2010-02-06 陽悦の代表質問…少子高齢化
○ 鈴木陽悦
少子高齢化対策について伺います。我が国の少子高齢化は、先進国の中でも極めて急速に進んでおり、私の郷土秋田県の場合、全国でもトップクラスの高齢化率であるのは、冒頭で紹介したとおりです。
例えば、65歳以上の高齢者だけの世帯数は、去年7月現在で全世帯数の2割強に当たる約8万9千世帯あり、そのうち独り暮らしの世帯数は約4万7千世帯という実態であります。
予算案で高齢者対策として目立つのは、食事サービスや介護関連の施設について、高齢者向けの賃貸住宅の整備を支援する制度を創設した程度で、ほかは厚生労働省の予算の中に組み込まれております。
対照的に、将来の担い手となる子供向けの施策は充実しました。とりわけ選挙公約の最大の目玉とされた子ども手当の創設は、中学卒業までの子供一人当たり月額2万6千円を一律に支給するものです。
予算編成の過程では、支給に際し、所得制限を付けるかどうかで議論になりましたが、当初の方針どおりに家計を支援する意味を込めて、制限なしに落ち着きました。私は、この結果を高く評価いたします。
そこで、鳩山総理に伺います。少子高齢化対策では、今後どのような方面に力を入れていくのでしょうか。また、今後の取組についても見解を伺います。
一方、高校の授業料無償化については、私立高校の生徒の倍額支給基準が引き下げられたのを除けば、ほぼ公約どおりに実現しました。
社会全体で教育を支えるとの理念に基づく教育投資は、次代を担う人材の育成につながり、今後とも充実させていくべきだと考えます。今後の教育支援の在り方についての考えを併せて伺います。
さて、予算案から浮かび上がるのは、我が国の財政が極めて厳しい局面に立たされているということであります。
そのことは、新規の国債発行額が61年ぶりに税収を上回る事態に陥ったこと、国と地方の長期債務残高が900兆円に迫り、国内総生産の2倍近くになろうとしているといった数字が雄弁に物語っております。
まさに日本は世界で例を見ない借金大国になっており、将来を担う孫子に赤字のツケ回しをしようとしているわけで危機的な状況と言えます。
マスコミでは、こうした我が国の財政状態を個人の家計に例えて、月給(税収)は48万円しかないのに、生活費(一般歳出)は68万円に膨らんだ。ローンの返済(国債費)が26万円と重くのしかかり、実家への仕送り(地方交付税など)、これも22万円も掛かるし、へそくり(特別会計などからの収入)を12万円取り崩した。それでも足りず、新たな借金(新規国債)を月給以上の56万円つくってしまった。
このため、積年の借金は年収576万円の17年分に当たる9千8百万円に膨らんだと表現しております。
鳩山総理、借金漬けの状態をいかにして脱却するのか、処方せんをお持ちなのかどうか、御見解をお述べください。
最後に、今、鳩山内閣は三つのK、すなわち経済、基地、金の問題に直面しておりまして、うまく打開できなければ政権の危機になる、との見方を各マスコミがしております。
具体的には、鳩山総理と小沢幹事長の政治と金をめぐる問題を始め、沖縄普天間基地移設問題、デフレ不況の克服と景気回復のための経済政策であります。
私たち民主党は、内閣と党が一丸となってこれらに取り組むべきであることは言うまでもありません。
国民の皆さんの熱い期待に支えられて、せっかく成し遂げた政権交代を失敗させるわけにはいかないからであり、政権交代をしてよかったと国民に実感してもらう責務があるからです。
確かに前途は多難ですが、日本丸のかじ取りの重責を果たしていく決意のほどを、最後に鳩山総理に伺います。私は、かつて政治家を目指したとき、農家のお年寄りから次のような話をされました。
「昔はみんな田んぼに裸足で入ったもんだ、そうすれば素足を通じて田んぼが、そろそろ水を張ってもいいよ、そろそろ苗を植えてもいいよと教えてくれる、長靴を履いていたんじゃ、そんな肌感覚が分からない、土との対話は肌なんだ」と教えてくれました。
これこそが、鳩山政権の目指す、肌感覚の分かる国民のための政治ではありませんか。疲弊した地方という毛細血管にまで、血液を循環させる政権でなくてはなりません。
改革には様々なハードルが待ち構えていますが、国民の皆さんとの肌感覚を共有しながら前進してまいりましょう。私も、微力でございますが、地に足をしっかりと付けて共に前進してまいります決意を述べて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○ 鳩山由紀夫
少子化対策と高齢化対策についてでございますが、これまで従来の政権は、ややもすると、やはり高齢化に対しては十分な手当てがあるけれども、少子化対策というものが、かなり不十分であったということでございました。
そのことからかんがみて、我々は、やはり子育てというものを、社会で支援をするための少子化対策というものに、大きな力を与えることが大事だと考えておりまして、子ども手当あるいは高校の無償化というものを実現してまいりたいと考えております。
言うまでもありませんが、高齢化の社会対策に対しては、その重要性を十分に認識いたしております。
お年寄りの皆さん方が、不安を感じているような医療と、あるいはボロボロにされてしまった、年金記録問題を解消していく抜本的な改革とか、あるいは介護の問題などの充実強化に取り組んでいくことが重要であることは、これは論をまたないところでございます。
それから、今後の教育支援についてでございますが、平成22年度におきましては、高校の実質無償化というものを始め、かなり施策の充実を図ってまいりました。
文教科学費は、5.2%増えたところでございまして、新しい未来を切り開くという意味において基本となるのは、まさに人を育てる教育である、という認識から、今後とも社会全体として教育に大きな資源を振り向けてまいりたいと思っております。
日本全体の借金についてのお尋ねがございました。先ほど一般の御家庭の例でのお話もされましたが、まさに御指摘のとおり、我が国の財政状況は先進国の中で最悪の水準であることは、残念ながらこれは事実だと思っております。
こういう中で、財政規律を守っていくには、ぎりぎりのところで国債市場の信認を保たなければならないと思っておりまして、本年の前半には、複数年度を視野に入れた、いわゆる中期財政フレームを策定し、中長期的な財政規律の在り方を含む、財政運営戦略というものを策定してまいりたいと思っております。
新政権は大変な多額な国債残高、債務というものを引き継いでスタートをしたわけでございますけれども、財政健全化に向けて大きな道筋を示してまいりたいと思います。
ただ、これはやはり長期的な視野に立ってみれば、これはいわゆる中央集権的な国の在り方から、もう抜本的に地域主権の国家にする、国というものをできるだけ小さくして、地域で自主的にある意味での財源も見出していけるような、地域主権国家にしていくことによって、最終的な財政の健全化の道筋を付けることができる、私はそのように確信をしているところでございます。
最後に、国民との肌感覚を共有しながら改革に取り組む決意について述べよ、という話でございました。
鈴木議員がお話しされましたように、裸足で田んぼに入って大地を踏み締めていかないと、土や水のぬくもりというものを感じることができない、息遣いというものも、そこで初めて分かるんだという御指摘は、まさにそのとおりだと思っております。
新しい政権の最大の原動力は、まさに国民の皆さんのお力によって政権交代が出来たわけでありますので、国民の皆さんのお声というものを、とことん大事にする政権というものを、いかにつくり上げていくかということだと思っております。
したがいまして、できる限り現場に、国民の皆様方のところに足を運んでいきながら、生活の場あるいは生産の場の皆様方の御意見というものを、徹底的に伺ってまいりたいと、耳を傾けてまいりたいと思っております。
マニフェストあるいは三党合意は、まさに生活の現場の真摯な声を受け止めて作り上げたものだと、そのようにも考えておりまして、その意味において、まずは22年度の予算案の成立と、着実な執行が大事でありまして、そのことによって日本丸のかじ取りの重責を果たしていきたい、そのように考えているところでございます。
国民の皆様方の御期待に、山積する課題に、正面から挑戦をしながら解決をしてまいりたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。(拍手)
2010-02-05 陽悦の代表質問…赤松発言
○ 鈴木陽悦
さて、地方においては道路網の整備が生活路線の充実を図る上でも不可欠だと思います。識者の中には、費用対効果の高い施策の一つとして、昨日、全国37路線、50の社会実験路線を発表しましたが、高速道路の無料化を挙げる方がいます。
流通面などで巨大な経済効果が見込めるとの理由からであります。例えば秋田県の場合、高速道路は34キロが未整備となっており、それが点在しているため道路網、いわゆるネットワークとはなっておらず、流通面での効果は疑問です。
今回の予算案では、道路予算は25.1%減少し1兆2千464億円にとどまり、原則として国直轄・補助事業とも新規建設が取りやめられました。
国土交通省が高速道路予算として6千億円を要求しましたが、財務省は費用が過大過ぎるとしてばっさりと、1千億円に大幅減額しました。地方自治体の立場からすれば誠に残念でありますが、大局的に考え抜かれた上での措置であろうと思います。
前原国土交通大臣、高速道路政策の今後をどう考えていらっしゃるのか、地方の期待と財源手当てをどのように折り合いを付けていかれるのか、見解を伺います。
鈴木議員の高速道路政策について、お答えをいたします。
まずは、地域間交流の活性化に向けて、高速道路の原則無料化を段階的に進めていくことにしておりまして、まず平成22年度の6月から、1千億円の予算の中で約1,600キロの無料化を実施して、その地域経済への効果等を検証をすることとしております。
また、いわゆるミッシングリンクの解消など、高速道路の早期整備について、地方より大きな要望をいただいているところでございますが、今後の高速道路の整備の在り方につきましては、これまでの経緯、あるいは国民各位の全般的な御意見をしっかり伺いながら、必要な事業をできるだけ効率的に行っていくよう、平成23年度予算の概算要求まで、抜本的な在り方の見直しをしていきたいと考えております。(拍手)
○ 鈴木陽悦
さて、マニフェストの中でパーフェクトに実現したのが農家への戸別所得補償制度の導入でした。私が米どころの秋田の出身だから強調するわけではありませんが、農業はいつの時代でも国政の基本に位置付けられるべきだと考えます。
しかし、これまでは猫の目農政とやゆされ、農家に犠牲を強いる政策が押し付けられてきました。
民主党がマニフェストで農政の一大転換策として打ち出した農家への戸別所得補償制度は、農家の皆さんを直接支援しようというもので、大きな期待が寄せられています。
予算案の中では満額回答され、農林水産省の要求どおり5千618億円が計上されました。
平成22年度は、米を対象に全国一律で戸別所得補償が実施されることになりました。これは、国が定める生産数量目標に従う販売農家に対し、10アール当たり1万5千円を生産コストと販売価格の差額に当たる定額部分として支払うものです。
さらに、豊作などで米価が大きく下落した場合、定額部分に変動部分を上乗せして赤字を補償することにしています。
ところで、我が秋田県では、生産数量目標の市町村配分をめぐり、国と県の間で行き違いが起こりました。
生産調整、いわゆる減反が未達成の3つの市と村、大潟村、能代市、潟上市、ここに県が独自にペナルティー、いわゆる配分格差を科して、3分の1だけ解消する方針を決めたのに対しまして、国が待ったを掛けて既定方針どおりに全量解消にし、その分を他の市町村に割り振ったからであります。
秋田県は、秋田を戸別所得補償の対象外にして、交付金を下ろさないと国から示唆されたことを踏まえて、渋々折れたというのが実情であります。
そこで、赤松農林水産大臣にお尋ねします。
戸別所得補償制度を今後も安定的に定着させることを願う立場から、是非確認をしておきたいのですが、地方の減反の実情をどのようにお考えになったのか。
地方の現場では、配分の数量を決めるのは自治業務なのに、国が介入したのはおかしいとの批判とか、これまで減反に協力してきた農家と非協力の農家を同一に扱っての、配分格差の一気の解消は納得できないといった不満の声が上がったのをどう見ているでしょうか、率直な見解を伺います。
同時に、土地改良費の削減について伺います。この事業は、自給率アップのための農地活用の基盤となる業務であり、担い手育成や、耕作放棄地の防止に不可欠の事業です。
今回の削減は、農業経営計画に変更を余儀なくさせ、農業県にとって痛手と言えるものであります。当然、非効率な事業は見直した上で、激変緩和の措置をとるお考えはないのか、今後の対応を伺います。
さらに、自給率向上のため、今後どのような方策を考えているのかも併せてお聞かせください。
○国務大臣(赤松広隆君)
鈴木陽悦議員の御質問に、お答えを申し上げたいと思います。まず、戸別所得補償制度について、大変な御評価をいただきました。
これは、実は、半年、1年前にこの制度を大変厳しく批判をしておりました全中を始め、農業関係団体からも、すばらしい制度だということで今、ご評価をいただいていますし、自民党の政策責任者の方からも、まあ詳細なところではいろいろあるにしても、しかし基本的にはこの制度はいいということの評価もいただいております。
是非、私どもは、こういう評価の中で、この制度を鳩山内閣のまさに中心の政策として、今年はモデル事業ではありますけれども、是非成功させたい、そのためには納得の上で、皆さん方がこの制度に参加をしていただきたい、というのがまず大原則であります。
肝心なことは、この事業は国の事業でやるということですから、国が定めたそれぞれの基準に沿って、それを条件として参加をしていただかなければならず、各県が勝手に条件やその入るための要件を設定してやるということには、なっていないということを是非ご理解をいただきたいと思います。
それから、旧来の農政と一体どこが違うのか、自民党の農政とどこが違うのか、とよく聞かれます。
