1月25日(土)「禁断の惑星」

「禁断の惑星」('56・米)監督:フレッド・マクロ−ド・ウイルコックス 原作:ア−ビング・ブロック/アレン・アドラ− 脚本:シリル・ヒュ−ム 撮影:ジョ−ジ・J・フォルシ− 特殊撮影:ア−ビング・G・リ−ス/ジョシュア・メドウ 出演:ウオルタ−・ピジョン/アン・フランシス/レスリ−・ニ−ルセン
★西暦2200年、惑星アルテア4に到着した一行は、そこで以前の調査隊の生き残りであるモービアス博士に出会う。博士はアルテア4の絶滅した前文明を研究しており、ロボットのロビーと娘のアルティアと暮らしている。そして、この星には正体不明の透明な怪物も潜んでいた。原子砲の集中砲火を浴びて姿を現す怪物。だが、それは前文明の力によって博士の潜在意識が具現化した“イドの怪物”だった…。「2001年宇宙の旅」から遡る事十数年、放射能怪物が暴れ回る当時のSF映画界において、あまりにも斬新なアイディアと高尚なプロットを携えた、早すぎた秀作。だが難解な作品である訳もなく、シネマスコープ画面と優れたSFXに支えられた万人向けの娯楽作である事も間違いない。ロボットのロビーはそのユニークなデザインから人気を獲得、ロビーだけをフィーチャーした姉妹編「宇宙への冒険」も作られた。
<allcinema>

◎今回が初見、評判の高い作品だけに期待が大きかったのだがその期待を上回る映画だった。特に惑星アルテア4に残された前文明の遺構のセットの凄さには圧倒させられた。この時代にこれほどにスケ−ルの大きな科学的想像力をもって作られた映画があったとは、まさに目から鱗の思いである。もっとも、登場人物たちの演技はおしなべて堅苦しいモノで感心できないが、脚本と撮影と美術のスタッフの手柄によって、「2001年宇宙の旅('68)」に先行して今なお褪せない傑作が映画史に残されたのだった。呑気呆亭