市長立候補予定者・公開質問回答 -市民参画編-

政策研究ネットワーク「なら・未来」では、7 月21 日の奈良市長・市議会議員選挙に向けて立候補予定者に公開質問をおこないました。先日の財政編に続き、こちらは、市民参画編です。





この市民参画についての回答を含め、その他の立候補予定者の回答や、論点ごとのとりまとめたものを、すでに、「市長立候補予定者・議員立候補予定者の公開開質問に係る報告書」として公開しております。ぜひご参照ください。


回答者は、市長立候補予定者(5月27日時点)の7名のうち、仲川げん氏池田のり久氏大野ゆうじ氏中村あつ子氏天野秀治氏にご回答をいただきました。(立候補表明順)。浅川清仁氏と森岡正宏氏は、回答を辞退されました。


お忙しい中、回答にご協力をいただきました立候補予定者の皆様に御礼を申し上げますとともに、市民・有権者の候補者選択に本回答が有効に生かされますことを祈念しております。

【公開質問回答ー市民参画編ー仲川げんさん】


仲川 げんさんの回答




2.市民参画(参加)と協働による市政運営について


(1)奈良市の市民参画と協働による市政運営の現
状について



Q・奈良市の市民参画と協働による市政運営の現状をどのように認識されていますか。その現状認識と課題についてお書き下さい。

A・奈良市では平成21 年7 月に「市民参画及び協働によるまちづくり条例」を施行し、これに基づき22 年12 月には「推進計画」を策定するなど、これまで市民参画・協働への取り組みを市政運営の柱に置き施策を推進してきました。「タウンミーティング」や「市長と気軽にトーク」の開催、「市長への手紙」、「ご意見箱メール」など、様々な市民との対話の場を設けており、また、市民公募委員の登用や、全職員を対象とした協働に関する研修の実施など、行政、市民双方で市民参画・協働に対する機運が高まってきているように感じています。この機運を捉え、双方の思いをしっかりと市政運営に生かせるような仕組みの強化に取り組んでいきたいと考えています。


(2)市民参画の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民のニーズや意見、提言・提案等を積極的に取り入れる必要があります。「奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例」には、市民参画とは「市の施策の企画立案の過程から実施及び評価に至る各段階において、市民が主体的に参加し、意思形成にかかわることをいう」と規定しています。「奈良市はいま以上に市政への市民参画を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、市民参画を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・行政や議会による独断と密室政治によって税の使途が歪められてきた結果が、膨大な借金を生み出した一因だと考えます。市政運営の主役はいうまでもなく市民であり、自分たちの納めた税金がどのように使われるかという事に対し、より積極的に関心を持ち、関わる事が重要だと思います。本市でも予算編成過程や要求調書の公開、事業仕分けへの市民参画等に取り組んでいますので、引き続き重要な取り組みとして進めたいと思います。

(3)協働(制度)の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民、自治会などの地域自治組織、NPO、事業者等と行政との協働(パートナーシップ)による公共サービスの供給が求められます。「奈良市はいま以上に市と民間団体との協働を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、協働を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・企業セクターだけでなく、住民自治組織やNPO等との協働による公共サービスの提供を広める必要があります。具体的には行政が取り組む施策において、民間の力を活用できる事業を選別し、担い手を広く公募することで、コスト削減と市民サービスの向上が図れると考えており、これにより、協働が充実・強化されるのではないかと考えます。また単に従来の行政事務を外部化するだけでなく、本市が取り組むオープンデータ・ビッグデータ推進協議会のように、行政が持つ資源を活かした民間での事業展開や新たなサービス創造についても積極的に進めて参りたいと考えております。

(4)地域自治の仕組み(システム)づくりについて



Q・「例えば、小学校区単位で『まちづくり協議会』などの地域自治組織をつくっていくべき」との意見がありますが、このような意見に賛成ですか?小学校区単位における地域自治の仕組みづくりの必要性について、また地域自治の仕組みづくりに求められる行政の支援体制などについてお書き下さい。

A・本市の自治会組織や住民活動の拠点、活動単位は小学校区となっています。先進市においても、小学校区単位にまちづくり協議会や自治協議会を創り、その地域の各種団体が地域の課題を議論するという展開が広まっており、本市においてもこ
の仕組みは検討する必要があると考えています。今後、住民自治の中心となっている自治会組織を核として、その周りの各種団体との連携を図るこのまちづくり組織の必要性を市民と共に議論してまいりたいと考えています。
その為にはそれぞれの地域にまちづくりについて、コーディネートをする人材の整備も必要であると考えており、行政や民間の中からいろんな知恵やご意見をいただいて、地域と共に自分たちのまちづくりの為の熱い気持ちを醸成し、しっかりとした地域行政を行っていただく必要があると考えます。


