Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

「被災」という言葉

被災地とか被災者という言葉が曖昧に使われている。
こういう曖昧な言葉が頻繁に使われていることに我慢ならないのが数学科出身者の魂である。ちなみに、僕は数学科出身者という自覚は無い。(無いんかい)


ざっくりというと、被災地といえばおおよそは岩手・宮城・福島の沿岸部で津波の被害を受けた地域を指すのではないだろうか。最近、内陸部であるここ白石市でも「被災地へ支援を!」なんて言葉が使われていて、えっと白石はいつから正式に被災地じゃ無くなったんだ?とかはたと疑問に思うのだが、まあ分からんでもない。今回の地震はそれはとてつもない規模だったし、「揺れで被害が出た」を被災地と定義すると東日本一帯が含まれてしまうから、もう少し定義を狭める必要があるのだろう。


だから津波の被害があった地域に絞るのだが、この「津波の被害」についてもざっくり過ぎないだろうか。もちろん、家屋や職場、農地などの土地が流されてしまった方は間違いなく津波の被害者である。ただ、浸水はしたものの何とか今までの家に住み、職場で働き、農地を耕している人も中にはいる。みんながみんな避難所で生活しているわけではないのだ。
「揺れの被害」についても、少なくとも電気・水道・ガスなどのライフラインが何日間か断絶した地域とそうでない地域は分ける必要があるだろう。


こうなると、おおよそ被害の程度によって5段階に分類できることが分かる。「レベル」という言葉は、福島原発の「レベル7」と混同したく無いので、古風に「段階」でいきましょう。


一段階:揺れた地域
二段階:揺れで被害が出た地域
三段階:揺れでライフラインの断絶が発生した地域
四段階:津波によって浸水した地域
五段階:津波によって壊滅的な被害が出た地域


したがって「被災地」とは、人によって三段階目以上だったり四段階目以上だったり五段階目だったりすることが分かる。これは曖昧だ。もう少し言葉を分けなければ、何時まで経っても白石は被災地のままだ。


なので、以下のような名称に使い分けるのが良いのではないか。
一段階:揺れた地域→震動地
二段階:揺れで被害が出た地域→震害地
三段階:揺れでライフラインの断絶が発生した地域→震災地
四段階:津波によって浸水した地域→水害地
五段階:津波によって壊滅的な被害が出た地域→水災地


但し、このように案を出したものの、「害」とか「災」といった字はなるべく使いたくないなあ、という気持ちがある。なるべく前向きな、そんな言葉にならないだろうか。
一段階:揺れた地域→震動地→後援地
二段階:揺れで被害が出た地域→震害地→支援地
三段階:揺れでライフラインの断絶が発生した地域→震災地→復旧地
四段階:津波によって浸水した地域→水害地→復興地
五段階:津波によって壊滅的な被害が出た地域→水災地→復幸地
(「復幸」は女川の「復幸市」を参考にしました)


いかがでしょうか。

復旧地のみんなも、復興地と復幸地へ支援するべく、頑張っています。支援地、後援地からの援助を求む!


「復幸」って良い言葉だ。1年後あたりに普通にIMEの変換候補に入ったらいいなあ。