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青空学園だより

2010-03-12 朝鮮学校除外問題 このエントリーを含むブックマーク

鳩山政権はやはり高校無償化から朝鮮学校を除外する方向だ.第三者機関を置くとか言っているが人選で決まるのだから形式に過ぎない.私は高校無償化から朝鮮学校を除外するのに反対だ.私は昔高校教員をしていた.何人もの在日朝鮮人の生徒を担任していた.その子らの家庭の歴史を聞くと,誰一人として好きこのんで日本に来た者はいない.一人は祖父が強制連行で日本に連れてこられた.日本による拉致である.一人はこれも祖父の代に土地を日本に奪われ仕方なく日本にわたってきていた.いま日本にいる朝鮮高校の生徒たちはもう在日四世という世代ではないだろうか.彼らの祖父母やそのもう一つ前の世代は,朝鮮半島が日本の植民地になったために仕方なく日本にきているのだ.望郷の思いを抱いて死んでいった祖父母たち.その彼らを高校無償化から除外するというのか.日本は北朝鮮とは戦後処理がすんでいない.この強制連行や植民地支配の歴史はまだ過去のことではない.

橋下知事は金正日の肖像をはずせという.私がはじめて担任した朝鮮人生徒の家を訪問するとその家には金日成の肖像が掲げてあった.30年前のことだ.生徒のお祖父さんは故郷で生活できず日本に来た.望郷の思い強く,しかし故郷に帰ることは現実には不可能だ.そのときせめて自分を失わないために金日成の肖像を掲げていたのだ.それがその家族の拠り所だったのだ.何の政治活動をするわけでもない人だった.そういう祖父母を見て育った朝鮮学校の生徒が金正日の肖像を見る目はわれわれとはまったく違うだろう.日本人の側はそのことを想像することができなければならない.橋下のような若い人が彼らの歴史を踏まえることなくあのようにいうことは人間として恥ずかしいことなのだ.どのような教育をするかは民族学校の自由である.その原則を日本の側はもたなければならない.日本もまた多くの日本人学校を世界の各国に置いている.お互い様ではないか.

鳩山政権はもし本気で東アジア共同体を言うのなら,まず北と戦後処理を話しあうべきなのだ.そのうえで,強制連行と拉致を,同じ二十世紀の残された問題として解決するしかないのである.前にも書いたが,たとえ国家の間で未解決の問題があっても,その下にある人々の基本的人権は守られねばならない.それが拉致に反対し拉致されたものを返せといってきた根拠だ.ところが今回もし拉致問題があるから無償化から除外するとなれば,この根拠が失われる.教育内容がどうのこうのは誰でも分かるように口実に過ぎない.大阪の橋本知事が正直に言ってるように,これは拉致問題が進展しないことへの報復以外の何ものでもない.しかし,もし無償化からの除外を決めれば,北にすれば行方不明者の調査をする必要もないことになる.もう拉致問題は永遠に解決しないだろう.

高校生の皆さん.この日本列島に生きる同じ世代の問題として真剣に考えてもらいたい.

資料いくつか

SFSF 2010/03/14 20:49 南海先生、お久しぶりです。以前にもコメントさせていただいたSFです。
このたび大阪大学に合格ということになりました。一度塾に伺ったのですが先生はいらっしゃらなかったので、ここに一先ず報告させていただきます。

対話か圧力か。いたちごっこのような議論は終焉する兆しすら見えませんね。
「罪を憎んで人を憎まず」とも言いますし、国家間の対立を個人単位にまで落とし込んで良いのかと聞かれると当然否と答えることになります。当然、無償化対象外にすることへの報復として拉致問題の解決を止められる問題性も理解できます。その点では、対象除外とすることは認められないでしょう。
しかし、北は独裁国家の様相を呈しています。核や拉致をカードに日本の譲歩だけを引き出し、あちらは妥協をしない…という無意味な片思いだけで終わってしまうのではないかと思うと反対派の意見にも一理あると思ってしまいます。憎しみは血しか生まないと解ってはいても、実行するのは難しいものです。
この問題の根源にあるのは両国家間の関係と、両国民間の関係との2つに大きなギャップがあるからだと思います。様々な問題に阻まれた両国家に対して、国民の間では細々とながらも交流が行われていたりします。二国間の関係に風穴を開けるためにはそれを活かしていく以外にもう方法がありません。
鳩山政権は無償化に踏み切れば拉致問題方面からの糾弾を受けるでしょうし、無償化の対象外にすれば高らかに掲げていた「友愛」をどこにやったということになります。
板挟みにある中、普天間問題のように先送りで済ませないで、この重大な問題に対して正しい判断を下してもらいたいと願うばかりです。

南海南海 2010/03/14 21:59 塾に来てくれたのですか.お会いしたかったです.ぜひまた機会をみて来てください.あなたのような若い人が現代政治を自分で考えていること自体が,私には嬉しいことです.
次のような中井拉致担当相も意見を読むと
http://www.asahi.com/politics/update/0313/NGY201003130007.html
私のいっていることが逆に正しいと思います.この人の考えというのは公安員会の意見そのものです.これではますます拉致問題の解決は遠のくばかりです.
いずれにせよ,SFさんは阪大でこれから思いきり勉強し,また議論し,新しい日本の可能性をさぐっていってほしいと思います.

SFSF 2010/03/14 23:20 返信ありがとうございます。
わかりました、入学準備がひと段落したらまた伺いたいと思います。
やはり、これからは自分たちが世界を運営していかなければならないという思いがあります。ちっぽけな意見ではありますが、不安定な他人任せの意見よりも自分自身の意見を持っているほうがいいと考えたために、未熟ながらも少しでも政治について考えていこうと思っています。もちろん、未熟ゆえに他者とのコミュニケーションで少しでも意見を磨いていかなければなりません。これからもぜひ南海先生のご意見を拝聴し、自分の糧にしたいと思いますのでよろしくお願いします。

やはり国家の安全保障という一面のみをクローズアップすると、反対が合理的にも見えます。が現実は、あらゆる視点から総合的な判断が必要でしょう。本当に難しいものです。本当に全員が笑うようなプランはあり得ません。誰を犠牲にするのかというのは容易に決められるものではありませんから。

南海先生が語られたように、大学入学はスタートラインに立っただけです。もちろん、志望大学に受かった喜びはあります。しかし、本当に大切なのはこれからの生活なのだと心に刻みつつ、さまざまな本などを読み、自分とも他人とも議論を重ねて、自分を育てていきたいと思います。

ひとつ、ニュースで個人的に気になることがあります。シーシェパードについてです。
日本政府はこのSSに対して厳しい態度で臨み、しかしそれでもなお火種は止むことがありません。かたや「救世主」、かたや「環境テロリスト」などと呼ばれるSSですが、これについて日本がどのように対応すべきか。
個人的な興味になってしまいますが、もしよろしければ南海先生のご意見をお聞かせください。

南海南海 2010/03/15 10:15 シーシェパードは,スポンサーがつきテレビ局とも関係があって,一つのイベントとしてやっているので,まじめに環境問題を考えているとは思えません.資源の保護は必要です.が,もし本当に動物愛護から捕鯨に反対するのなら,その前にスポーツとしての狩猟や牛を殺して見せ物にする闘牛を先にやめさせるべきだと思います.ここには文化の違いが大きくあるように思います.フォアグラなんて動物虐待だという論に対して,フランスは文化の違いだで押し切っています.それからいうと自分たちを棚に上げたシーシェパードは昔の十字軍と同じ体質ではないかと思います.