(5)自治基本条例の制定について。



Q・「奈良市でも、自治体の憲法といえる自治基本条例を制定し、市民自治型の市政運営を図るべき」との意見に賛成ですか?自治基本条例制定についてお書き下さい。併せて、自治基本条例に市民投票(住民投票)制度を設けることについての意見もお書き下さい。

A・奈良市では「奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例」を施行しており、この条例に基づいて関連する施策を推進しています。奈良市では自主防災・防犯組織の結成や、中学校区を単位として地域全体で子どもを守り育てる体制を作るなど、様々な分野で自主的に住民自治組織が市政運営に関わっていただいております。今後もこれらの取組を強化、充実していくことが最優先であると考えます。

※政策研究ネットワーク「なら・未来」では、市長立候補予定者には市政の重要課題である「1・財政の健全化について」と「2・市民参画(参加)と協働による市政運営について」の2問について質問を行っていました。「1・財政の健全化について」についても、ぜひご参照ください。


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【公開質問回答ー市民参画編ー池田のり久さん】


池田のり久さんの回答




2.市民参画(参加)と協働による市政運営について


(1)奈良市の市民参画と協働による市政運営の現
状について



Q・奈良市の市民参画と協働による市政運営の現状をどのように認識されていますか。その現状認識と課題についてお書き下さい。

A・奈良市においては、市民参画および協働によるまちづくり条例施行後、4年が経過し、市民の皆様によるまちづくりへの関心は徐々に高まってきているものの、まだまだ市民参画と協働が至る所で進んでいるとは言えない状況にあります。とりわけ、市民の皆様が市政のあらゆる場面でご活躍いただくための仕組みや機会の提供が不十分であると感じております。


(2)市民参画の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民のニーズや意見、提言・提案等を積極的に取り入れる必要があります。「奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例」には、市民参画とは「市の施策の企画立案の過程から実施及び評価に至る各段階において、市民が主体的に参加し、意思形成にかかわることをいう」と規定しています。「奈良市はいま以上に市政への市民参画を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、市民参画を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・市民の皆様が簡単に市政へ参画できる方法としてパブリックコメントタウンミーティングなどは実施されているものの、市民の皆様や市民団体からの提案を受ける仕組みはありません。政策の企画立案についても、市民の皆様と行政が一緒に議論していくことが大切でありますし、市民参画と協働が進むことで、行政の意識改革や体質改善にも繋がると考えておりますので、お互いに協力して問題や課題を解決するという仕組みを制度化したいと考えております。

(3)協働(制度)の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民、自治会などの地域自治組織、NPO、事業者等と行政との協働(パートナーシップ)による公共サービスの供給が求められます。「奈良市はいま以上に市と民間団体との協働を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、協働を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・奈良市は、今以上に市と民間団体との協働を進めるべきであるという意見に賛成です。現在行っている市の事務事業の中で、地域の自治組織、NPO、事業者など民間でも実施できると思われる事業が多くあります。
それらの事業を協働で抽出し、民間で実施することで、協働が飛躍的に進むと考えております。また、このことにより、コスト削減と市民サービスの向上も見込まれますので、是非協働の充実・強化は進めたいと考えております。

(4)地域自治の仕組み(システム)づくりについて



Q・「例えば、小学校区単位で『まちづくり協議会』などの地域自治組織をつくっていくべき」との意見がありますが、このような意見に賛成ですか?小学校区単位における地域自治の仕組みづくりの必要性について、また地域自治の仕組みづくりに求められる行政の支援体制などについてお書き下さい。

A・小学校区単位でまちづくり協議会などの地域自治組織を作るべきであるという意見には賛成です。まちづくりにおける適正な単位は、小学校区であると考えておりますので、それぞれの校区に『まちづくり協議会』を設置し、校区内のさまざまな団体が協力しながら、地域の自立を促したいと考えております。その際には、行政がしっかりとノウハウや知恵、そして財政支援が出来る体制と仕組みを作りたいと考えております。地域の連絡所や公民館に相談・助言ができる人材の配置を検討したいと思います。このことが、自分たちで自分たちのまちづくりを行うという意識を高め、地域コミュニティの再生と活性化にも繋がると考えております。