私は、一言で言えば、今までの農政が作らせない農政であったとしたら、今回の農政は作る農政、そういう農政の基本的な違いがあるんだということを申し上げております。
1つは、これまでのような生産調整について、強制力はありません。この制度に参加したくなければ入らなくたっていいんです。入りたい人だけがどうぞ納得の上で、自主的に入ってくださいというのがこの制度であります。
ですから、今、鈴木先生の地元の秋田の問題も出ましたけれども、秋田の皆さん方には、この制度の大原則は、ペナルティーは科さない、過去何をやってきた、過去協力してきた、してこない、そういうことは横に置いて、とにかくやりたい人が、農業に意欲を持つ人はすべてこれに参加をしてください、ただ条件は一つありますよ。必ず決めた生産数量目標だけは、これは新たに入ってくる人たちも含めて必ずきちっと守ってくださいということが条件になっているわけでございます。
有名なあの八郎潟の、まさに国家事業として進めた八郎潟干拓、その中での大潟村のこの問題、この大潟村については、御存じのとおり、40年間自民党の農政に反対して、裁判やって、逮捕までされて、そして一貫して減反に反対をしてきた人たちがいます。どちらがいいとか悪いとかではなくて、そういう歴史的な経過があります。
しかし、こういう人たちも含めて、今度の制度、この制度に是非参加させてほしい、生産数量、昔でいう減反調整にも従うので、是非これに参加をさせてほしいということで、結果的には、約300世帯ありますが、全員がこの制度に参加をするということを決めていただきました。
その結果、今まで減反に従わないわけですから、作り放題作っていたこの数量が、あの大潟村だけで約20万俵、もう減るんです。だから、需給が締まるんです。
その結果、今まで減反政策に協力していただいた方も、あるいは協力してこなかった方も、共に納得の上で、これからの将来に夢と希望を持って頑張れる、そういう制度になったということを是非御理解をいただいていきたいと思います。
それから、1つだけ誤解があるといけませんので言っておきますが、地方協議会がいろいろ分担、その振り分けをするのに、国が口を出したろう、農水大臣が余分なこと言ったろうということがあろうと思いますが、私は易しく申し上げたのは、自分たちだけは65%作りますよと、新規に来た君たちは38%しか作っちゃいけません、それはないでしょうと、それはこの制度の趣旨に、大原則に反しますよということです。
ですから、しっかりと納得の上で、両方が納得する数量を決めてくださいということを申し上げて、結果的にはそういう中身になって、みんな納得して、そしてやろうと、参加しようということに合意をしたということを御承知おきをいただきたいと思います。
2つ目の、土地改良予算の削減について申し上げます。
これはコンクリートから人への理念に立って、農業関係予算をむしろ農業を直接支援をする事業としてやっていこう、直接農業者に対して重点的に配分をしていこうということで決めたものでございます。
こうした農業関係予算の大転換の中で、いわゆる土地改良事業については予算額の厳しい縮減を図りまして、対前年度比で36.9%ということに大幅にカットをいたしました。額にして2,129億円でございます。
この限られた予算の中では、最低限しなければならない、食料の安定供給に不可欠な農業水利施設の更新、あるいは農地の排水対策に重点化をして使っていきたい、執行していきたい、あるいは事業効果が即効性があると見込まれる箇所に、予算を重点的に配分をしていきたい、このように思っております。
今、新しく農水大臣になって感じますことは、ダムを造ったけれども水がたまらないダムだとか、あるいは水をためても、あっという間に漏れていくダム、そういういわゆる無駄な公共事業や、あるいは問題の多い公共事業がいかに今日まで多かったかということを、残念ですけれども、見る機会が多うございます。
その結果、この度、農水省といたしましては、新規に農業ダムにつきましては今後造らないということも決めさせていただきました。
他方、しかし、そうはいっても、それぞれ全国の地域には、公共事業イコール悪ではありません。本当に必要な公共事業もあるんです。
しかし、じゃ、それは今この削減された予算で、あとどうするのかということになるわけですから、それについては今期新たに、今年初めてでございますけれども、農山漁村地域振興交付金という1,500億円、これを公共事業のためにということで農業土木用に確保をいたしました。
ですから、各地方が必要なものがあればどんどん申請していただいて、この1,500億円を活用をいただきたいと思います。
それからもう1つは、これは原口総務大臣の所管になりますけれども、地方が使いやすいお金ということで、地域活性化・きめ細かな臨時交付金5千億円ということで、これらについてもこうした事業の執行に使っていただこうということで、これも用意をさせていただいておりますので、今カットした分につきましては、これらの二つの交付金制度を使っていただければ本当に必要なものについては十分対応できるということをお話を申し上げておきたいと思います。
最後に、自給率の向上については、これは前政権では45%の自給率でありましたけれども、私どもは今度これを50%ということで設定をさせていただきます。具体的な方策につきましては、3月に決めます食料・農業・農村基本計画の中で明らかにしたいと思っておりますので、今日のところは詳細に触れることはやめたいと思っています。
なお、この食料自給率向上のためには、6次産業化の事業、生産、加工、流通、販売、これとの非常な大きな連関があるということだけ申し上げて、私からの答弁といたします。(拍手)
※地域資源を活用した農林水産業の総合産業化として、地域で生産(1次産業)された農林水産物等を素材に、商品加工(2次産業)し、より付加価値をつけて流通・販売(3次産業)することを6次産業化(1次×2次×3次=6次)といいます。
2010-02-04 陽悦の代表質問…地域活性化
○ 鈴木陽悦
次に、地域活性化についてお尋ねいたします。
我が国の景気は、このところ全体として持ち直しの動きがあると言われますが、地方は依然として厳しい状況にあります。
地方の疲弊は今に始まったことではなく、長らく構造的な問題とされてきました。大都市への人口集中が進む一方で、地方の中心市街地はシャッター通りと化すなど、深刻な状況に陥っております。
これまで地域活性化に向けた様々な施策が行われてきました。私も経済産業委員会の一員として、例えば中小企業地域資源活用促進法、農商工連携促進法、地域商店街活性化法など、新しい事業の創出や商店街の活性化に向けた取り組みを進めてきました。
しかしながら、せっかくの施策も地方の隅々まで周知されておらず、一定の効果はあるものの、残念ながら地域経済が活性化するという状態には至っておりません。
私は、今こそ地方に元気を取り戻す地域経済の起爆剤となるような新しい産業を育成する必要があると考えます。
昨年12月、鳩山内閣は新成長戦略、輝きのある日本へを閣議決定しました。我が国の明るい未来を予感させる新たな成長戦略を短期間のうちにまとめ上げたわけでありまして、大いに評価するものであります。
新成長戦略では、6つの戦略分野についての基本方針が示されています。その中でも私は、 「観光・地域資源」、「環境・エネルギー」、「医療・介護・健康」 の3つの分野に注目しています。
これらの分野は地方にとって身近なテーマでありまして、かつ比較的取り組みやすいものであるため、これら戦略分野の産業を重点的に育成することにより地域経済の活性化につながるものと確信しております。
例えば、観光産業の育成を新成長戦略では、アジアを中心に訪日外国人を2020年初めまでに2千5百万人、将来的には3千万人まで伸ばすという目標を掲げていますが、観光立国を推進するに当たっては観光資源の連携が必要だと考えます。
地方には、自然、文化遺産など四季折々、多様で豊かな観光資源が存在しています。1つ1つの観光資源を整備し、観光客を増加させ、地方における需要を喚起する取り組みのみならず、各地域の観光資源を有機的に連携させることにより、更に大きな観光資源として発展させることができると考えられます。
そして、特産物など豊かな地域資源も満ちあふれ、発展の可能性を秘めていますが、まだまだ十分に活用されていないのが現状です。
こうした地方の強みである地域資源を生かして、地方が自らの知恵と工夫で立ち上がり、自立できるような仕組みを構築する必要があります。地産地消という活動がありますが、私は、農林水産物を始め多様な地域資源、観光資源を地域が生かす、生まれると書く、もう1つの地産地生活動に結び付けていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
地域の伝統的食文化を維持、継承し、地域への愛着につなげ、地域経済の活性化を図ることも重要です。
そこで、鳩山総理に伺います。今後、地方の活力を向上させ、地方から日本を元気にするために、新成長戦略の基本方針に沿って、新政権ならではの抜本的な地域活性化策をどのように具体化していくのでしょうか、伺います。
そして、直嶋経済産業大臣には、成長戦略を通じ、どのように地域経済の活性化に向けて取り組んでいかれるおつもりか、具体的な方策や将来のビジョンについて伺います。
地域活性化についてのお尋ねでございますが、まさに鈴木議員がお話をされましたように、地域の資源を地域で生かす、地産地消というと地域のものを地域で消費するという話でありますが、地域でむしろ生かすという意味での地産地生という活動、発想に対して共感を覚えるものでございます。
いわゆる消費だけではなくて様々、例えばお話にありましたように、多様な地域資源あるいは観光資源というものを、地域で生かすという取り組みを政府としても支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
さらには、戸別所得補償制度あるいは6次産業化といったものも併せて進めていくことによって、地域の活性化に十分に資する施策を行うことができると考えております。
地域の活性化についての重ねての御質問でございましたが、これまでの国の地域振興策ということから考えると、選択と集中という視点がやはり欠けていたと申し上げなければなりません。
日本中に同じような「何とか銀座」というようなものを造るような箱物偏重で、地域の個性を伸ばし自立を促してこなかった、ということを反省をしなければならないと思っておりまして、地方の中心市街地がシャッター通りになってしまっておりますことを考えれば、地域の経済が大変厳しい状況にある、地盤沈下が起きているということは否めない事実だと思っております。
したがいまして、こういうものを解消していくために、まず一つは、これはNPOなどの新しい公共との連携の下で、特区制度などをうまく活用して、地方の創造力あるいは文化力といったもの、観光なども先ほどお話がありましたが、こういった芽を育てることなどを通じて、地域の資源を十分に活用した地域活性化というものを行うことが必要だと思っております。
また、どのようにということでございましたので、本年6月を目途に新成長戦略というものを取りまとめることで、地域活性化のための施策に関して抜本的な改善を図ってまいります。
○国務大臣(直嶋正行君)
地域経済の活性化は、我が国が持続的な経済成長を図っていく上で、不可欠であるというふうに思っています。
それぞれの地域が持つ強みや特徴を生かして、そして国、地方自治体と産業界が力を合わせて、総力を挙げて地域経済の自立再生、活性化に取り組んでいきたいと思っております。
具体的には、地方経済産業局もフルに活用させていただいて、地域の産業集積や地域資源といった、地域の強みを生かした今後の地域を支える成長産業群の創出を支援してまいりたいと思っています。
例えば、秋田県の例で申し上げますと、秋田の地域力を生かした、非鉄金属リサイクル基盤の更なる高度化や関連中小企業の競争力の強化に向けて支援をしてまいりたいと思っております。
また、農商工連携として、アジア等海外市場における販路開拓、植物工場など、先端技術の活用による農業の生産性向上などを推進してまいりたいと思っております。
今後、国と地域の連携を更に強化をして、地域経済の自立的発展のための環境整備に取り組んでいきたいと思っております。
○ 鈴木陽悦
地域経済を支える中小企業から、急場をしのぐための金融対策も有り難いが、仕事がないのがきついといった声をよく耳にします。こうした中小企業の声に政府としてどのようにこたえていくのか、地域で厳しい状況にあえぐ方々の心に響くメッセージをお願いいたします。
夢と希望と安心、これを実感できる社会を構築する、特に地方において実感できるよう、新成長戦略に沿った取組を着実に推進していただきたいと思います。私も全力で取り組んでまいることを、この場をお借りして決意表明させていただきます。
○国務大臣(直嶋正行君)
中小企業の仕事づくりについての質問でございますが、御指摘のように、中小企業への資金繰り対策だけではなく、仕事が行き届くための施策を進めることが重要だと思っております。
まず、そのために、第1に経済全体をまず立て直すことでありまして、その結果として中小企業にも仕事が波及するような施策が必要であります。
先般の緊急経済対策では、例えば家電のエコポイント制度やエコカー補助金の延長、さらに、新たに住宅版エコポイント制度の創設を行いました。
また、中小企業に対する公的金融機関等の貸付金利の引下げも図ることといたしております。
2点目は、自ら需要を開拓する意欲のある中小企業を後押しするためのものでありまして、中小企業の研究開発や農商工連携の促進などの支援を行うこととしております。
これらの施策は、全国の中小企業の皆さんに御利用いただいて初めて効果が生まれるものであります。
中小企業の皆さんが抱える悩みを少しでも解消し、支援策を有効に活用していただくため、資金繰り、経営支援、雇用調整助成金など、中小企業のあらゆる相談に一ヶ所でお答えするワンストップサービスデーを、昨年末に引き続き全都道府県において本年度末にも開催をしたいと思っております。
年末のワンストップサービスデーにおいて、資金繰りのみではなく、例えば知的財産に関する問い合わせも大変たくさんございました。
こういった経験も生かして、中小企業の立場に立った支援に全力を尽くしてまいりたいと思っております。今後ともの御協力をお願い申し上げます。(拍手)
