Hatena::ブログ(Diary)

柚の管理記録

2016-03-03

どちらが主なのか


 今日は、かねてから不味いと評判の「午後の紅茶恋のティーグルト」を買ってきた。
 不味いと言う割に、どう不味いのかが思った以上に書かれていないので、棚落ち(エンジンブローじゃないです、念のため)を待って買ってみようと思っていたところだった。
 購入する前に味自体を想像していたのだが、まず、紅茶+ヨーグルトという組み合わせはさして突拍子のないものではない。
 紅茶にヨーグルトやクリーム、ジャムなどで味や香りにアクセントをつけたり甘味を出したり苦味を抑えたりすることも多い。
 先のような紅茶を飲んだことがなくても、味については、ケーキなどで紅茶とヨーグルトが同時に使われていることも多いので、感覚的に理解できるかもしれない。
 個人的には、幼少期の食事習慣から紅茶はストレートで飲むのが当たり前になってしまていたので、アイスティ以外で何か添加するのには未だにかなり抵抗がある(選択肢があるならストレートティになるべく近いものを選択する)ので、率先して飲む機会はないのだが。
 というわけで、まず開栓して香りをかいでみる。
 えーと・・・ビックル???
 いわゆる、乳酸菌飲料ヤクルトとか)を真似た乳性飲料(既に乳酸菌飲料カテゴリでない。ちなみにビックルのペットボトル版はさらに乳性飲料ですらないが。)の系列で、あとぐんぐんグルトとかヨービックとかそんなヤツの意図的に添加された香気成分の香りである。
 あれ?ヨーグルトはどこ行った?
 と思ったところで、パッケージを眺めても「ティーグルト」「ヨーグルトテイスト」など「ヨーグルト」とは一言も書かれておらず、原材料名にも牛乳、全粉乳とあるため、ヨーグルトが使われているとは考えにくい。
 で、飲んでみると、先の乳性飲料と同じ・・・(その間、コンマ数秒)・・・あ、紅茶の味がする、というようなかなり解離性を強く感じる味覚構造になっている。
 というのも、先の乳性飲料自体濃厚で味が強く長く感じるように調整されている(そもそもヤクルトのようなものを模していることもあるだろう)ため、先味、中味がその他の味に勝ってしまっていると思われ、さらに紅茶の後味に残る苦味が一般的な後味よりも遅く感じられ始めるため、あまり一般的ではない味覚である点と、その特異性以前にその双方の味の甘さと苦さが分離しているため、一般的に苦味を甘さでごまかすような味の調整を行う習慣からするとその反対をいく味付けになっていることに問題があるように思われる。
 ただ、逆に考えると、家庭で乳性飲料に適当に紅茶を混ぜただけでは、紅茶の先味が強く感じられてしまったり、紅茶の苦味とヨーグルト様の酸味料が合わさって、より偽物臭い味になりかねないところを絶妙なラインに仕上げてきていることには頭が下がる。
 しかしながら、その絶妙に調整された味が美味しいかどうかは別問題ではあるが。
 ひと口でダストボックスに投入したとか、どう不味いのかが書かれていないのは、先ほどのように酸味や苦味のある食材を塩分や甘味でごまかすといった無意識に培われた味付けの作法から外れた味の作り方をしていることによる違和感によるものが大きい気がした。
 事実、半分ぐらい飲んで、しばらく何なのこれ?、、、と考え込んだ後、その味の根拠にある程度の道筋をつけてから再度飲んでみると、さほど違和感や気持ち悪さは感じなかった。
 昨今の思いもつかなかったインパクトのある組み合わせというような意味で新しい味を模索する商品は数多いが、今回のようなある程度予想可能な味を再現するのではなく新たに味を作成するといった前衛的、実験的アプローチは面白いと思う。
 ただし、そのアプローチによって生まれる商品が市場に受け入れられる味になるのは3桁とか上市し続ける必要があるかもしれない。
 味覚の生成機序が科学的に解明されていけば、実験室レベルで高度な市場調査をシミュレートできるようになるかもしれないとか夢想したりした。
 あと、午後の紅茶ブランドであるにもかかわらず、味自体はほとんど乳性飲料のされであり、後味の一部が紅茶という実態をどっちが主体なのかを考慮するとブランドとしてどうなの?と考えてしまうようなブランドの発散が生じそうで怖いのだが、もはや不動のブランドなので、午後の紅茶コーラとか午後の紅茶ポテトチップスとか午後の紅茶歯磨き粉とか作ってもさして問題がないレベルということかもしれない。
 さて、味の話はこれぐらいにして、それ以外の点についても触れてみたい。
 この商品は、午後の紅茶ブランドを持つキリンビバレッジポッキーブランドを持つ江崎グリコとのコラボ企画として商品開発されたもので、そのコラボは今回が2回目となる。
 ちなみに前回は1年前で当時はその特異性からマスコミにもかなり取り上げられたように思う。
 今回のパッケージは午後の紅茶側とポッキー側を隣り合わせることで双方の恋愛を想起させ、また双方を交互に摂取することで新たな味を提案するというコンセプトになっているが、昨年のコラボ企画を覚えているならば分かるかも知れないが、全く同じコンセプトであり真新しさはない。
 というよりも、期間限定商品かつ発売期間がかなり離れていることで、その商品双方の相乗効果が見込めないにもかかわらず、姉妹品のような似せ方をしている。
 例えば、双方の毀損すること自体がかなり難しいほどの強者同士のブランドにおいてランチェスター戦略的観点から考えてみると、同じコンセプトから一貫性のある商品をリリースする場合、同時もしくはある程度の連続性をもって市場占有度を高める手法をとる選択肢を想像するのだが、そういったより効果的な商品の販売戦略から考えて、なんとなくちぐはぐなイメージを受ける。
 また、万が一、単なる焼き直しとしてリリースするとしても、少なからず前回の商品の成功と失敗を分析し、それを今回の商品に生かすべきだろうと思われるが、やっているのかもしれないが、それが消費者側に伝わっていないように思う。
 消費者が製造者の裏話なんか知りたいとも思わねーよ、と思うかも知れないが、「あ、よくなってそう」と購買意欲を刺激する程度の心の変化だと捉えてもらっていいと思う。
 例えばデザインコンセプトが同じだとしても、流通の統一化や小売現場でのプロモーションなど手をつけられるところはそれなりにあったように思う。
 今回、なぜ意図して棚落ちを待って買ったかというと、パッケージ商品作ったよ、はいおしまいでは、コラボ企画であるとはいえないと考えていたからで、今回の商品が置いている小売店にコラボ商品のポッキーが置かれているか確認し、店頭レベルでコラボが維持できる何らかの手立てが講じられているか判断したかったからである。
 ちなみに、この小売店では、コラボ商品のポッキー販売していなかった。
 もう既に前回のコラボの内容を忘れているのだが、前回になかったコンセプトとして目を引いたのは、マーカーレスARを用いたプロモーションムービーの配信を行うことで双方を購入するための動機付けに寄与させていることだろうか。
 ただ、いずれにせよ、継続購入を目的とした商品戦略というよりは、双方のブランドをより消費者に意識付ける広報活動の一環として有効に機能させるいわゆる広報戦略のように思えるのだが、どうなのだろう。
 とにかく、当初、やっぱまじーじゃんこれ、で終わらせられるものかと考えていたのに、思った以上に目に付くところが多い商品だった。