(5)自治基本条例の制定について。



Q・「奈良市でも、自治体の憲法といえる自治基本条例を制定し、市民自治型の市政運営を図るべき」との意見に賛成ですか?自治基本条例制定についてお書き下さい。併せて、自治基本条例に市民投票(住民投票)制度を設けることについての意見もお書き下さい。

A・「自治基本条例」の制定は必要であると考えておりますので、条例制定に向けて研究したいと考えております。ただ、その前に、まず、市政運営に対し、すべての市民の皆様に興味や関心を持っていただくとともに、地域のまちづくりにも身近に関わっていただけるような仕組みを構築することが、重要であると考えています。また、住民投票制度ですが、自治体運営に必要な制度であると認識はしていますが、常設型の住民投票制度までは、必要ないと考えています。


※政策研究ネットワーク「なら・未来」では、市長立候補予定者には市政の重要課題である「1・財政の健全化について」と「2・市民参画(参加)と協働による市政運営について」の2問について質問を行っていました。「1・財政の健全化について」についても、ぜひご参照ください。


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【公開質問回答ー市民参画編ー大野ゆうじさん】


大野ゆうじさんの回答




2.市民参画(参加)と協働による市政運営について


(1)奈良市の市民参画と協働による市政運営の現
状について



Q・奈良市の市民参画と協働による市政運営の現状をどのように認識されていますか。その現状認識と課題についてお書き下さい。

A・「奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例」が策定され、市民参画と協働の必要性がある程度認識されるようになったと思われますが、市民参画と協働をしっかり根付かせる必要がある。市長の強力なリーダーシップで市民参画と協働の仕組みを作ってい く。


(2)市民参画の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民のニーズや意見、提言・提案等を積極的に取り入れる必要があります。「奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例」には、市民参画とは「市の施策の企画立案の過程から実施及び評価に至る各段階において、市民が主体的に参加し、意思形成にかかわることをいう」と規定しています。「奈良市はいま以上に市政への市民参画を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、市民参画を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・「奈良市はいま以上に市政への市民参画を進めるべき」との意見に賛成です。市民と市長が議論する機会を増やします。今のタウンミーティングは形骸化しているという評価を耳にしますので、新たな手法で市民と自由に話せる機会を作ります。また、市の重要政策の決定では、「役人だけで決めるな」を合言葉に市民や専門家の 意見を聴く仕組みを作ります。

(3)協働(制度)の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民、自治会などの地域自治組織、NPO、事業者等と行政との協働(パートナーシップ)による公共サービスの供給が求められます。「奈良市はいま以上に市と民間団体との協働を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、協働を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・「奈良市はいま以上に市と民間団体との協働を進めるべき」との意見に賛成です。今後は市民の力を借りて行政サービスを充実していく必要がある。協働の方針については、学識経験者、市民団体、自治会、市民などからなる委員会を設け策定し、その方針に基づき協働を進める。

(4)地域自治の仕組み(システム)づくりについて



Q・「例えば、小学校区単位で『まちづくり協議会』などの地域自治組織をつくっていくべき」との意見がありますが、このような意見に賛成ですか?小学校区単位における地域自治の仕組みづくりの必要性について、また地域自治の仕組みづくりに求められる行政の支援体制などについてお書き下さい。

A・小学校区単位における地域自治の仕組みづくりは賛成です。最初は、数地区で実験的な取り組みを行い、その評価を踏まえ他の地域への拡大を検討する。


(5)自治基本条例の制定について。



Q・「奈良市でも、自治体の憲法といえる自治基本条例を制定し、市民自治型の市政運営を図るべき」との意見に賛成ですか?自治基本条例制定についてお書き下さい。併せて、自治基本条例に市民投票(住民投票)制度を設けることについての意見もお書き下さい。

A・自治基本条例制定については他の自治体の経験を踏まえ検討していく。

※政策研究ネットワーク「なら・未来」では、市長立候補予定者には市政の重要課題である「1・財政の健全化について」と「2・市民参画(参加)と協働による市政運営について」の2問について質問を行っていました。「1・財政の健全化について」についても、ぜひご参照ください。

