、どんどん精神的に苦しく、思考も滞りイライラしたりしてしまうほどです。

絵で収入を得たいとか、有名になりたいというのもなく、ただ、人に見てもらいたいというのはあります。

わたしが描く絵は細かい線の集まりのようで、グロテスクなような細胞のような絵です。

それを見て不思議と落ち着くと言ってくださる方もいて、その方は精神疾患をお持ちなんですが、やはり描くこととその絵を見ることは、単なる娯楽ではないのではないかな〜

と思ってましたのでこの記事を読ませていただき、なんだか心強く思いました◎

父は「上手い下手」「有名無名」で絵やその他の価値を決める人間で、ずっとその価値観に抑圧されてきましたが、
アウトサイダーアートに出会って、描かずには、表現せずにはいられない人がたくさんいることに勇気をもらいました。

長くなりましたが、小説や音楽も同様に、精神を癒し、自分と向き合い解放できるから、解放したい大きな何かを持っている人にとっては必要不可欠なものなんだと思います◎

これからも死ぬまで描いていこうと思います◎
このページでまた気持ちが強くなれました。ありがとうございました◎

nanasehikarunanasehikaru 2014/10/27 00:10 リリー様
ありがとうございます。
最近つくづく思うのですが、創作するというのは、おそらく生まれ持った性のようなものですね。
作るなというのは、食うな寝るなと言われているようなもの、これはもう抗いようがない。
きっとそういう風に生まれるべくして生まれてくる人間が、世の中には一定の割合でいるのでしょう。

売れる売れないは天性と努力のみならず、時の運も大きく左右します。
絵の価値を有名無名で判断するのは、愚の骨頂だと思います。生きている内は散々下手だと馬鹿にされ、死後に天才だと認められた画家もたくさんいるのですから……
どんな絵をお描きになるのでしょうか……上手下手は私には分かりませんが、貴方の絵を見て癒される方がいらっしゃるとのこと、それだけでも素晴らしいことです。
ご自身のためにも、貴方の絵が好きな方のためにも、ぜひこれからも絵を描き続けていってください。

KK 2014/12/06 21:38 最近、アドラー心理学をもとに書かれた、「嫌われる勇気」という本を読みました。
そこでは、承認欲求、つまり「他人から認められたい、褒められたい」などといったものは否定されるべきだと書かれていました。(そう解釈しました)

私は絵を描きます。
しかし、口でも文章でも、言葉にするのは苦手です。
他人とのコミュニケーションを得意だと思いません。

そんな中で、描いた絵を日常生活やネットで公開することがあります。
「うまいね」「すごいね」という感想を受け、順調に目的を取り違えるようになりました。

こういった環境から暫く離れた後、初めに書いた本を読み感化され、様々なことを考えました。
私が絵を描くのは、それが好きであるからで、他人から良い評価を得ようとしているわけではないのだ。
ではなぜ、人に見てもらいたいのだろうか?どうして外部に公開したいのだろうか?
疑問を解決すべく、何かヒントを得たくて、この記事に辿り着きました。

そうか、私はコミュニケーションをしたかったのか。
好きなものを好きだと、人に伝えたかったのか。
とても大きなヒントを得たように感じます。
素敵な記事を有難うございました。

KK 2014/12/06 22:12 連続で失礼します。上の者です。
「好き」だったり、何か感じたものを絵にあらわすのが、好きです。だから、その根源に、表現欲が働いているのではないか、というところにとても納得しました。

言葉足らずで申し訳ないです。重ねてありがとうございます。

ひーたんひーたん 2015/09/08 16:56 初めまして、私は絵を職業にしている者です。
昔から絵をなんとなく描いて結構ほめられて生きてそのまま絵を描くことを職業としましたがここにきてかなり行き詰まってしまいました。自分が何のために描いてるのかわからなくなり、かといって立場的にも心情的にも絵を描くのがやめられるわけでもなくかなり苦しいです。同職の知人に「私は描きたいものがないから何も出来ないし描けない」と言われかなり屈辱で打ちのめされました。それでも足掻こうと地図が読めない状態です。そんなときにこのサイトを見つけ何かしらの切欠にはなるのではないかと多少の光が見えた気になりました。まだ暗中模索な状態ですが自問し、何とか乗り越えて生きたいと思います。
長文失礼しました。

nanasehikarunanasehikaru 2015/09/29 22:28 K様、ひーたん様
返信、大変大変遅くなりまして申し訳ありません。
今でもこの記事を読んでくださる方がいることに驚いております。本当に何気なく書いた日記なのですが、言葉にも絵にも、いつのまにか魂が宿ることがあるのでしょうか。
作家の私にとって、自分のつづった言葉が人様のお役に立てたのであればこれに勝る喜びはありません。
お二人が、これからもお二人らしい絵を描き続けていけますように、そしてその絵がまた、誰かの糧になりますように、心から祈っております。

山葡萄山葡萄 2016/01/30 03:41 はじめましてこんにちは。
「人は何故、創りだした作品を他人に見てもらいたいのか」という疑問からこの記事にたどり着きました。

私自身も絵を描く人間であり、ネット上にも公開しているのですが、誰かに見てもらいたいと言うよりは「今の自分が何を感じて何を思ったかその軌跡を残したいから」という理由で描いています。

しかし、その気持ちで描き始めたのはつい最近のことでした。
かつて同じように絵を描いていた時は「絵を描くことが楽しいから」という理由から段々と「人に褒められたい」「認められたい」にすり替わっていき、その結果、一度筆を置くことになりました。

それから、あるきっかけから再び筆を取ろうという気持ちになって公開するに至り、そこで何人かの人と知り合い、話をしたのですが「褒められたい」という意見もあり、結局「絵を見て貰いたい」とは何なのだろうか「何故私は公開したい」と思ったのかと考えて、この記事からやっとその答えを得ることが出来ました。

この先、また「褒められたい」欲求が芽を出し、すり替わりそうになるかもしれません。
その時にはこちらの記事を読み返し、原点に戻ろうと思います。
道を示してくださり、ありがとうございました。
突然の乱文、長文失礼いたしました。

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