本日の読書 保科昌彦『生還者』

生還者

生還者

 評判通り、ものすんごい作品だった。見事にやられましたわ。
 何を云ってもネタばらしになりそうで怖いんですが、「土砂崩れによる自然災害から奇跡的に救出された6人」という設定が、ものすごく効いてますね。突っ込んでお聞きしたくなる箇所が何箇所かあって、「スゴイ!参りました。降参です」とは思うものの、ちょっとなんだか、だってだってなんだもん、って感じが残るといえば、残るんですけどね(汗)。
 ひたひたじわじわ迫ってくる恐怖に、常軌を逸していく主人公の描写が、読んでいるうちに居たたまれなくなるほど、とてもリアル。怖っ!ホラーだと思って読むと「おおおおおお」の驚愕の結果に!騙されずに最後まで読んだと云う人がいたら、「師匠!」と呼んで、勝手に弟子入りしちゃいますよ!(笑)
 で、最後まで読み終えて表紙を見ると…そういうことなのかと腑に落ちるんですよね。怖っ!怖っ!怖っ!怖っ!