【公開質問回答ー市民参画編ー中村あつ子さん】


中村 あつ子さんの回答




2.市民参画(参加)と協働による市政運営について


(1)奈良市の市民参画と協働による市政運営の現
状について



Q・奈良市の市民参画と協働による市政運営の現状をどのように認識されていますか。その現状認識と課題についてお書き下さい。

A・奈良市の市民参画と協働による市政運営の現状について、「市民が主人公」の市政運営となっているとは考えにくい現状があります。市長の思いつきとも見えるトップダウン市政がその最たるものです。市政への市民の参画と言うとき、取り組もうとする課題に対して、市が明確な方針と計画を示し、率直に市民の意見を聞く機会をもち、その意見を適切に計画に反映させることです。


(2)市民参画の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民のニーズや意見、提言・提案等を積極的に取り入れる必要があります。「奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例」には、市民参画とは「市の施策の企画立案の過程から実施及び評価に至る各段階において、市民が主体的に参加し、意思形成にかかわることをいう」と規定しています。「奈良市はいま以上に市政への市民参画を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、市民参画を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・市民参画の充実・強化については、当然効果的な手立てが求められます。事業の実施にあたっては、計画立案の段階から中期的な視点でその施策に対する市民の意見を求めることです。そのためには情報の公開と企画立案の透明性が求められます。

(3)協働(制度)の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民、自治会などの地域自治組織、NPO、事業者等と行政との協働(パートナーシップ)による公共サービスの供給が求められます。「奈良市はいま以上に市と民間団体との協働を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、協働を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・協働の充実・強化という点ですが、市政は市民のためのものであり、その執行にあたっても市民の参加は重要な課題です。しかし、「パートナーシップによる公共サービスの供給」とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。あくまでも市当局が市民サービスの提供者としての全責務を負い、主体的に執行することが求められます。

(4)地域自治の仕組み(システム)づくりについて



Q・「例えば、小学校区単位で『まちづくり協議会』などの地域自治組織をつくっていくべき」との意見がありますが、このような意見に賛成ですか?小学校区単位における地域自治の仕組みづくりの必要性について、また地域自治の仕組みづくりに求められる行政の支援体制などについてお書き下さい。

A・自治会や地域に根ざした組織などが、自らの地域におけるまちづくりを考え、行動することは大切なことです。しかし、地域自治区などに本来地方自治体が行うべき行政サービスの提供までを任せることには慎重にならざるを得ません。実際に地域自治区制度を導入したけれども、限られた予算しか配分されず、結果として行政サービスが後退しかねない例もあります


(5)自治基本条例の制定について。



Q・「奈良市でも、自治体の憲法といえる自治基本条例を制定し、市民自治型の市政運営を図るべき」との意見に賛成ですか?自治基本条例制定についてお書き下さい。併せて、自治基本条例に市民投票(住民投票)制度を設けることについての意見もお書き下さい。

A・真に市民が主人公となる「自治基本条例」となるような条例化には賛成し推進したいと考えます。また、市民にとって重要な問題については市民投票(住民投票)制度 も必要と考えます。

※政策研究ネットワーク「なら・未来」では、市長立候補予定者には市政の重要課題である「1・財政の健全化について」と「2・市民参画(参加)と協働による市政運営について」の2問について質問を行っていました。「1・財政の健全化について」についても、ぜひご参照ください。


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【公開質問回答ー市民参画編ー天野 秀治さん】


天野 秀治さんの回答




2.市民参画(参加)と協働による市政運営について


(1)奈良市の市民参画と協働による市政運営の現
状について



Q・奈良市の市民参画と協働による市政運営の現状をどのように認識されていますか。その現状認識と課題についてお書き下さい。

A・奈良市まちづくり三条例と呼ばれる条例があります。「奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例」はその一つでありますが、庁内でその意識が徹底できているとは思えません。市民参画とは名ばかりで同じ人ばかりがあらゆる場面で登場しており、団体の代表による充て職も少なくありません。それよりも、本気でそれぞれ所管する案件を検討するメンバーを招集する姿勢が必要であると考えています。


私はこれら三条例(残り2つは「奈良市安全安心まちづくり条例」「奈良市もてなしのまちづくり条例」をまとめ、「自治基本条例」として整理することによって、市民と職員が方向性を共有することが必要であると考えています。また、市民参画の前提となるのは徹底した情報公開です。これに関しても制度的な思考によってあらゆる情報を市民に公開することを先に行うべきです。


