金ちゃん頑張れ!!
リングドクターを始めて15年強。
今もなお、一生懸命頑張っている。
でも、リングドクターはリングドクター。選手に安心と安全を与える責任を背負いながら、いつもプレッシャーと戦う。
そんな、素晴らしい世界。 大変だから、面白い。
だが、一格闘技ファンとしては、もちろん胸いっぱい楽しめない。
当たり前だ。楽しんでいる暇はない。
ファンとして、船木さんはもちろん、近藤有己、菊田早苗、KEI山宮、佐々木有生といった、PANCRASEとGRABAKAの”第二世代”を遠くで見ていた。
だが、彼らとは完成され有名になってから親しくなった。
憧れのようなものだ。
そんな中、自分に対して初めて、自分の弟かのように親しみを込めて接してくれ、頼りにしてくれて、そして無欲のままコツコツ頑張っていた、”弱いころから知っている選手”が、金原正徳選手。
自分の格闘家との付き合い、総合格闘技との付き合い方...を正反対に変えてくれた選手だ。
今でこそ、開業後6年が経過して、何となく開業医としても形ができてきたが、開業当時はひどかった。そして辛かった。
数々の爆弾が投下され、何度も倒壊しそうになったが、”気合い“のみで持ちこたえた、ジリ貧状態だったこともあった。
その時に、戦極フェザー級トーナメントに優勝した金原君が、”武蔵村山音頭”で入場した時は、リングドクター席で涙した。
武蔵村山っていう言葉に、非常にデリケートになっていた時だ。
踏みとどまるか、投げるか...。
そこで自分の行く先を強い心で決心した。そして、今がある。
僕は今でも、金原正徳≒武蔵村山の英雄 と思っている。感謝している。
それから、弟のような金ちゃんを応援し続け、今に至る。
金ちゃんの目指す場所が、”UFCのチャンピオン”と決めてからは、自分の事のように、心では自分も戦っていた。
そして今回、満を満を満を...持して結ばれた”UFCとの契約”。
唐突過ぎてびっくりしたが、”感情を出してはいけない医者”が、感情を思いっきり表に出してガッツポーズ!!した。
そして、今日、金ちゃんが本当に久しぶりにクリニックに顔を出しにきた。
もう、戦闘態勢なの?? という位、寡黙だった。
今までの戦闘の蓄積による怪我は、いうならば”財産”。
財産と、みんなの夢・期待と、自分の信念と、チャンピオンのプライドと、反骨心と、バカヤローと、家族と、仲間と、弟子と... いろんなものを背負って9月の夢舞台に上がる。
自分も、気持ちは一緒に上がる。
アライケンジ選手に勝って、戦極に出場し、トーナメントで優勝。
一緒に、NAOKEESで野球をやった。
クリニックには、一番よく来てくれた。来院回数はトップだ。
結婚式では、主賓でご招待してくれた。
一緒に巨人戦も観に行った。
さいたま新都心駅で、一緒に年越しした。
金ちゃん。自分は胸がいっぱいなので、これ以上は力になれないけれど、本当に頑張ってくださいね。
そんな、木曜日。
自分も、精一杯頑張ろう。