2010-02-03 鈴木陽悦代表質問…地域主権
今日2月3日、参院本会議場において、秋田県選出の参議院議員としては、約20年ぶりの代表質問がありました。さくさべと鈴木陽悦議員は、歴史研究を通じて、20年来の知己であり、選挙応援にも来ていただきました。
○江田議長 鈴木陽悦君。 〔鈴木陽悦君登壇、拍手〕
私は、秋田県を選挙区にして、今から6年前に初めて本院に議席を得ることができました。
秋田県は、国民の皆さん御存じのように、「あきたこまち」で知られる米どころでありますが、人口減少と高齢化が進み、高齢化率は今では30%近くにも上り、過疎化が進んでいるのが現状であります。
それだけに、私は当選以来、秋田の声の集配人を自称して、地方の切実な声を国政に届け、地域の活性化を生涯の課題に据え、政治活動に取り組んできております。
さて、日本の民主主義の歴史の中でも、画期的だと言える政権交代が、去年夏の選挙によって実現いたしました。鳩山内閣が誕生してから、わずか4ヶ月半の短期間で編成されたのが、ただいま議題となりました予算案であります。
鳩山内閣が高々と掲げられた「コンクリートから人へ」この政治目標に沿って、予算案の中身は、政権交代があってこそ初めて可能になった、と言える内容であふれております。
例えば、自民党政権では逆立ちをしてもできなかった、官僚やいわゆる族議員に全く依存せずに予算を組んだ点であります。
そのことは、公共事業費を前年比18.3%、約1兆3千億円削減して5兆7千7百億円とし、逆に社会保障費を9.8%増の27兆2千6百億円とした予算配分に象徴されております。
民主党が初めて組んだ予算案の特色は、自民党時代のような法人や企業を通じた間接支援ではなく、家計に直接支援するやり方に転換させたことに尽きると思います。
そこで、改めて鳩山総理に、今回の予算案の出来栄えを総括的に評価していただくとともに、どこがポイントなのか具体的にお示しをいただきたいと思います。
私は、地域の活性化を実現していくためには、政府が常に自治体の意向を勘案し、真摯に対応することが不可欠だと考えます。
その意味で、民主党政権の地域主権を大事にしていこうとする姿勢、1丁目1番地の位置付けを、心強く感じております。
今回の予算案では、地方自治体の自主財源となる地方交付税が、1兆1千億円増加し、16兆9千億円計上されました。11年ぶりの増加であり、特に地方財政計画の目玉として約1兆円を地域活性化・雇用等臨時特例費に充てて、地方の単独事業の財源としました。
これは鳩山政権の地域主権に懸ける意欲を表したものであり、高く評価いたします。秋田県のように財政難の市町村を多く抱える地方自治体は、有効な財源として、これを活用することを期待しています。
そこで、鳩山総理と原口総務大臣にそれぞれ、今後、地域主権の実現に向けてどのような取り組みを行うか、そのための財源の手当てをどうする考えなのか伺います。
鈴木陽悦議員から、秋田の声の集配人というお立場から、お人柄のにじみ出る御質問をいただきました。一つ一つお答えを申し上げたいと思います。
まず、22年度予算に関する御質問でございますが、確かに私どもには族議員というものがおりませんので、予算の全面的な組替えが、政治主導で行うことができと思っております。
1つは、公共事業費を18.3%減とする一方で、社会保障関係費は9.8%増、また文教科学振興費は5.2%増と、大変これは今までの政権では決してあり得なかったような、めり張りの付いた予算ができたと、そのように考えております。
また一方では、税収が大変に落ち込んでいるという厳しい財政事情の中で、子ども手当などのマニフェストにかかわる政策に関しては、必要な財源3兆円は国債発行によらないで、事業仕分など歳出の削減などを行って確保したことでございまして、このような大変大胆な見直し、めり張りの付いた予算ができたということは、国民の皆さんのおかげで政権交代ができたそのおかげだと、改めて感謝を申し上げたいと思います。
地域主権についての御質問でございますが、その実現はこの内閣の1丁目1番地だと、重ねて申し上げたいと思っております。
すなわち、いわゆる補完性の原理に基づいて、地域のことは地域の皆さんでお決めになることができる、そういう国と地域の在り方に大きく変えていきたいと、そのように思っておりまして、まずはその第一歩として、地域において不必要な義務付けあるいは枠付け、こういったものを一切廃止をする、やめるということ、さらには権限を地方に移転をさせ、ひも付きの補助金の一括交付金化などを行って財源を手当てをしてまいりたいと、地域主権に向けて工程表というものも用意させていただいて着実に地域主権を進めてまいりたいと考えております。
地域主権の実現に向けた取り組み及びその財源手当てについてお尋ねがございました。
今日なし得ることに全力を注げ、まさに鈴木議員のこの座右の銘どおり、私たちは、鳩山総理の強力なリーダーシップの下で、今できることはすぐにやろうと地域主権を進めています。
例えば、義務付け、枠付けの撤廃、これは前原大臣や多くの大臣とも協議をして、例えば公営住宅の基準、これはもう地域で自ら決めるようにできました。 国、地方協議の場、これは法制化していきますが、もう実質走っています。また、直轄事業負担金の撤廃、そして国の出先機関の原則廃止、こういったものをスピード感を持ってやっていきたいというふうに思っています。
また、その中で地域主権を支える財源についてでございますが、まさに鈴木議員がお話しになりましたように、一括交付金化に向けた作業、これ、前に進めています。また、来年度の予算案の中では、11年ぶりと言われる1兆1千億の地方交付税の増額、これをやらせていただきました。
そして同時に、大事なことは、まさに鈴木議員がお話しになりましたように、秋田は本当に豊かなところであります。その地域にある資源、地域自らが自らの富を生み出す地域の創富力というふうに言っておりますが、私は緑の分権改革によってこの地域の創富力を高めてまいりたい。同時に、ブロードバンドを日本全国に引いて、そしてICTの情報通信技術による協働教育によって国民の生産性をはるかに上げていきたい、こういうことを考えております。
今後とも、地方が自由に使える財源の充実強化に取り組んでまいりますので、御指導をよろしくお願いいたします。以上、お答えいたします。(拍手)
2010-02-02 本日、臨時市議会がありました
臨時市議会の焦点は、民主党政府が2009年度第2次補正予算案に、地方向け追加経済対策として盛り込んだ、臨時交付金の5千億円の使途についてでした。
これは、 「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」として、老朽化した公共施設の補修や観光地の電線地中化、都市部の緑化、林道の整備など、景気浮揚策として自治体が実施する、身近な公共事業に充てられるものです。
交付金は、自治体側にまず4500億円を配分し、その後に500億円が追加交付されます。由利本荘市に内示された交付限度額は、7億1千8百万円であり、そのうち西目地区には、次の事業に6千8百万円が、年度内に交付されます。
ちなみに、各地域別の交付額は、以下のようになっています。
本 荘 124,307千円
矢 島 69,953
岩 城 68,540
由 利 63,224
大 内 68,490
東由利 66,600
鳥 海 67,525
一 体 121,350 ※本荘プール(50m)改修、大内総合体育館シャワー室、各地域の体育施設の改修など
2010-02-01 新潟でペレットストーブを視察
先月の1月21日、本荘由利森林組合に事務局を置く、バイオマス推進協議会の先進地視察で、新潟市内の さいかい産業が製造・販売する、木質ペレットストーブを視察してきました。
木質ペレットとは、乾燥した木材を細かく砕き、圧力をかけて直径6〜10mm、長さ10〜25mmの円筒形に圧縮成型した「木質燃料」です。
主にストーブやボイラーの燃料として利用されますが、同じ形に圧縮成型したものを一般にペレットと呼ぴ、廃棄物系プラスチックを原料としたもの、木材以外の植物を原料としたものなどがあります。
●木質ペレットには、次のような特徴があります。
1.原料は、再生可能な資源
木質ペレットの原料は、森林の育成過程で生じる間伐材などや、製材工場などから発生する樹皮、のこ屑、端材など、再生可能な資源である木材です。これらを取り扱いやすい燃料にしたものが木質ペレットです。
2.環境にやさしいクリーンなエネルギー
間伐材などを利用することにより、森の再生を手助けすることができます。また、木質ペレットを燃やす時に出る二酸化炭素は、樹木が成長する時に吸収した二酸化炭素だけですから、化石燃料のように大気中の二酸化炭素を増加させることはありません。
3.着火性に優れ、取り扱いが容易
小さな円筒状に成形加工されているので、運搬や取り扱いが容易ですし、乾いているので着火性にも優れています。
4.他の木質燃料に比べて発熱量が大きい
含水量が少なく圧縮されていますので、チップやのこ屑をそのまま燃やすより大きな発熱量が得られます。
●木質ペレットには、次の3種類があります。
木質ペレットは、大きく分けて木部ペレット(ホワイトペレット)、全木(混合)ペレットおよび樹皮ペレット(バークペレット)の3種類に区分されます。
原料として用いられる木材の部位によって区別されるためですが、海外では製材工場から大量にでるのこ屑で造る木部ペレットが主流です。
日本では剥皮を有効利用した、樹皮ペレットの生産も見られます。全木(混合)ペレットは、林地残材などの樹皮付き丸太を原料にする場合もあれば、木部と樹皮を混合したものを原料とする場合もあります。
ストーブ(燃料機器)によっては、使用できる木質ペレットの種類が限られる場合がありますので、注意が必要です。
※木質ペレットの詳しい情報は、日本木質ペレット協会のホームページを参照ください。 http://www.mokushin.com/jpa/index1.html
2010-01-31 議会基本条例が全国で続々と
全国の議会基本条例の制定状況です。2010年01月末現在、84条例が制定されました。
2009年制定
2008年制定
2007年制定
2006年制定
※議員定数や定例会回数、会期等、議会の基本的事項、手続き等を定めた【福島県】須賀川市議会基本条例(2007年4月1日施行)は、「議会基本条例」のカテゴリーには含めていません。
※都道府県10、政令市2、特別区0、市45、町村27、計84議会(2010年01月06日現在)
2010-01-30 議員が決めた倫理条例なのに
去年の(先月の)12月25日、由利本荘市議会の政治倫理条例審査会は、同条例違反があったとして、4人の議員へ注意勧告を行いました。
残念なのは、9月にも同じ違反で2人の議員が、繰り返し注意勧告を受けていることです。
平成21年4月に施行された条例は、市民に信頼される議会への第一歩となるはずでしたが、まさかの条例違反が相次いだことで、今や議員の足かせのようになってしまいました。
条例には、由利本荘市が発注する工事や物品納入で、議員とその配偶者、親、子が経営にかかわる企業は、 「市との契約を辞退するよう努めなければならない。」と明記されています。
注意勧告を受けたのは、政治倫理の認識が薄く、契約辞退の努力を怠ったと判断された、4人の議員たちです。
もとより、議員が関係する企業が市と契約をしなければ、問題にはなりませんが、それが避けられないなら、議員辞職という選択肢もあります。
議員発案で、自分たちで決めた条例ですから、それを守ればいいだけの話ですが、問題は、そう簡単には解決しそうにありません。
何故なら議員の間で、条例に対する解釈や意見が分かれていて、互いの溝が深まりつつあるからです。
注意勧告を受けた議員と、同じ会派に属する議員は「地方自治法が兼職を禁止しているのは議員本人。条例の規定は厳しすぎないか」「市と契約が多い農協の理事の家族が議員になれないのは、地域の実情に合わない」と、委員会で主張しました。
それに対し、「地方自治法の規定では甘いと判断して、条例をつくったのではないか。自分たちで決めたルールを守れないのはおかしい」「安易に見直しをすれば、議会が市民から笑われる」と真っ向から反論する議員もいます。
この政治倫理条例が生まれる過程でも、激しい意見対立があり、規制の対象となる親族の範囲を、議員の親子に当たる1親等とするか、祖父母、兄弟も含む2親等とするかで、判断が2つに分かれました。
その判断を託された「議会改革活性化検討委員会」では、9回の議論を重ねても結論が出せず、同委員会は条例を棚上げしたまま、07年12月に終了しています。
早期の条例制定を望んだ議員たちは、1年後の08年12月定例会に、規制がより厳しい2親等の条例案を提出しました。
それに対抗するように、1親等を支持していた議会多数派の議員たちが、出した対案が可決され、現在の条例となったものです。
あまりの急展開に、条例の規制がどれだけ厳しいか、理解不足の議員が多かったことは事実で、結果として違反が続出する原因となってしまいました。
改選後に新たに就任した渡部功議長は、 「法律の専門家も入れて、政治倫理条例とその運用をもう一度考えてみたい」と語る一方で、 「昨日つくって、あした直すというわけにもいかない」と、条例見直しを急がない考えも示しています。
由利本荘市議会は、昨年10月の改選を前に、議会改革課題を整理していました。
その主なものとして、傍聴者に分かりやすい一般質問のあり方や、議長選挙への立候補制の導入、議員定数や報酬の見直しなどが検討されていました。
渡部議長は、それらの検討結果をもとに、「提案型」の議会をめざす決意でしたが、本格的な改革論議には、もうしばらく時間がかかりそうです。
2010-01-29 土木業から農業への挑戦
由利本荘市(大内地区)の菊地建設(株)は、地域の活性化と農業分野への進出を模索していたところ、農業経営コンサルが展開している健康野菜「グラパラリーフ」の栽培システムに出会いました。
グラパラリーフはビタミン、ミネラルが豊富で、美容、健康の増進・維持に効果が期待でき、サラダやジュースなどの生食に向く手軽な健康食材です。
公共事業の絶対量が減るなか、新分野に進出するために、平成18年1月に、橋本社長と従業員2名で農業生産法人「有限会社あぐり大内」を立ち上げました。
