また会う日まで
日付が前後するけど,5/31の採集記を書きます.
生研の某ライスなんとかさんから,「大分県のとある場所にクロカタビロオサムシが湧いている」との情報をいただいた.
ぼくは,高校生の時何を隠そうオサムシを集めていたのだが,クロカタビロには逢えずじまいだった.そこに来て,この情報だ.もう行くしかない.
九州のクロカタビロオサムシは本州とは少し異なった環境を好むようで,灌木をまじえた草原地帯において採集されているらしい.
う〜〜〜〜ん,どうもピンとこない…….クロカタビロってブナ林にいるものじゃ??
まあ,行けば分かるか.大分だし,行けばなんか採れるだろ.
と,いうわけでバイクをかっ飛ばして大分の草原地帯へ.
着いてみると,観光客が草原のそこらじゅうにシートを広げてお食事中…….
おいおいおい,これじゃ採集どころじゃないじゃん.こんな何もないところでメシなんか食べて何が楽しいんだか…….
とりあえず,観光客がいない一角でムシを探すことに.
情報筋によるとかなりの数がいるとのことだったが,いくら歩き回ってもエリトラの1つも見つけられない.
おっかしいなあ.
30分くらい歩きまわっただろうか,草原の縁に植わっているカシワにキマワリみたいな物体がついていた.
おお,キタ!!!!
クロカタビロオサムシCalosoma maximowicziたそ〜〜〜.
結局このカシワの周辺だけで3頭採集できた.
まあ,しかし,なんというか…….
ツマランよね.
だって歩き回って得られるムシがクロカタビロだけっていうのもねえ.
趣向を変えて,植わっている木をルッキングしてムシを探していくことに.
観光地だけあって(?)結構ヤマボウシが植わっていた.この時期でヤマボウシというと,あの珍品タマムシかな?
あっ,いたわ.サビナカボソタマムシCoraebus ishiharai Y.Kurosawa,1953だ.
てかベタベタついているんだけど.普通種か…….
この種はヤマボウシの花(正確には総苞弁)を好むらしいが,ぼくが探した限りでは,どれも若くて小さい葉についていた.
まあしかしこれだけである.う〜〜ん,そろそろいい時間だし,どうしようかな.帰るか,それとも場所を変えるか.
そういえば,今回ゴミダマ採ってないじゃん!
場所を変えるか…….
というわけで,毎度おなじみのK岳へ.
ジミ〜な採集をして,チッコイ虫を得た.
うれしかったのはこれ.
モリモトヒメナガクチキHolostrophus morimotoi Sasaji, 1974.落ち枝からバラバラ降ってきた.
ゴミダマじゃないじゃん!って声が聞こえてきそうだけど.ゴミダマだよ!
ゴミムシダマシ上科だよ!!!!
はい.
まあこんなもんで,続いて夜見回り……といきたいところだけど.
なんか,日が暮れるまでの時間ってもどかしいじゃないですか.
そういえば,クロカタビロって夜はどうしているんだろう……明かりに集まったりするんじゃないのかな,と思ったわけです.
じゃあ,先ほどの草原で夜まで少しクロカタビロを探して,それからK岳に行こう!うん,それがいい!!
ということで,またさっきの草原まで…….
草原についたころはだいぶ日が暮れており,辺りはまあまあ真っ暗.しかも都合のいいことに,水銀灯がついている!!!
これは夜の部もクロカタビロざっくざくかな?
…….
………….
いねえ.
明かりにも来ていないし,そこらへんを歩いてもいない.なんだなんだ,アイツは夜は活動しないのか???
仕方がない,場所を移動するか……
アレッ?
バイクの鍵が……ない.
おかしいな……さっきまで持ってたはずだけど.
おかしいなあ.
おかしいなあ!!!!!!!!!!!!!!!!!1
このへんで冗談抜きで青ざめる.テント寝袋は持っていないので夜を明かすことはできない.ここは夜は気温がめちゃめちゃ下がる(標高1000mくらいです).今の自分の服装は,ライジャケの下が半そでTシャツ.
詰んでないか?
あ,あ,どうしよう.
仕方がないのでmixiに今の状況を報告すると,九州オオズさんが電話をかけてきてくださり,いざというときは近くのホテルか宿に飛び込んだら?とアドバイスをいただいた.
いやあ,しかし誰かと話すだけでだいぶ落ち着くことができた.ありがたいなあ,本当にありがとうございます…….
話している間にもローラー作戦で鍵を探していたのだが,一向に見つからない.持っていたと思ったスペアキーも家に忘れてきてしまったようだ.
ええい,もう,どうにでもな〜〜れ!!!
車を持っている知り合いに片っ端から電話をかけてヘルプを求める作戦でいった.みんな福岡在住だから来てくれる可能性はケシツブくらいだけど,やらないよりはやるほうがマシだ!!!
まず1人目!
「無理を言って申し訳ないけど,今から迎えに来てくれないか!?!?」
と頼んだら,
「う〜〜ん,そこまで言うなら……」と来てくれることに!なんとありがたい!!!
E君本当にありがとう!!!!!!1
それで結局,バイクを置いてE君の車で帰ったのだった…….さようなら,マイバイク…….
〜〜〜〜〜
後日,生研部員のりっちゃん(4年生)を言葉巧みに騙し採集に誘い,バイク回収の算段を立てた.
車をかっ飛ばし,例の草原につくと,バイクは……
あった!!!!!!!!!!!
無残にも横倒しになり,タンクバッグが荒らされていたが,無事だった.
あああ,ごめんな.よしよし.もう大丈夫だから.
この後K岳で採集したが,りっちゃんにセアカオサムシを目の前で採られて大変悔しい思いをした.あれ,前もこういうことあったな…….