いま、電車内で読んでいる本

◇今朝の丹沢の山並み
 朝起きて、素振りをしようと木刀を持って屋上に上がったら、丹沢の山々と雲の動きがきれいだったのでシャッターを切る。
       


◇今日は一日、案内所
 溜まっていた事務的な仕事をする。

 
◇いま、読んでいる本
 いま、通勤電車内で文庫・帚木蓬生著『天に星 地に花』を読んでいる。
 やっと、(上)が読み終わった。
       
 著者の帚木蓬生(ははきぎほうせい)さんは、医師(精神科医)である。
 その帚木さんが書いた「江戸時代の医者物語」だと言うことと、この物語が、幕末、蝦夷地に幕臣の国を作ろうとした榎本武揚らに合流し、箱館戦争に医師として参加し、箱館病院の院長として、敵味方の差別なく治療に当たった医師・高松凌雲に関係している物語だと知って、読んでみようと思った。

 まだ、(上)しか読んでいないので、読後感想は後日とするが、物語は、久留米藩領井上村の大庄屋高松家の次男坊に生まれた庄十郎が主人公。
 庄十郎は、幼くして疱瘡(天然痘)に罹り、命は取り止めたものの、母と下女が命を落とす。それを機に、庄十郎は医者になることを目指す物語なのだ。
 父から聞いた家老の屋敷に掛かっている掛軸の「天に星、地に花、人に慈愛」の言葉。
 (上)の最後に、この言葉から庄十郎は、医師の道とは何か、医師としての心根を見つける。
 「天に星があるならば、このような死に至る病を人に押しつけないのではないだろうか、いや、そもそも、飢えがはびこっているのも、もとはといえば、天の仕業ではないか。
 そう考えると、天はもともと漆黒なのかもしれない。その中に、ぽつりぽつりと星がきらめいているだけなのだ。この大地も漆黒、人の世も漆黒。だからこそ、花の美しさが映え、人の慈愛が際立ってくるのかもしれない。
 庄十郎は得心がいく。医師の仕事とは、漆黒の天に星を見、漆黒の地に花を見出し、漆黒の人の世に、わずかなりとも慈愛を施すことかもしれなかった。」


 (下)では、庄十郎が医師として、どのように成長するか、その展開が楽しみである。