その後、生産から販売に至るまでのノウハウの提供を、コンサルから受けるとともに、自社に属する重機や労働力を使って、100坪規模の農業用パイプハウス3棟を社屋の隣接地に建てるなど、着々と生産体制を整備しました。
平成19年からは、地域の農家と競合しない農作物の生産を考え、需要が根強く、春からの余剰労働力を活かせる、夏イチゴの栽培に取り組みました。
さらに、平成20年からは、プリザーブドフラワー(保存加工花)の生産販売を行っている、由利本荘市の(有)フラワートから、ダリアの栽培と加工も請け負っています。
ダリアのプリザーブドフラワー
現在は、グラパラリーフに続く健康野菜として、滋養・強精作用をもつインド人参「ビターナ」の栽培を始めており、作付け品目の拡充を進めています。
このほか、およそ1ヘクタールほどの水田で、「ひとめぼれ」の作付けも行っていて、今後は、地域農家の高齢化による、耕作放棄地が増えないように、農地の借り受けや、農作業の受託などにも意欲を見せています。
2010-01-23 野菜工場の光…終わり
このルポルタージュの締めくくりとして、現時点での情報をもとにした、植物工場の現状について、簡単な総括をしてみたいと思います。
まず植物工場とは、その名前のとおり、野菜を工場の中で生産しようという試みで、現在50社ほどが参入しているようです。
では何故、農地ではなく植物工場で野菜を作るのかといえば、もちろんメリットがあるからですが、植物工場のメリットとデメリットを、できるだけ公平かつ簡潔にまとめてみましょう。
●メリット
1.農地法の規制によって、企業では農地取得ができにくいため、他産業からの農業参入に向いている。
2.密閉施設で栽培するため、外からの病害虫による被害を防げる。
3.無農薬栽培のため、食べる際の安全性が確保できる。
4.天候や連作障害などの外部環境に左右されずに栽培ができる。
5.遺伝子組み換えの混種など、外部環境に影響を与えず栽培ができる。
6.一年中安定した収穫が可能で、消費地の近くで栽培できる。
7.工場管理なので特殊な栽培技術が不要で、2次産業の人材がそのまま使える。
●デメリット
1.水耕栽培のため、液肥代などの生育コストが高い。
2.電気代・水道代などの施設維持費が高い。
3.施設建設費が、農地の取得や賃貸より、はるかにコストが高くなる。
4.現在までの技術では、レタスなど葉物野菜以外の栽培が難しい。
これまでの一つの失敗例として、コスモプラントを取り上げてきました。
この企業は、植物工場を建設して生産を始めましたが、不況のあおりを受けて販売先が減り、工場としての採算ラインの稼働率を割ってしまいました。
※LED電球の数を減らし、電圧を上げるなどして、寿命を短くしたという操作も報道されています。
植物工場の作物は、通常の栽培方法よりも割高になるため、普通のスーパーとの取り引きは、なかなか難しいと言えます。
つまりこの企業は、植物工場のメリットを活かした販路を確保できないままに、性急に生産を開始してしまったのでしょう。
このような失敗例は、植物工場だけではなく、農業全般に言えることで、販路を確保できないまま、まず生産に先走りしてしまう、新規就農者が多いことは事実です。
冷静なマーケッテングをもとに、何を作り、どこに幾らで販売できるのかが、具体的に決まっていなければ、真のビジネスプランとはなり得ません。
実際に企業に就職する時には、給料が幾らで、年間の休日が何日でとかを判断材料にします。
ところが、新規就農者には脱サラ組みが多く、ともすれば勢いと思い込みだけで、収入も労働時間の目処も立てずに始めてしまう例が見受けられます。
それでも成功例はあります。
まずは京都市内のビル地下で、植物工場を始めた例です。
ここは地下のプラントで野菜を栽培し、上階のレストランでその野菜を使ったサラダバーを提供するというものであり、これは新たなビジネスモデルと言えます。
京都市北区のフレンチレストラン「天使のカフェ」本店の地下にある野菜工場。
蛍光灯の光を浴びて野菜が青々とした葉を伸ばしている=京都市北区の野菜工場フェアリーエンジェル
植物工場は、確かに生産コストは高くなりますが、中間流通コストを全てカットでき、目の前の取りたて新鮮野菜が提供できるというメリットがあります。
つまり生産コストが、通常の2倍程度でも、中間流通や小売まで通すよりは安く仕入れている計算が成り立ちます。
何故なら、通常の作物販売ルートでは、スーパーの売価の1割ほどにしか、生産者の手取りになっていないのが現実だからです。
2番目の成功例は、市場価値の高い特殊な作物を生産する試みです。
例えばアイスプラントは、グラム単価が高い希少野菜で、フランス料理などに使われる、希少な耐塩植物です。
塩水をかけて栽培するため、普通の農地では塩害によって、他の作物に影響を与えますが、植物工場ならその心配がありません。
アイスプラントの握り寿司
3番目の成功例は、有用な遺伝子組み換え植物を生産するというものです。 例えば、インフルエンザのワクチンの代わりになるタンパクを、稲に蓄積させる技術を遺伝子組み換えで開発し、この稲からできる米を50粒くらい食べるだけで、予防注射1回分の効果があることがわかっています。
しかし、遺伝子組み換えの稲を露地で栽培すると、隣り田んぼで作っている品種と混雑を起こしてしまう危険がありますが、植物工場なら密閉できるので回避できるというものです。
4番目の成功例は、乾燥地帯などの農地に向かない地域への技術輸出の例です。
もちろん、中近東などの海外向けであり、植物工場なら貴重な水資源を浪費しません。さらに電力も、豊富な日照を利用した、太陽光発電などを利用すれば、生産コストも大幅に軽減できます。
以上、工場というイメージから、生理的な嫌悪感を抱き、理屈のない批判をする人もかなり見受けられます。
しかし、現実論としては、水の問題と電力の問題、及び肥料の問題という、3つの問題さえクリアできれば、そのメリットを活かした、新たな農業ビジネスとして、立派に成立すると思います。
何故なら、機械的な流れ作業に慣れている、現代日本の労働者にとっては、植物工場にも違和感がなく、とけ込めるという体質があるからです。
工場での野菜生産に嫌悪感を持つ人もかなりいますが、もやし・きのこ類の生産は、現在ほとんどが工場生産であり、植物工場となんら変わりません。
そもそも化石燃料を大量消費して、環境汚染を引き起こしている、自動車工場の生産はなんとも思わず、食糧問題や食の安全性に貢献できる野菜工場を嫌悪する価値観は、考え直すべき時期を迎えています。
2010-01-22 野菜工場の光と影…5
奥州市公式サイト 定例記者会見(平成21年11月10日)
相原奥州市長
Q 先月コスモファームの社長が千葉県警に詐欺容疑で逮捕されました。市長はこのことをご存知なのか、もしご存知であればその感想をお願いします。
A ちょっと私は分かりません。まだ報告が来ていません。
Q 2007年4月にフロンティア江刺が操業停止したときに、市と県から補助金が5,400万円出ています。その補助金には5年間操業義務があると聞いていますが、その後、補助金の請求や補助金の処理についてはどのようになっているのでしょうか。
A 具体的な返還には至っていません。県と協議をしてきましたけれども、そこまでは至らないということは間違いないです。前から申し上げているように、補助金を決定した時点では必要な調査検討をして、県も審査いただいて補助金を交付しました。その後の経済情勢なり、故障などで休止・廃止を余儀なくされたわけです。金融機関と一緒に後継企業を探して、結構いいところまで行った会社もありましたが、最終的に再開、引き受け再開するところまでは至っていない状態です。
Q そもそもこの誘致の申請自体が虚偽ではないかという声があり、市の申請チェックがかなり甘かったのではないかという声も上がっています。それに関してはどうお考えですか。コスモファームの社長が同じようなプラントを造ろうとして詐欺容疑で逮捕されたわけです。グレーだったものが黒に近づいたように思いますが、市長はその件に関してどうお考えですか。
A 以前にもお話しているとおり金融機関あるいは県でも審査しています。市でも先進地などを視察していますので、それらを含めて審査しました。今ご質問のようなことは無いと思っています。
Q 操業義務の期間が5年間あると聞いていますが、実際のところ1年半くらいで操業を停止しています。5,400万円の補助金の返還要求も含めて検討していると聞いていますが、その後どうなったのでしょうか。
A 県とも協議中ですので、まだ結論は出ていません。
Q いつごろ出るのでしょうか。
A まだ、それも分からないです。
Q そもそもこの計画自体が実現性のない計画で、市の審査が甘かったのではないかという話もあります。その辺はどのようにお考えでしょうか。
A この補助金は、設備投資、土地とか建物を取得した際に補助するという中身になっています。その時点でいろいろ申請書類を出していただいて、それはクリアになったという審査の判断があると思っています。あくまでも当初の設備投資に対する補助という考え方ですが。
Q コスモファームに対する補助であって、土地であろうが、建物であろうが補助金を出したことに変わりはありません。内容自体はともかく、5年間の操業義務を満たしていなければ返還要求をすると思いますが、何でアクションを起こさないのでしょうか。
A 要綱には「正当な理由がなく」とあります。このように事業を始めて倒産するということは有り得ると思っていますので、それには該当しないと判断しています。
Q 正当な理由とはどのようなものですか。
A 例えば、地震など天地地変による企業の責任以外の理由で事業を停止せざるを得なかった場合などです。
Q これは地震でもなんでもないですし、計画そのものが怪しかったという話にはならないのでしょうか。そういうことだと何でも理由がつくのではないですか。
A そのために、各金融機関の審査、あるいは県の審査も通っています。
Q 他の判断はいいですが、奥州市の判断はどうなのですか。
A 市には専門的な知識がないものですから、金融機関や県の審査に準じた形で市も審査をしています。その形で補助しています。
Q 県や金融機関がOKだったものは、奥州市もOKだという受動的な形で補助金を出したと考えてよろしいのでしょうか。
A 金融機関も県もそういう判断ですから、私たちもいいという判断をしたということです。それは、市の判断でしています。ただ判断の根拠として、県も金融機関も同じ考えだからだということです。
Q 5年間の操業義務はもう関係ないということですか。
A それは天災地変による企業の責任以外で事業を停止せざるを得なかった場合は正当な理由だと思っています。事業を続けるような努力はずっとしていますから。
Q 関係者の話を聞くと4例目になるそうですが、3例目の和歌山ではこの計画自体が実現性が無いと言っている人もいます。地元の出資者たちも操業してからすぐ騙されたという話で、資金の回収に動いている様子もあります。そのような裏づけがあって、甘かったのではないかと伺っているのです。
A 当初の投資の件で審査していますから、その後状況が変わって、そういう判断になったかというのは分かりません。
Q 県とか金融機関の判断ですか。
A そうです。それで1年半操業しましたから。その後の見通しが十分でなかった面があるかもしれませんが、それはその後の経営の話です。
Q 事後に計画がまずいとか実現性がなかったと分かった場合のために、5年間の操業義務があるのではないですか。
A そのことについては、指導の立場にある県と相談しながら、まずは事業継承に努力すべきだという判断をしました。補助金返還で滅茶苦茶にするのではなくて、土地も買ってもらって機械も建物もできたのですから、それを有効に使ってもらうことが私たちの目的です。会社を助けることが目的ではありません。工業団地に整備されて、従業員も雇用していただくことが目的ですから、その継承に一生懸命努力してきたのです。
その間、県とも相談しながら、5年の見通しがなくなったからすぐ返還だということではなくやろうということできています。その判断がおかしいというのであれば、それは見解の相違です。
Q 公金の5,400万円が危ういような計画に使われたとすれば、責任をもって回収するのが普通ではないでしょうか。
A 土地は買ってもらい、建物はできて事業が行われて、従業員が雇用されました。それは事業だから失敗もあるでしょう。そのときに、どう判断するか意見は異なるかもしれません。おかしかったとか、当然そうすべきだったとはならないです。今後のやり方について、そうすべきではないかという論であれば分かりますけども。それは、県の指導も受けながら私たちが判断します。
Q 奥州市は企業誘致を活発に行っていますが、この件以後、補助金のチェック機能の改善を考えていますか。
A 検討しなければならないこともあると思いますが、今の時点では検討していません。
2010-01-21 野菜工場の光と影…4
奥州市公式サイトから 定例記者会見(平成19年8月3日)
相原奥州市長
Q 江刺にあるコスモファーム・フロンティア江刺が操業を停止しましたが、将来的にかなり見込まれた事業だと思いますけれども、それが突然停止したことについて、市長の率直な感想をお聞かせください。
A 非常に革新的な斬新なアイデアをもってスタートしたということで、農業分野の関係者とのどういう調整が必要なのかという思いも含めて期待をしていました。とりあえずまだ途中段階ですけれども、こういう形になったので驚いているところです。できればこの形をもっと別の事業者が受け継ぐなども含めて、継承していただければありがたいというような思いでございます。
Q その関連で、奥州市の補助金を交付されているということですが、今後、返還を求めるなどの展望はいかがでしょうか。
A これは当然のことながら相手方の会社、コスモファームがまだ法的には手付かずの状態になっています。社長ももちろんおりまして、現場の操業が止まっていることは間違いないのですけれども、わたしたちも当然ながら連絡を取る努力をして、一定の連絡は取れています。さっきも言ったように、その中で可能であれば事業を承継してもらえる人を見い出したいという話をいただいています。もしそれが円滑にいく場合は、補助金の方はそのまま生きていくという可能性もありますので、そういうような意味合いを含めて、まずは折角の斬新な先進的な事業が生きていければと思います。建物とか機械設備も特別な造りになっていますので、他に使うというのはなかなか難しいと思います。そういうような意味で、補助金返還うんぬんの話ではなくて、もちろん一般論としては補助金を出しているわけですからそういうことはあると思いますけれども、それ以前にもっときちっとしなければならないことがあると思って、今、努力しているところです。
