ごみだまろぐ

甲虫屋のネガティブ日記

何のムシを考えてるの?吹き上げスペース争奪戦

戦況的に一進一退で油断ならないな.





今週と来週は月曜日のゼミがないため,金土日月と採集に充てることが可能だ.

さてどこに行こうか.とりあえずムナコブの先週のリベンジに行くことにしよう.


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6/19

寝坊したので一日中寝ていた.


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6/20

朝6時に出発し,熊本を目指す.

かなり個人的な考えだが,ムナコブ採集は本当につまらないと思う.決まったムシしか狙えないし,ムシが少ないし,ずっと神経を尖らせているというのは疲れる.

できれば来年以降はやりたくないな.今回なんとしてでも落とさねば.


9時ごろポイントに到着した.ちゃっちゃと準備を済ませてピークに上がると,先客が一名いた.話を聞くと,すでに1頭採集されているとのことだった.

実は時期が遅いんじゃないかと内心ドギマギしていたのだが,出ているということでひとまずは安心.さて,狙うぞ.


ムナコブにはちょうどいい.


あっ,カミキリが飛んだぞ!

つって網に入るのは大抵ベニハンノキカミキリCagosima sanguinolenta Thomson,1864.飛んでいる時,エリトラがオレンジ色に見えるがたまに赤色に見えて紛らわしい.

ベニハンノキとかソボリンゴカミキリを網に入れて遊んでいると,頭上に黒くて小さい虫がぶいーんと飛んだ.

ああ,コメツキか……と思ったが(ここはコメツキが非常に多い),かすかに長い触覚が見えた.


ありゃカミキリだな.とっさに網を伸ばすが,ソイツはクルッとターンして地上3mくらいの高さを旋回する形になった.


もうムチャクチャにエイヤッと網を振ると,幸運にも入ってくれた.

ありゃ,採れちゃった.キュウシュウヌバタマハナカミキリJudolidia kyusyuensis Kusakabe et N.Ohbayashi, 1992.


ここは採れるカミキリに序列がある.キュウシュウヌバタマ♀>ムナコブ♀>キュウシュウヌバタマ♂>ムナコブ♂ というものだ.

このキュウシュウヌバタマは♂であるから,ムナコブ♂よりはいいカミキリということになる.


しかしなあ.ぼくはムナコブを採りにきたのに…….どうせならムナコブが飛んできてくれ〜〜〜!!!


その後お昼くらいにキュウシュウヌバタマハナをもう1♂追加し,この日は終了.結局ムナコブは飛んでいる姿すら見ることができなかった.


ぼくの他に虫屋が3人いたのだが,ムナコブは最初に採れた1頭だけで,他の人も見なかったらしい.

「今日はかなり条件が良かったのにこれだけ見ないということは,もう終わりかけかもしれない」

と,みなさんが口をそろえて言っていた.



夜はさっさと寝るつもりでいたが,見ず知らずの登山客の集団からお酒をいただいて談笑した.


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6/21

さんざん悩んだが,今日は午前中だけ粘ることに.お酒を飲んだせいであまり寝れなかったので,気が早いが7時にはピークに立つ.

今日は日差しが強め.


少しして朝ごはんを食べていると,地面スレスレを飛ぶ黒い虫が!

触覚をマクドナルドの「M」字のようにして飛んでいたので,朝ごはんを放り投げて手でバシッと叩き落とした.

またキュウシュウヌバタマハナの♂だ!だいたい7時半くらいで,こんな時間から飛ぶのかとちょっとびっくりした.


ベニハンノキの生態写真が採れた.


この日は3人の虫屋さんが来ていたようだった.結局正午までムナコブは来なかったので,大分方面に場所移動することに.



道中のクリの花を掬いながら移動する.


しかし,どの花を掬ってもショボいムシしか入らない.


ノグルミだかサワグルミの葉裏を見ていくと,キモンカミキリMenesia sulphurata (Gebler, 1825)が.


しばらくして,大分のポイントに着いた.ここでもクリの花を掬うが,めぼしい成果はなし.


日が暮れたので山に入りなんやかんやした.最近は夜の山が怖く,今回も気が狂いそうになった.よって大したムシは採れず.

ライトにはクワガタが来ていた.


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6/22

今日はトッテオキのポイントでクリの花を掬うつもりだったので,また移動する.





トッテオキのポイントは工事中で入れなかった.はい終了!


雨が降ってきたので,このまま帰るか〜と思ったが,佐賀県のとある山を経由することにした.

ここではとある珍なゴミダマが採れているのだ.

採れた環境が特殊なので,とりあえずそういった場所を探すが,うまく見つけられず,ごくごくツマラナイものを採っただけに終わった.


今回は物凄い消化不良感を胸に帰宅した.