今年一年の楽しみを振り返る 2013
積読解消にリソースを集中したいと思ったが満足にはできていない。
映画
東京家族
地方に住む老夫婦が東京に住む子供たちを訪ねるが、邪険に扱われる。一つ一つの場面はいかにもありそうなことなのに、全体を通してみるとファンタジーというか、これでもまだ「昭和世代が妄想する理想の家族像」に思える。そのずれも込みで面白い。
さびしんぼう
1985 年公開の映画だが今年初めて観た。前半のコメディ部分は正直空回りに思えたが、後半、特にヒロキが百合子にプレゼントを渡したときの百合子の台詞は非常に美しい (言われた側からすれば割り切れないものが残るだろうが)。同じ美しさを『風立ちぬ』の菜穂子にも感じた。
鑑定士と顔のない依頼人
老鑑定士が遺産の鑑定を依頼され、姿を見せようとしない依頼人 (若い女性) に惹かれていく。恋に落ち年甲斐もなく慌てふためく姿を嘲笑される主人公だが、我が身を振り返れば決して笑えず悲痛に映る。夢を見てしまったがために周囲から滑稽と思われる主人公という点では『アルバート氏の人生』にも通ずるものがある。
ライトノベル
いずれも発行は今年より前だが、今年読んだのでここに記載する。
君が僕を
- 作者: 中里十,山田あこ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 文庫
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夢見るようなことは起こらなかった。でも、夢にも思わなかったことなら、ほんの少し、起こった。
君が僕を 4 将来なにになりたい?
中 3 の 3 学期に転校してきた「恵まれさん」、お金に触れない生活をしているという彼女のことが、主人公は気になってしょうがない。全 4 巻。
自分でもわけのわからない思い込みに支配され右往左往する主人公の姿に、私自身の中学時代を重ね合わせ懐かしさすら感じる。手探りながら一歩一歩近づき、ようやく繋がったかに思えた糸があっさり断ち切られる様はあまりにも鮮やかで、読んでいてうめかずにはいられない。
最終巻で繰り広げられる禅問答は私の理解の範疇を超え、ちりばめられた鎖のかけらがどう繋がるのかもわからないが、今では思い出に――下手すると「よい思い出」に――なってしまったことが、当時は確かに迷いであり悩みであったのだと痛感させられる。
マンガ
ラストゲーム
- 作者: 天乃忍
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: コミック
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完璧少年・柳の前に現れその座を奪っていったクール美少女・九条、雪辱を誓う柳の思いはいつしか恋心となってゆき……な王道ラブストーリー。2 巻で大学という舞台を生かせていないのではと不安を抱いたが、そこで登場したイケメン・相馬が 3 巻以降空回り気味な大活躍で天乃節炸裂といったところ。『片恋トライアングル』など片思いものを手掛けてきた作者の新境地に元々の強みも加わって目が離せない。
夏目友人帳
- 作者: 緑川ゆき
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: コミック
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15 巻収録の特別篇「塔子と滋」が素晴らしい。遠くに在りて人を想うという緑川ゆきの真骨頂がいかんなく発揮され、これで私はこの作者のとりこになったのだと再認識させられる。8 月に池袋であった原画展はプロットも見られ大満足だった。
7 巻で「このままならなさ、これぞ人生」とうめいた『高杉さん家のおべんとう』、相変わらず先輩がかわいい『ひとりぼっちの地球侵略』に関しては、作者サイン会に行けた。緑川ゆきサイン会にも挑戦しようとしたのだが、こちらは徹夜で待つとのことなのであきらめた。
新規開拓はほとんどしていないが、読んだ中では、時間を飛び越え未解決事件の被害者を救おうとあがく SF サスペンス『僕だけがいない街』に描かれた親子愛が心に残る。
アニメ
ガッチャマン クラウズ
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2014/01/22
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軽いノリでガッチャマンになり、何事にもポジティブ思考を貫くヒロインから目が離せない。とはいえ、いやらしい質問には沈黙を守るあたり聡いと感じる。また、ED 曲「INNOCENT NOTE」の歌詞をヒロインの内面ととらえると面白いという指摘には感心した。
凪のあすから
- 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
- 発売日: 2013/12/20
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海の中にも人が暮らす世界で少年少女が繰り広げる青春群像劇。予想もつかない台詞回しとベタベタのやり取りを巧みに織り交ぜる岡田麿里脚本に 1 話目からのめり込んだ。彼ら彼女らの成長を信じられるから、痛くともつらくとも見ていられる。
凪のあすからと同じく P.A.WORKS が手掛けた青春ファンタジー『RDG レッドデータガール』、京都という見知った舞台の『有頂天家族』も面白く見た。
来年の抱負
積読減少