Q いつ市長は操業停止ということを認識されたのでしょうか。
A これは担当の部署の方から、随時、会社の報告があります。誘致企業の脈のある会社とかいろんな意味でです。そういう意味では、とりあえず操業は止まるという話は聞いていました。
Q ということは4月の下旬にはもう認識していたということですか。
A そうですね。
Q 4月以降、どのような対応をしてきたのかお聞かせください。
A 基本的に相手の責任者とチャンネルをつけて、というか戻して、まずは従業員の対策をどうするのか。これは事業が止まって実質的に職場からいなくなっている状態ですので。それから会社をこれからどうするつもりなのかを確認しなければいけないと。そのために金融機関、固有名詞は避けた方がいいみたいなので言いませんけれども、複数の金融機関が融資をしていますので、そことの連携。それからもちろん市の補助金の財源として、県から市に一定の補助金が来ていますので、県の担当課との連携。そういうことに今まで努めてきております。
Q 当初、わたしたちマスコミも含めて、かなり先進的な利用ということで取り上げてきました。市長も江刺市長時代の案件でもあり、期待されていたと思うのですが、市長としてもある意味残念というか、もう少し続けて欲しかったという気持ちはあるのでしょうか。
A もちろんそういうことはありますし、現実的には事業承継者を見い出したいと思います。これは相手の社長もそういう希望をしていますし、社長のルートとは違いますけれども、別途わたしどもの担当部署にあれを引き受ける方法はないのかという問い合わせもあります。もちろん資金がいろいろ絡んでいますので、そう簡単ではないと思いますけれども。会社は経営が成功したり逆になったりすることがあるわけですから、わたしたちとすれば、事業とできれば従業員の雇用ということも含めて継承していただくのが一番ありがたいことだと思って、そっちに目を重点的に向けています。お話のように最後の最後、どうにもならなくなったら補助金の問題があるのではないですかということになると、それはそのとおりだと思います。
Q やはり社長自身とは連絡が取れていないのですか。
A 社長の代理人の弁護士が東京都内におりまして、その方をとおして連絡を取っているという状態にあります。あとは元の従業員の方々がこの近くに地域におりますので、そういう人たちからも必要な事情は聴取しております。ですから工場の最近の状況はどうだったのか、操業停止からはどのように身の振り方を考えているのか、その辺をおおむね把握はしているところです。
Q 補助条件に5年間の操業義務というのがあると思いますけれども、これは補助金を交付してから5年間の操業義務を果たせなかったというのは、このコスモファームが初めての件なのでしょうか。
A そういう結果になってしまえば初めてになると思います。もしこれが、うまく承継者が出て、一定の条件にある承継がなされれば補助金返還ということになってこないと思います。そういうこともありますから、今そこを一生懸命やっています。要件はあると思いますけれども。わたしたちの補助金は融資と違って、駄目だったら全部返してということが本来ということよりは、やはりこの事業を元気付けるためにやっているわけですから、その会社がどうしてもいけないということであれば、別の会社に入ってもらってそういう事業を継続してもらいたいと思います。もちろん江刺のあの場所でですが。それは全く根拠も煙もない話ではなくて、今言ったように社長の意向として来ていますので、もしそうであればうまくいくように可能なお手伝いをしたいということで、今、一生懸命やっています。
Q 期限は区切るのですか。
A 期限的なことは、まだです。4月の操業停止把握から4カ月経ちましたけれども。やはりもう少し、9月議会、12月議会という大きな節目がありますけれども、そこでも必要な説明をしながら、なんとかいい形でいきたいと思います。何ヶ月以内に駄目だったら駄目ということは、今はまだ考えていません。
Q 補助金申請の資料に、千葉県の実績というものを添付する形で市に提出していると思うのですが、そもそもその実績自体が虚偽の実績ではないかという話などもあります。もし仮に虚偽というか水増しされたようなものを添付して申請しているとすると、契約の瑕疵(かし)というか、虚偽の資料を使って補助金を受け取ったことには当たらないのでしょうか。
A お聞きになっている人たちに誤解をされるといけないと思って、ちょっとストレートに答えない部分もあるのですけれども、この補助金の交付に当たりましては、もちろん市も審査をするし、審査に必要な書類は限られたものですけれども、やはり本当に大丈夫かという意味であちこち資料を求めたり、プラスアルファでそれはします。それからさらに今回の場合は、県が審査をしています。県の方は、中小企業診断士とか専門家も入って、一定の本当に大丈夫かという審査をしていただいています。それから、固有名詞は含みますが、金融機関も複数審査をして融資をしていますので、やはりそういう中でこの事業はいけると踏んだということです。でなければ融資もあり得ないし、補助金決定もあり得ないことなので。もちろん現場も見にいっています。そういうことの中で、今、お話のようにいよいよ押し詰まってきたときに、この書類に書いてあったことはどうだということはあるかもしれませんが、わたしたちはまだそれがおかしかったという確認も取れていませんし、ただ、当時の審査はそういうふうに最大限の努力をして、しかも市だけじゃなくて、県も金融機関もやったということで、その時点では妥当な判断をしたと考えています。
Q その時点で妥当な判断とのことですが、結果として虚偽のデータを出したということで、仮の話かもしれませんが、市や県は見抜けなかったというよりは被害者で、元のデータに実績のないものを出されると県も判断のしようがないと思います。虚偽のデータを出したこと自体に対してどうなのでしょうか。
A それは見方、切り口でしょうけれども、補助金を出す以上、あらゆることを調べ尽くして、大丈夫だとして出さなければおかしいので、結果がそうだったとすればやはりこれは反省しなければいけないのだと思います。そういう意味では、わたしたちはそれなりの手順を尽くして、県の方は県の方で手順を尽くしたと判断しています。それから今おっしゃっている虚偽ではないかということについて、わたしたちは確認しておりません。いろいろ争い事があるということは、聞いておりました。今、民間レベルで争っているようなので、そういう中でいろんな主張がなされていると受け止めています。場合によっては裁判になるみたいなので、だとすれば法廷の中できちっと事実関係を証明しなければならないでしょう。
Q 確認できたら新たな対応が出てくるかもしれないということですか。
A そうですね。あとはわたしたちも待ちの姿勢ではいけないので、何とかここを早く良い形にしたいという思いで、まずはそれについて努力させていただきます。本社というかコスモプラントさんという、コスモファームのいうなれば上の方の部分というか、社長が別に持っている会社は破産したそうなので、ここで問題になっている部分はまったく手がついていない状態です。そういうようなことを総合的にきっちり詰めていって、最後の場面ではお話のようなことの調べた結果をわたしたちとしても説明しなければいけない時期も来ると思います。まだ、うそだったかどうかは調べられないですけれども…。
2010-01-20 野菜工場の光と影…3
実現不可能な操業計画
岩手県奥州市江刺区の野菜栽培工場「コスモファーム・フロンティア江刺」が、操業を突然停止した問題の続きです。
同社は、操業当初から計画の2割程度しか生産できず、工場建設を持ちかけた静岡県袋井市の農業プラント会社「コスモプラント」(4月に経営破たん)と出資者との間で、出資金をめぐってトラブルがあったことが、7月12日に関係者の証言で分かりました。
地元出資者らによれば、「操業計画はもともと実現不可能だった」として、コスモプラントの関係者を相手に、損害賠償請求の準備に入っており、詐欺罪での刑事告訴も検討しています。
実現不可能な計画で操業開始したとなると、誘致企業として設備投資補助金約5000万円(半分は岩手県が負担)を拠出した奥州市の責任問題も浮上してきそうです。
関係者によると、同社はサニーレタスなど月産19トンを生産する計画で、2005年11月に操業を開始しましたが、半年後の06年5月の時点でも、月平均の生産は計画比の2割弱の約3.5トンにとどまったといいます。
計画とあまりにかけ離れた実態に、出資者たちは不信を募らせ、06年5月の株主総会で、大口出資者でもある奥州市内の当時の社長らが、コスモプラントに株の買い取りと経営交代を要求しました。
その結果、コスモプラントの社長が社長職を引き受け、株の買い取りにも合意して手形を振り出しましたが、最終的な支払期限とされた今年4月にコスモプラントは破産し、手形は不渡りとなりました。
フロンティア江刺はその直後に操業停止になり、コスモプラントの社長とは連絡が取れない状況が続いています。
200万〜300万円を出資した、岩手県内外の十数人の出資者の間では「だまされた」との声が上がっています。
悲しいことに、現地在住で1500万円出資した前社長は、操業停止後の5月末、奥州市内で交通事故死しました。
フロンティア江刺の工場長だった前社長の長男は「野菜はコスモプラントが一括して買い取る計画だったのに、操業直前になって野菜の仕入れ先も決まっていないことも分かった」と指摘し、「どう工夫しても計画通りの生産量は最初から無理だった。だまされたに等しい。訴訟準備中で、刑事告訴も検討する」と話しています。
2010-01-19 野菜工場の光と影…2
奥州市の未来型「野菜工場」の頓挫
赤色発光ダイオード(LED)照射による野菜栽培を手掛け、岩手県や奥州市から補助金約5000万円を受けて2005年に立地した奥州市江刺区の「コスモファーム・フロンティア江刺」が2007年4月、操業を突然停止していたことが、この7月11日に明らかになりました。
「先進技術の野菜工場」のふれこみで操業してから、わずか1年5ヶ月で破たんしたことで、奥州市や岩手県が、原則5年の操業義務を前提に補助金を出しているほか、地元の出資者も多いため、波紋が広がっています。
関係者によると、同社は4月中旬、電気料の支払いが滞ったことを理由に送電が止められ、操業を停止したといいます。
工場内部の設備はそのまま置かれ、閉鎖された状態で、従業員約20人は操業停止直前に、一方的に解雇を通知されました。
江刺も含め、全国4ヶ所に同様の野菜栽培工場の設立を呼び掛け、技術提供元となっていた、静岡県袋井市の農業用プラント会社「コスモプラント」は4月に経営が破たんし、6月に破産手続きを開始しました。
和歌山県、千葉県、北海道にある3つの工場は、06年7月から12月にかけて操業をやめており、江刺の操業停止も関連の動きとみられています。
江刺の社長も務めるコスモプラントの社長は、連絡が取れない状態で、地元の出資者の1人は「操業停止は突然で、コスモプラントからは相談も連絡もなかった。会社が今後どうなるのかも全く分からない」と困惑しています。
フロンティア江刺は合併前の江刺市の誘致企業として立地しました。当初はサニーレタスなど葉物野菜を、首都圏などに月19トン出荷し、年間2億5000万円を売り上げるという計画でした。
同社は、奥州市の企業立地推進補助制度に基づき、設備投資補助金を申請し、05年11月からの操業を確認した奥州市が、06年4月に補助金約5000万円(半額は岩手県負担)を支出しています。
ただし、補助金受給企業には、原則5年間の操業義務があり、フロンティア江刺の操業停止は、操業義務違反に当たります。
奥州市は「誘致企業が突然操業停止するのは異例。給付にそぐわない条件がある場合は、補助金の返却を要求することができるが、市にも操業停止の説明は一切なく、社長とは連絡が取れない」と対応に苦慮しています。
※[コスモファーム・フロンティア江刺] 2004年5月、奥州市など岩手県内外の10数人が出資し設立。資本金6000万円。5億5000万円(土地代含む)を投じて、同市江刺区岩谷堂の工業団地・江刺フロンティアパークに鉄骨平屋730平方メートルの工場を建設、操業しました。
成長を促す波長とされるLEDの光を照射する野菜栽培は、天候に左右されず一定価格の野菜を出荷でき、野菜工場の先進技術とされていました。
フロンティア江刺では、室温20度前後に保たれた工場内で約200万個のLEDを使い、サニーレタスなどの水耕栽培に取り組んでいました。 参考 2007/07/12 河北新報
2010-01-18 野菜工場の光と影…1
1年半で操業停止 奥州市の「コスモファーム」
赤色発光ダイオード(LED)の照射と、水耕栽培を組み合わせ、葉物野菜を生産していた、岩手県奥州市江刺区岩谷堂のコスモファーム・フロンティア江刺(資本金6000万円、内山久和社長)が、2007年4月下旬から操業を停止していることが12日までに分かりました。従業員約20人は、すでに全員が解雇されています。
奥州市のコスモファーム
同社は立地の際、市から約5000万円の補助金(半額は県が支出)を受けていましたが、操業開始後わずか1年半で操業停止したことで、補助金返還の可能性も出ています。
同社は、県内外の十数人が出資して設立され、2005年10月から江刺区の工業団地、江刺フロンティアパークで操業を始めました。
江刺フロンティアパーク(中核工業団地)
初期投資額は、土地代を含めて約5億5000万円であり、リーフレタスなどを栽培し、首都圏などに出荷していました。
しかし、LEDによる栽培システムを開発した、静岡県袋井市のコスモプラント(内山社長)が4月に経営破たんし、販売の多くをコスモプラントに頼っていたため、コスモファーム・フロンティア江刺が操業停止に追い込まれたということです。
2010-01-16 「野菜工場」に注目!