(2)市民参画の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民のニーズや意見、提言・提案等を積極的に取り入れる必要があります。「奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例」には、市民参画とは「市の施策の企画立案の過程から実施及び評価に至る各段階において、市民が主体的に参加し、意思形成にかかわることをいう」と規定しています。「奈良市はいま以上に市政への市民参画を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、市民参画を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・もちろん「奈良市はいま以上に市政への市民参画を進めるべき」との意見に賛成です。現在のような情報公開レベルでは十分な市民参画が行われるはずもありません。欲しい情報が情報公開請求によってやっと出てくるような状況では現状を改善することはできません。現在の市政運営が、主権者である市民が主体的に参加している状態だと感じる市民は皆無ではないでしょうか。よって条例にて定められたものを形式的に整えているに過ぎない状況が現実であり、これでは行政のムダが無くならないのも無理はありません。私は常設型市民会議の設置や市民監査制度、さらに迅速なパブリックコメントを行うためのWeb アンケートなどの新しい制度を提唱しています。市民とともに歩む市政は現在の市政運営では決定的に欠けていると感じています。

(3)協働(制度)の充実・強化について


Q・これからの市政運営には市民、自治会などの地域自治組織、NPO、事業者等と行政との協働(パートナーシップ)による公共サービスの供給が求められます。「奈良市はいま以上に市と民間団体との協働を進めるべき」との意見に賛成ですか?併せて、協働を充実・強化する方策や制度提案についてお書き下さい。

A・「奈良市はいま以上に市と民間団体との協働を進めるべき」との意見に賛成です。特にNPO に関しては単なる格安下請けといった位置づけに陥っているように感じます。そのため彼らは受託事業で手一杯になり、受託が継続されないリスクに恐怖感を感じています。このような受託事業への依存性が増大している状況では彼らのミッションに手が回りません。本来の協働とは格安委託事業を行うことではなく、ともに考えまちづくりをしていくことではないでしょうか。
奈良市では人権文化センターの閉鎖を数多く行いました。京都市のように、こうした施設を活用した活躍の場の提供を行い、彼らの目指すミッションを実現しつつ、運営資金捻出ができるだけの委託事業を安定して継続する必要があります。単なる合理化のため、現在は十分な市民団体との協働が図れているとは言い難い状況にあります。

(4)地域自治の仕組み(システム)づくりについて



Q・「例えば、小学校区単位で『まちづくり協議会』などの地域自治組織をつくっていくべき」との意見がありますが、このような意見に賛成ですか?小学校区単位における地域自治の仕組みづくりの必要性について、また地域自治の仕組みづくりに求められる行政の支援体制などについてお書き下さい。

A・地域自治システムに関しては全面的に見直す必要があると考えています。ただし、新たに『まちづくり協議会』といった組織を作るのではありません。自治会加入率や連合会加入率、さらに万青加入率などが大幅に低下している現状、さらに地域には数多くの自治組織があるものの、同じ人が多くの団体にて活動している状況では本来の住民自治に支障を来たしているのではないでしょうか。例えば福祉関係では同じような活動を複数の団体が行っているケースもあります。


私は各小学校をコミュニティスクール化し、ここを拠点として各地域の住民自治を行うべきと考えています。特に自主防災予算が連合会単位に支給される現状においては、自治会によって市の支援に偏向が生じてしまいます。よって、数多くある住民自治組織を改編し、地域自治力が高まるような組織を再構築すべきと考えています。


(5)自治基本条例の制定について。



Q・「奈良市でも、自治体の憲法といえる自治基本条例を制定し、市民自治型の市政運営を図るべき」との意見に賛成ですか?自治基本条例制定についてお書き下さい。併せて、自治基本条例に市民投票(住民投票)制度を設けることについての意見もお書き下さい。

A・(1)でも述べたように、奈良市には自治基本条例に代わるものとして「まちづくり三条例」が既に存在しています。そしてこれらを統合して自治基本条例とすることにより、わかりやすいまちづくり条例になると考えています。よって設問にあるように新たに自治基本条例を定めるのではなく、整理統合・発展するものとして制定すべきと考えています。


住民投票制度については議会の理解を得なければなりません。二元代表性にあって、市民の直接請求権というのは大幅に制限されています。しかし現実に直接請求できるものもあるわけですから半間接民主制でもあると言えます。よって、重要な案件については住民投票制度によって住民の意思を確認する必要があると考えています。議員は市民の代表ではありますが、地域、支援団体など、かなりバイアスのかかった代表であることも事実です。よってこの制度は必要であると考えています。

※政策研究ネットワーク「なら・未来」では、市長立候補予定者には市政の重要課題である「1・財政の健全化について」と「2・市民参画(参加)と協働による市政運営について」の2問について質問を行っていました。「1・財政の健全化について」についても、ぜひご参照ください。


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