屋内で野菜を生産する「野菜工場」は、国からの支援も追い風になり、国内各地に広がっています。
製品される野菜は、無農薬のため「安全で、えぐみがなくておいしい」と外食産業でも評判がよく、海外では砂漠や極寒地での需要があるほか、輸出に便利なコンテナ型も登場しています。
野菜工場とは、施設内で光や温度、湿度といった植物の生育に必要な環境を人工的に作りだし、季節に関係なく連続的に野菜を生産するシステムです。
いろいろなタイプがありますが、完全に密閉された空間で発光ダイオード「LED」や、蛍光灯などの照明を使うものと、それに太陽光を併用するものがあります。
赤色LEDでの葉物野菜栽培
最大の特徴は、土を使わない水耕栽培のため、どこにでも設置できるので、工業団地、オフィス、店舗、レストランなどにも広がって、現在は全国に50〜60工場あると言われています。
野菜工場のメリットは、天候に左右されず、安定して生産できることであり、カゴメ、キユーピー、JFE、オリンパスといった大手企業や、中小企業などが続々と参入しています。
例えば(株)フェアリーエンジェル(京都市)は、延べ床面積3,748平米と「世界最大級」の大型野菜工場を運営しています。
そこでは、レタス、サンチュ、水菜、ルッコラなどの葉物野菜を「てんしの光やさい」というブランドで、全国の百貨店やスーパーマーケット300店舗以上で売っています。
価格は60gあたり158円で、通常の野菜よりもやや高めですが、「完全密閉」で作っているため、無農薬で土で汚れることもなく、洗わずに食べられるため、ビタミン類の流出がないと好評です。
とくに、子どものいる家庭や、アトピーや農薬アレルギー体質の人に売れていて、同社広報担当者は、「えぐみや臭みがなく、野菜本来の味がしておいしいし、生産から梱包まで全く空気に触れないので長持ちします」とアピールしています。
北海道岩見沢市の社会福祉法人クピド・フェアは、野菜工場でレタス「コスモリーフ」を作り、市内のホテルやレストラン、学校給食などに卸しています。
ここでも、「通年で同じ品質の野菜を安定的に提供できるというのが一番の利点です。土がついていないので捨てるところがほとんどなく、廃棄コストがかかりません。市内生産なので輸送コストも節約できます」と話しています。
農林水産省と経済産業省が、自給力向上の切り札として、野菜工場の導入支援を行っていることも追い風になり、参入に関心を示す企業が増えています。
三菱総合研究所は「植物工場研究会」を2009年3〜9月に開催したところ、製造業、食品会社、種苗会社、金融機関など、国内78社が参加しました。
野菜工場のニーズは、国内のみにとどまらず、三菱化学は40フィートコンテナ(長さ12.2m×幅2.4m×高さ2.9m)に最新システムを積み込んだ「コンテナ野菜工場」を開発し、今年の1月12日から売り出しています。
すでに中東カタールでの販売が決まり、4月には現地に納入される予定となっていて、このシステムでは、砂漠や極寒の地でも野菜を作ることができ、コンテナなので輸送も簡単なのが決め手となりました。
仕様書によれば、適温に保つ空調設備、水を循環濾過して再利用する水処理設備、光合成の光源となる照明設備など、野菜の栽培に必要な設備を完備しており、1日当たり50株程度のレタスや小松菜などの葉物野菜を収穫することができます。
太陽電池などを付ければ、省エネルギーも可能で、価格は1台5000万円ほどで、今後は年間10基くらいの販売を見込んでおり、野菜工場の海外進出は、ここ1、2年が勝負の時になるだろうと言われています。
海外では、オランダとイスラエルが野菜工場の先進国ですが、いずれも太陽光を使うものであり、日本が得意とする完全密閉型は、まだ普及していません。
しかし油断は禁物であり、中国では最近、日本の野菜工場への関心が高まっていて、大学などで盛んに研究開発が進められています。
ただし、野菜工場の成功の鍵を握るのは、光や温度などを制御するソフトウェアのため、技術を盗用を防ぐ知財財産の管理が、最大の課題となっています。
2010-01-13 社説の読み下し…お見事
1月8日の秋田魁の社説は「市町村の議会改革 活発な議論で提案型に」というタイトルで、まさに新聞の顔である「社説」のお手本とも言うべきものでした。お見事です。
さくさべは、以下のように読み下しましたが、執筆した論説委員のご海容を願うとともに、満腔の共感の意を表します。
今年はミニ統一地方選挙の年です。秋田県内でも、4つの市町村で首長選挙があり、8つの市町で議員の改選が予定されています。
そのほとんどが、市町村合併から4年が経過していることから、合併の効果を生かすためにも、新たな地域づくりを担うリーダーと、望ましい議員の資質を見きわめる選挙としたいものです。
県内の今年最初の選挙は、潟上市議選(定数20人)で、1月24日に告示、同31日に投開票されます。今回から定数が2人減ります。
続いて北秋田市議選(定数26人)も、3月21日に告示され、同28日に投開票されます。また、男鹿市議選(定数20人)でも、今回から定数が4人減り、4月4日告示、同11日投開票となります。
能代市長選と同市議選(定数26人)はいずれも4月11日告示、同18日投開票。議員定数は2人減です。八峰町長と同町議選(定数14人)は4月13日告示、同18日投開票で、議員定数は2人減となっています。
まだ日程が決まっていないのは、三種町長選(任期満了4月22日)、にかほ市議選(同4月30日)、仙北市議選(同4月30日)、東成瀬村長選(同5月31日)、三種町議選(同6月30日)
参院選秋田選挙区(改選数1)については現在、鈴木陽悦氏が意欲を見せていますが、正式に立候補の意思を明らかにした人はまだいません。
これまで議会と行政当局は、地方政治の両輪とされてきましたが、地方議会は本当にその機能を果たし、各議員の活動もこのままで十分なのでしょうか?
ともすれば、出身地域や業界の利益代表といった活動に、とどまってはいなかったでしょうか?
厳しい財政下の市町村が、真に自立するためには、単に当局提案を吟味するだけではない、政策提案型の議員活動が待望されており、議会や議員を見る住民の目は、かつてないほど厳しいものがあります。
例えば議員の「定数」や「報酬」には、議員が多すぎるうえに、その報酬が活動内容からみて高すぎるのではないか、との厳しい指摘があります
議員定数の基準は、人口によって法律で上限が定められていますが、その報酬額については、似たような市町村規模を参考にした「横並び意識」によって決められてきました。
しかし、にかほ市議会では一昨年、いったん引き上げられた議員報酬が、住民の直接請求によって、元の額に戻されました。
この事例は、他の議会に少なからぬ衝撃を与えたと思われ、財政難の折、お手盛りの引き上げは、もってのほかという民意の表れと言えます。
今年の地方議会の改選でも、定数削減が相次ぎ、4人減が男鹿市と、にかほ市で、2人減が能代、潟上、仙北、三種、八峰の5市町となっています。
この中にあって、北秋田市だけは現行定数26人のままでの改選となります。定数は法定の上限なのですが、先月の12月定例会で、2人減とする議員提案が否決されました。
その背景には、北秋田市の議員報酬額が、県内でも最低水準であり、3年前に9万円強の増額案が否決されたという、いきさつがあります。
まさに、定数論議に報酬論議が絡んで問題が先送りされた形であり、改選後の議会の対応が注目されています。
残念ながら、緊張感に欠け、議論が低調な議会も散見される中、議会の活性化へ一問一答形式や、首長の反問権も盛り込んだ「議会基本条例」を制定する動きは、県内でもこれから広がりそうです。
秋田県内初となった藤里町の制定に続き、大館市や小坂町がすでに調査・検討中であり、「議会基本条例」を議会改革のよりどころとし、議会が自治の一翼を担うには、まずは議員の既得権に縛られない、本音の議論を重ねることが必要でしょう。
その一方で「これが選良か」と、眉をひそめてしまう例も見受けられます。それは、自らが制定した「議員政治倫理条例」を守れないとの指摘です。
この条例は、配偶者や親族が実質的に経営する企業に対し、地元自治体との工事や業務委託、物品購入の契約締結を辞退するよう求めています。
努力規定とはいうものの、由利本荘市では条例違反の疑いで、審査請求が相次いでいます。
大館市では昨年11月、条例制定から5年目にして初の審査会が開かれ、能代市の審査会では「違反」「違反せず」と判断が4度割れました。
上小阿仁村でも。地方自治法の議員の兼業禁止に抵触するかどうかを審査する特別委が設置されました。
選良であるならば、「李下に冠を正さず」の姿勢が必要なことは、いまさら言うまでもまでもありません。
2010-01-11 夏目雅子ふたたび
今日、1月11日は、さくさべの還暦の誕生日です。たくさんの人たちから、祝福の電話やメールをいただきました。無謀なことの繰り返しの人生でしたが、よく生きのびたと自分をほめたい気分もあります。
夏目 雅子(なつめ まさこ)1957年12月17日 〜85年9月11日、本名は西山雅子(にしやま)旧姓は小達(おだて)雅子。
※夫は作家で作詞家の伊集院静(いじゅういん しずか)1950年2月9日〜 http://www.ijuin-shizuka.com/
伊集院の本名は、趙忠來(チョ・チュンレ、조충래)、日本に帰化した後の本名は、西山 忠来(にしやま ただき)であり、韓国系日本人2世です。
伊集院は山口県防府市出身で、県立防府高校から立教大文学部日本文学科卒。今は仙台市に、同市出身で妻で女優の、篠ひろ子と暮らしています。
雅子は、港区六本木生まれ、神奈川県横浜市中区出身。六本木の輸入雑貨商の亀甲屋の長女として生まれました。
名門の私学、東京女学館小学校から中学校、高等学校を卒業し、東京女学館短期大学を、芸能界入りのため中退しています。
雅子の兄の、小達一雄さんの妻は、元キャンディーズで女優の田中好子さんで、現在、夫婦揃って、「夏目雅子ひまわり基金」の活動を続けています。
雅子の趣味は、毛糸の編物、絵(デッサン)、琴、古い食器収集、俳句(東京俳句倶楽部所属、俳号は海童)、生け花(草月流)。血液型はB型でした。
1984年、作家の伊集院静と結婚後は、神奈川県鎌倉市で暮らしていましたが、1985年2月14日、舞台『愚かな女』の公演の最中に体調不良を訴え、翌2月15日、慶應義塾大学病院に緊急入院しました。
病名は、急性骨髄性白血病と診断されましたが、夏目本人には「極度の貧血」とだけ告げ、本当の病名は伏せられていました。
雅子の入院とともに、夫の伊集院静は、仕事をすべて辞めて彼女が亡くなるまで、母親らと看病にあたりました。
娘の芸能活動に、ずっと反対だった母親のスエは、彼女が入院して初めて娘の出演する作品をみて、ベッドの彼女に話しかけたことを、雅子はとても喜んだといいます。
約7ヶ月という、長い闘病生活を送りながらも、一旦は順調に回復し、退院間近となったものの、抗がん剤の副作用等が原因とみられる肺炎を併発し、突然逝去しました。まだ27歳の若さでした。
ところで、彼女はTVドラマ『西遊記シリーズ』(1978-79)の、シルクロード現地ロケに、三蔵法師の役で参加しましたが、それまでに中国政府は、ウィグルで核実験を繰り返し行なっており、現地ロケ中に被曝したことが、その7年後に白血病を発病したことの原因になった可能性が指摘されています。
雅子の遺作は『北の螢』。戒名は芳蓮院妙優日雅大姉。菩提寺は、山口県防府駅近くの大楽寺、多磨霊園の小達家の墓にも分骨されています。
傾けば冬の夜に温
時雨てよ足元が歪むほどに
湯文字乱れし冷奴の白
青蚊帳にいつしかとなく落日
通り雨そっと握った蝉の抜け殻
夏めきし青蚊帳の肌なまめいて
水中花何想う水なのか
折れている月見草の花情人(いろ)変り
阿婆擦れた裸娘(らっこ)の肌に浮雲の影
風鈴よ自分で揺れて踊ってみたまえ
あの人を鳥引く群れが連れて行く
間断の音なき空に星花火
ぬぐってもぬぐっても汗みどろ
蟻ん子手の平にのせ我侘しむ
聖夜吉凶の星か兆の星か
寄せ鍋や湯気かき集め一人じめ
屋台まで讃美歌きこゆ聖夜かな
恋猫やなよやかに泣く間夫(まぶ)の宿
釈迦力に何故第九群れて奏でる
隣席の落第の娘の肩を抱く
野蒜(のびる)摘む老婆の爪のひび割れて
セーターの始めての赤灯に揺れて
夕暮れに芝焼き燃える天を見つ
梅酒たいらげ梅をかじって舌づつみ
鯵喰らふ味もわからず思案顔
寒空に赤い火は有り難い
ゴーゴーってる流氷の音床の中
叩いても叩いても咳(しはぶ)いて壊れた
結婚は夢の続きやひな祭り
夏目雅子の絶句 間断の音なき空に星花火
雅子の代表作「鬼龍院花子の生涯」の決めゼリフ、ブルーリボン主演女優賞に輝きました。
「おまんらぁ、何しゅうがぜよ!」 「どきや!」
「わてぇわぁ、高知、九反田(くたんだ)の侠客、鬼龍院 政五郎の、鬼政(おにまさ)の娘じゃき…。
なめたら、なめたらいかんぜよ! 」
2010-01-10 あの人を鳥引く群れが…
あの人を 鳥引く群れが 連れて行く (海童=夏目雅子)
夏目雅子
抗がん剤治療のため、女の命ともいわれる黒髪が、次々と抜けていく悲しさ。自分の命がどうなっていくのかという、おののきと併せ、本人にとっては、筆舌に尽くしがたい苦悩なのでしょう。
さくさべが、15年連れ添って別れた前妻の育子も、そうでした。(街にクリスマスキャロルが流れる、12月24日が彼女の命日です。)
伴侶であれ、親であれ、親友であれ、近しい者がカツラを着け、健気にも苦痛に耐え、笑い、何ごとも無かったかのように振る舞っている。
もとの黒髪に戻るまでの月日を、あるいはついに戻ることのなかった月日を、あらんかぎりの想像力を駆使して思っても、その人の本当の悲しみに至り得ることはかないません。
けれども、そんな病いと闘う人たちのために、いくばくかの手助けはできるかもしれない。そんな思いから「夏目雅子ひまわり基金」が設立されたのは、1993年でした。
85年に急性骨髄性白血病で亡くなった女優、夏目雅子さんの母、小達スエさんが代表を務め、抗がん剤治療で脱毛した人に、カツラを貸与する活動などを続けていました。(※ 2008年5月、そのスエさんの訃報が伝えられました。)
冒頭の句は、俳句もたしなんだ、夏目雅子さんの一句です。(「夏目雅子ふたたび」森英介著、実業之日本社)
夏目雅子が、その27年という短い生涯で、遺した俳句はわずか34句でした。その中に、
時雨てよ足元が歪むほどに という句があります。
よほど辛いことがあったのか、時雨(しぐれ)を浴びながら、もっと自分の足元が歪むほどに降れ…と詠んだ句です。夏目雅子の句は、ほとんどが自由律であり、俳壇の重鎮の金子兜太をして「こんなに奔放で、情熱的な俳句を作る人に私は出会ったことがない」とまで言わしめました。
夏目雅子 ひまわり基金 はこちらです。 http://www.himawari-kikin.com/top.php
2010-01-07 少子化交付金に3億円!
サザエさんの時代に戻れるのか
秋田県は長期間にわたって、全国で最下位の出生率に悩まされています。そのため、市町村の裁量で使うことのできる、少子化対策の交付金制度を独自に新設し、総事業費で約3億円を、来年度の一般会計当初予算案に計上する予定です。
県内の全25市町村への配分額は、人口規模などをもとに算出されますが、それとは別に配分枠に収まらない事業規模であっても、独自性が強く事業効果が期待できるメニューに交付する、「知事特認枠」も設けることになりました。
この交付金の使い道については、県内の各市町村から1月中に事業案が申請され、秋田県による審査で最終調整が行われます。
使い道を少子化対策に絞るという、全国的にも珍しい交付金制度の配分案は、最も高い市で約5000万円、最も低い町村は約400万〜500万円になる見通しです。
ただし、既にある事業に充当することは認めない方針で、各市町村は県との協議を重ね、事業費がそれぞれの市町村の予算案に盛り込まれます。
秋田県が、これまで行った市町村の首長や、少子化対策の担当者への意見聴取からは、
(1)自治体独自の結婚支援センターの開設
(2)第2子誕生祝い金の創設
(3)子どもが1歳になるまでの育児休業取得者を雇用した企業への支援
などの新しい、少子化対策に向けた事業案が出されています。
自治体によっては、早ければ1月末にも交付配分が確定する見込みであり、秋田県は「交付金が地域の実情に合った少子化対策に生かされ、少子化に歯止めがかかるよう、事業を精査したい」としています。
ところで、秋田県の08年の出生率(人口1000人当たり)は、6.7であり、最高の沖縄県の約半分しかありません。さらに婚姻率(同)は、4.1で、それぞれ14年連続、9年連続で全国最下位に低迷しています。
危機感を募らせた秋田県は、この交付金制度の新設とともに、10年度から新たに「少子化対策局」も新設すると発表しています。
※出生率の全国ランキングは、こちらからご覧ください。 http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/107029/00000420062013.pdf
2010-01-05 ツイッター(Twitter)を始める
ツイッター(Twitter)とは、個々の利用者が「つぶやき」を投稿し合うことでつながる、ゆるやかなコミュニケーション・サービスです。
各利用者は、自分専用のサイトを持ち、例えばWhat are you doing?(今、何しているの?)の質問に対して、140文字以内でコメントを投稿します。
画面には自分の投稿以外に、あらかじめ登録した知人など、他者の投稿もほぼリアルタイムに表示されます。
例えば「句会を開きたい」というつぶやきに対し、それに賛同した知人が答えることで、メールなどに比べて「ゆるい」コミュニケーションが生まれていきます。
※ツイッター(Twitter)に登録する手順は以下の通りです。
1.Twitter社のサイト http://twitter.com/ にアクセスします。
2.緑の「Twitterに登録する」をクリックします。
3.「名前」と「ユーザー名」を入力します。誰も使っていないユーザー名であれば、登録後に「http://twitter.com/ユーザー名」というURLを与えられ、緑色の「Available!」(=利用できます)という文字が出てきます。
さくさべのユーザー名は、https://twitter.com/60kara です。
4.「パスワード」に、半角英数の6文字以上のパスワードを入れます。
5.「メールアドレス」に、自分のメールアドレスを入力します。
6.新機能が追加されたときに通知してほしければ「新機能の追加などに関する、Twitterからのお知らせメールの配信を希望」にチェックを入れます。
7.「上記の文字を入力してください」に、その上にある文字列と同じものを入力します。2種類表示されていますので、2つとも入力します。
8.「アカウントを作成する」ボタンをクリックします。
9.ユーザー名が他と重複していると、再び入力する画面になります。新たに別のユーザー名を入力すると、それが利用可能かどうかが分かります。
【ツイッターの楽しみ方】
「あなたの友だちを見つけてフォローしてください。」ボタンを押します。
「ついったーで検索」「他のサイトで検索」「メールで招待」「おすすめのユーザー」などで仲間を募ります。適当に押しても、いろんな方が出てきますので、お目当ての方を選んで「Follow」ボタンを押します。
Followし終わったら、画面左上の「Twitter」画像を押すと、投稿画面になって、相手のつぶやきが表示されています。自分のつぶやきを入力して「投稿する」を押すと、つぶやきが表示され、相手にも届きます。次回からは「Twitter」からログインすれば、自分の投稿画面に自動的に飛びます。
【その他のツール】
@メッセージ
@メッセージとは、特定のユーザーに発言を伝えるための、特殊な発言方法です。やり方は「@[ユーザー名] [発言内容]」という形で記述して発言をします。(@は半角、ユーザー名とコメントの間に半角スペース)。
すると、この発言は @の後ろに書いたユーザー宛ての発言(reply/返信)という扱いになり、相手のホームのほか、「replies」タブに表示されるようになります。
ダイレクトメッセージ
ダイレクトメッセージとは、特定のユーザーに直接送られるメールのような感じのメッセージで、他のユーザーからは見えません。
また、このダイレクトメッセージを受け取ると、その旨を知らせる通知メールも同時に送られます。ただし、ダイレクトメッセージを送るには、お互いに Followしあっている状態である必要があります。
Twitter Line
Followしているユーザーの発言をヘッドライン表示する Firefox用ツールバー(アドオン)です。
FLOA Twitter
自分の Followしているユーザーから、他のユーザーをアイコンでたどっていけるサービスです。友達選びなどに利用できます。
※掲示板との違いは、twitterは登録したユーザの書き込みだけが表示されるため、「荒らし」などの妨害が入らない利点があげられます。
naoshi11
2010/01/19 07:21
努力しますが、結構きつい…。我が市の議員30人の内、PC操作ができるのは約3人です。
2010-01-02 正月2日の初夢に
江戸期の庶民たちは、宝船に乗った七福神の絵を枕の下に入れ、縁起の良い『初夢』を見る努力をしていたようです。
当時の風俗として、正月早々に「お宝、おたから〜」という売り声で、回文の歌が書かれた宝船の絵を売る歩く「宝船売り」が来て、暮れどきになると庶民は、競ってそれを買いに走りました。
『なかきよの とをのねふりの みなめさめ なみのりふねの をとのよきかな』 (長き世の 遠の寝ふりの 皆目覚め 浪乗り舟の 音の良きかな)
七福神といえば、おなじみの恵比須神、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋尊という七人の神々です。
ただし、このうち恵比須神だけが、日本古来の神様であり、大黒天、毘沙門天、弁財天はインドの神様、そして、福禄寿、寿老人、布袋尊は中国の神様であることは、あまり知られていません。
日本の福の神としては、大黒天、恵比須神の「二福神」が盛んに祀られていましたが、室町時代に入ってから、禅と茶道の隆盛に伴い、茶室のしつらいなどに、中国の「竹林の七賢人」などの絵が、人気を呼ぶようになりました。
そのため七賢になぞらえて、福の神を7人にしようと、大黒天、恵比須神に5人の神様を追加して「七福神」にしたのは、臨済宗大徳寺の有名な「一休さん」こと、一休禅師だったと言われています。
また、昔から良い『初夢』は、「一富士、二鷹、三なすび」といいますが、富士(=無事) 鷹 (=高く) なすび(=成す)の暗喩というのが一般的です。
ところで、「夢」とはいったい何でしょうか。夢にも歴史があり、現代の私たちはフロイトの「精神分析の夢解釈」以後の時代に生きています。
「無意識が夢を見ている」と考える前には、夢とは神聖な体験であり、夢とは勝手に見るものではなく、神仏によって見せられるものでした。
したがつて、夢はイメ(寝目)と呼ばれ、古代においては特権者のもので、選ばれたシャーマンが、特別な場所と特別なやり方で見るものがイメであり、それは神と出会う、神聖な場でもありました。
日本最高のシャーマンは、もちろん大王(天皇)ですが、神政政治上の判断を神に仰ぐ場が「夢」であったとされています。
仏教が伝来してからも、この夢見のスタイルは変わらず、法隆寺にある聖徳太子の夢殿は、本来は仏教の三昧堂であるはずが、人々には夢を見る特別な場所として認識されたため、「夢殿」と呼び習わされてきたものです。
古来からの夢見の原型は、聖地での「籠もり」です。こもりとは何もしないことであり、何もしないことが、ただ神に尽くすことであるとされました。
聖地とはたいてい洞穴であり、つまりは墓所であり母胎であることを意味し、まさに死する所であり、生まれる所でもあります。
つまり、聖地は同時に神の国の出入口であるからこそ、そこでの体験は神の国での体験となり得たのでした。
※例として、吉野は金峯山の「笙の岩屋」にこもった、日蔵上人の冥界巡りが有名です。
修験道とは、山の洞穴で死して再生することを体系化したものです。一般の山ごもりができない人々は、近くの寺にこもりました。その頃に考えられていた死とは、あの世に、つまり黄泉(ヨミ)の世界に連れて行かれることです。
夢を見るということは、そういう疑似体験なのであり、あの世から再びこの世に黄泉がえること、すなわち目覚めることが再生を意味するものなのでした。
2010-01-01 寅年元旦 謹賀新年!
明けましておめでとうございます!さくさべは、1950年寅年の1月生まれ、ついに還暦を迎えました。
長沢蘆雪 「虎図」
本州最南端の町、和歌山県串本は、細く曲がりくねった道が入り組む漁師町です。その道の果てにある無量寺に、江戸時代半ばの天明6年(1786)、京の都から一人の絵師、長澤盧雪がやって来ました。
京画壇の巨匠、円山應擧の名代として来た彼は、襖絵『虎図』を残しました。それは無量寺の別院、應擧盧雪館に収められており、この『虎図』は、襖6枚に描かれた、日本で最も大きな虎の絵と言われています。
躍動する長い尾、太くしなやかな後ろ足、地面を掴む柔らかな足の鋭い爪。その肩の盛り上がりは、今まさに獲物に飛び掛ろうと、力を蓄えているかに見えます。
しかし、よく見ると、尻尾は長すぎ、後ろ足に比べると貧弱で短い胴、そして顔より大きな前足と、一つ一つはバラバラで、獰猛で勇壮なはずの顔は、まるで猫のようです。それでも全体では絶妙なバランスを保ち、躍動感に溢れています。
盧雪は、与謝蕪村、伊藤若冲、曽我蕭白などの天才たちが同時代に生きていた京の町で、その頂点に君臨していた円山應擧の門下生となりました。
「生を写し、気を描く」を神髄とした應擧は、あらゆる絵画の伝統を統合し、斬新な眼差しで日本画の新しいスタンダードを確立した京画壇の巨匠でした。
時には應擧を凌ぐほどの、恐るべき腕前を持った異能の絵師の盧雪は、いたずら好きで多芸多趣味、酒好きであり、3回の破門を経験しています。
ところで、盧雪は山城国の淀藩の下級武士の子弟とされていますが、その出自は明らかではありません。盧雪が弟子入りしたのは10代の頃で、町人が多かった應擧の門下で、武士の盧雪は異色の弟子でした。
京都四条の應擧宅に修業に通っていたある冬の朝、盧雪は小川に張った氷の中に閉じ込められている魚を見かけます。その帰り道、氷が溶け、自由を得て嬉しげに泳いでいる魚の姿がありました。それを聞いた應擧は、「苦しい修業時代も段々と氷が溶けるようにして画の自由を得るもの。それをよく心得よ」と諭すのでした。
その教えに感銘した盧雪は、落款に水中の魚の文字を刻み、生涯使い続けました。やがて盧雪は、千人を数える弟子の中から、めきめきと頭角を現していきます。
盧雪の魚の落款
盧雪は、應擧の絵の細やかさや、華麗さまでも完璧に模写し、師匠の技を完璧なまでに自分のものにしましたが、腕を上げると、いたずら好きの性格が顔を覗かせ、盧雪は應擧の描いた手本の絵を、そのまま持参して直しを乞います。
應擧は自らそれを手直ししてしまい、次に持って来た盧雪の絵を「上出来」と褒めます。これが應擧にばれて、盧雪は破門されてしまいました。
その後の天明6年、かねてから親交のあった無量寺の僧、愚海が應擧を訪ねて来ました。愚海は、大地震の大津波によって壊滅した無量寺を再建させ、本堂の襖絵の製作を應擧に依頼しに来たのでした。
しかし、多忙なうえに旅が嫌いな應擧は、一度は破門しながらも再び重用した盧雪を名代として送り出しました。それは兄弟子たちを飛び越えた異例の抜擢でした。
その年の冬、盧雪は淀川から船に乗り、南紀へと旅立ちます。そして、この時期に画風が激変しました。盧雪は南紀滞在中に270枚もの絵を描いたといいますが、師の應擧や、寒い京の町から遠く離れ、ついに盧雪は解き放たれたのでした。
まるで氷に閉ざされた魚が、あらん限り自由に泳ぎまわるように、盧雪は新しい画風に挑み、人の意表をつくユーモアとウィット、奇抜な発想で、奇想の画家となって、人々の記憶に残ることになります。
時には師の應擧さえも越えんとするその才能は、やがて自身の命をも脅かすことになります。自由奔放に生き、描いた盧雪を、應擧は最期まで重用したため、周囲の嫉妬や反感は凄まじかったといいます。寛政11年(1799年)、46歳で謎の死を遂げた長澤盧雪には、いまだに暗殺説がささやかれています。
※ 参考 キリン・アートギャラリー 美の巨人たち
2009-12-27 今年の注目…12月
鳥海・成瀬ダムは検証の対象に
前原国土交通大臣は12月25日、2010年度に全国で行われる136ダム事業のうち、八ツ場ダム(群馬県)など89事業について、事業を継続するかどうかを検証する対象に選んだと発表しました。
この中には、秋田県内の3つの国直轄ダム事業のうち、本体工事に着手していない成瀬ダム(東成瀬村)と鳥海ダムが含まれています。
対象とされた事業は、来年夏ごろまでには、中止するかどうか判断されますが、本体が着工済みの森吉山ダム(北秋田市)は事業継続が決まり、完成が確実になりました。
成瀬ダムと鳥海ダムは2010年度に、新たな段階に入らないが、現段階の工事や調査は続けられる予定です。
秋田県は、国が内示した来年度予算案の影響について、公共事業費関連経費が前年度比18・3%減の、5兆7731億円に縮減されたため、実施事業の選別の必要性を指摘しています。
また、ダム建設関連では、森吉山ダム(北秋田市)は完成に向けた事業費19億円が計上されました。成瀬ダム(東成瀬村)は本体着工に向けた関連費に27億円、鳥海ダムは環境アセスメントのため2億9000万円が予算措置されたものの、成瀬と鳥海はダムによらない治水策への転換を検討する委員会の検証対象になりました。
2009-12-26 今年の注目…11月
鳥海・成瀬ダム工事の行方
前原国土交通大臣が「本年度内は新たな段階に入らない」と表明した全国のダム事業のうち、県内の3つのダム事業について、秋田県選出の国会議員7人にの意見は、次の通りです。
本体工事が未着工の成瀬ダムと鳥海ダムについては、民主党と民主党系会派の計5人が、態度を明確にしませんでした。民主党の松浦大悟参院議員(本県選挙区)は事業継続に反対、自民党の金田勝年衆院議員(比例東北)は条件付きで賛成と、態度を明確にしました。
未着工ダムに対する政府の姿勢が注目される中、3つのダム事業のうち森吉山ダムについては、完成予定が2011年度に迫っていることから、6人が事業継続に賛成としました。
ただし、来年度予算案の無駄を洗い出す行政刷新会議で「事業仕分け」を担当する寺田学衆院議員(秋田1区)は「個別の事業について具体的に答えることは控えたい」としています。
京野公子衆院議員(秋田3区)の選挙区には、成瀬ダムと鳥海ダムの建設予定地がありますが、成瀬ダムについては「必要とされた経緯や目的のほか、代替案を検証する必要がある。現時点では賛成、反対のどちらでもない」 、鳥海ダムについては「判断するだけの材料を集められていない」と述べるにとどめました。
川口博衆院議員(秋田2区)は「地元の意向を丁寧にくみ取って、方向付けしないといけない」と述べ、高松和夫衆院議員(比例東北)も「地元の意向は十分に尊重しなければならないが、微妙な問題であり、回答は控えたい」と慎重な姿勢を示しました。
鈴木陽悦参院議員(本県選挙区)は成瀬ダムについて「ダムに代わる効果が得られるものを作るべきとも考えるが、建設による経済効果、完成後の交付金を見込んでいる自治体もあり、複雑だ」と述べ、鳥海ダムは「賛成、反対を含めて、もっと議論の余地がある」と指摘しました。
松浦氏は成瀬ダムに関し、 「計画当初と状況が変わり、農業用水を確保する必要性は薄れてきている。治水面では堤防の整備を急ぐべきだ」と強調し、鳥海ダムについては「建設による経済効果を期待するよりも、美しい自然を生かす方向でまちづくりを進めてもらいたい」としています。
金田氏は「ダムによる治水、利水の必要性に基づいて進められてきた事業であるとすれば、現時点での地元の考えをしっかり確認した上で、粛々と進めていくべきだ」との意向を示しました。
成瀬ダム反対派が知事に代替案提出
成瀬ダム建設に反対する「成瀬ダムをストップさせる会」(横手市、奥州光吉代表)は11日、同会が提唱する成瀬ダム建設事業の代替案を、佐竹敬久知事に示しました。
佐竹知事が「成瀬ダムの建設を中止するならば、代替案が示されなければならない」と述べたことを受け、奥州代表は「(県とは)裁判で争っている立場にあるが、一刻も早くこの問題を解決したいという思いで来た」と述べ、佐竹知事に代替案を提出しました。
代替案としては、 「皆瀬ダムの水位を柔軟にコントロールして、かんがい用水を確保する」というもので、アメダス情報などに基き、7月以降も晴天が続く時は貯水し、雨予想の際は放流を繰り返すことによって、洪水に備えながら夏場に500万トン以上の水を確保できるとしています。
その後に開かれた記者会見では、 「減反が進んでいるのに、水が今の2倍必要というのはおかしい。今ある資源を有効に生かすべきだ」と、ダム建設促進の論拠を批判しました。
「地域用水確保を」成瀬ダム推進を決議…秋田県土地連平鹿支部
横手市内11の土地改良区でつくる秋田県土地改良事業団体連合会平鹿支部(支部長・柴田康二郎県雄物川筋土地改良区理事長)は12日、成瀬ダム建設を推進する決議を採択しました。
決議文では「農業用水のみならず、非かんがい期の防火、消融雪、環境保全に使う地域用水の確保が不可欠。一致団結して成瀬ダム建設と国・県営かんがい排水事業を推進する」などとしています。
この日、同支部の定例講習会が横手市の松與会館で開かれ、柴田支部長が決議を提案し、出席した11土地改良区の役職員約120人が、全会一致でこの決議を採択しました。
2009-12-25 今年の注目…10月
秋田とロシアが経済、文化交流を促進
ロシアの南東部に位置する沿海地方は、その地理的要因から、我が国の環日本海側の自治体との関係が強く、1991年には島根県、鳥取県がそれぞれ沿海地方と「友好交流に関する覚書」に署名し、翌92年には大阪府、富山県が沿海地方との間で姉妹関係を締結しました。
また、ウラジオストク市は新潟市、函館市、秋田市と、さらに沿海地方第2の都市であるナホトカ市は舞鶴市、敦賀市、小樽市とそれぞれ姉妹都市関係にあります。
これらの自治体を中心として以前から様々な分野での交流が行われてきましたが、近年特に経済分野での交流を発展させようとする動きが多く見られています。
秋田県とロシア・沿海地方行政府は10月22日、環日本海貿易の拡大を視野に入れ、両自治体間の経済・文化交流を促進させる協定を締結することで基本合意しました。
ウラジオストクを訪問中の、佐竹敬久知事が同行政府のセルゲイ・ダリキン知事に提案し、それが了承されました。
沿海地方行政府で、佐竹知事は秋田港シーアンドレール構想実現に向けて、ロシア航路の早期開設を目指していることを説明し、「ロシア極東地域は今後の経済発展が期待されている。秋田市とウラジオストクは姉妹都市提携を結んでいるが、県と沿海地方との間でも経済、文化などの交流を促進する協定を結びたい」と提案しました。
ダリキン知事は「沿海地方の農業、工業の発展などさまざまな効果が期待できる。姉妹都市提携も含め、具体的な文面を検討したい」と賛同。本県のシーアンドレール構想に「全面的に支援したい」と述べました。
佐竹知事は、帰国後の10月26日の定例会見で、県とロシア沿海地方行政府が合意した経済、文化交流などを促進する協定について、締結時期は年度内の来年1月をめどとする考えを示しました。
ロシア沿海地方行政府のセルゲイ・ダリキン知事は、来年1月の本県訪問に意欲を示しており、佐竹知事は「そうした時に(協定締結を)やりたい」と述べています。
本県側から提案した協定締結に関しては、「ダリキン知事はいい感触を示してくれた」と説明。ダリキン知事が期待感を示した農業分野での支援を含め、経済、文化、学術など包括的な交流協定を目指す考えを強調しました。
ところで、由利本荘市松ヶ崎の深沢町内と、ウラジオストクとの間に、長い民間交流のあることも是非知ってもらいたいと思います。
詳細は、この佐々木三知夫さんのブログからどうぞ! http://www.donpu.net/12/nikorai.htm









































