古本市で本を買う


5月17日の日曜日、前橋市敷島公園で「敷島。本の森」ブックマルシェという古本市に行ってきました。
フリッツ・アートセンターという素敵な絵本屋さんが中心になって開催しているイベントです。
古本市の他にも、哲学者・内山節さんの哲学塾や萩原朔太郎記念館(生家を移築したもの)での「花と詩の森コンサート」、ツアー型演劇作品「ウォーターブック」などなど、様々なものが行われていました。
16日土曜日には、「しきしまナイトスクリーン」と銘打たれた野外上映会があり、80年代に活躍したアメリカのバンド、トーキング・ヘッズのライヴ映画『Stop making sense』が上映されました。それを観に行ったのですが、「野外上映」というものが久しぶりだったので、そのことに感動してしまいました。子供の頃はけっこう行われていたのを思い出しながらの鑑賞はとても印象深いものになりました。ただただライヴ映像が流される内容でしたが、それが素晴らしく何度も震えました。個人的なライヴ映画ブーム到来の予感です。


さて古本市。
群馬県の古本屋さんの他に、東京都や長野県などからも出店していました。
昨年と同じ古本屋さんも来ていて、そこで爆(?)買いをしました。
その古本屋さんは東京・吉祥寺から来ていた「百年」という名のお店。
昨年は何気なしに立ち寄りながらあまりに素敵な本がたくさんあったので、1km位先にあるコンビニまでお金をおろしに行ったほどです。確か1万円くらい買ったと思います。
その記憶があったので今年も期待していました。
いざ行ってみると、昨年と形が違っていて100円均一、300円均一コーナーなどができていました。
ほとんどがハードカバーで、よく名の知れた方や書名もあり、「わお!」と一気に興奮してしまったのですが、次の言葉でさらに興奮しました。


「1冊300円で、10冊だと2,000円です〜」


「わお!わお!」
それを聞いた途端、10冊選びが確定しました。こういう場合大抵5冊くらいはひょいひょい決まるけど、その後が続かずに数合わせで残り5冊を埋めたりするものですが、今回は10冊ひょいひょい決まってしまいました。
昨年の「百年」さんと僕の相性は今年も生きていました。


『主体の変容』三浦雅士さん
『閉ざされた言語空間』江藤淳さん
伊豆半島』(写真集)
『アートを始めるまえにやっておくべきこと』椿昇さん+後藤繁雄さん
『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』村上春樹さん
『敗北の構造』吉本隆明さん
『現実の向こう』大澤真幸さん
『柔らかな犀の角』山崎努さん
『日本という身体』加藤典洋さん
『いろんな色のインクで』丸谷才一さん



の10冊。ごつくて、重い、けど気分を軽やかにさせる本の数々。
これに100円均一のものも数冊追加してお会計をしたところ、2,500円というお値段!
下手するとハードカバーの新刊1冊と同じくらい!
ずっしり重い紙袋を渡されたときは嬉しかったです。


僕は本屋さんで本を買うのが好きなのですが、その一つに「本の重さ」があります。
読書は買う前から始まっていますが、買った直後よりその行為は一気に加速します。
その要因が「本の重さ」だと思います。ずっしりくる確かな重量が、「ああ、本を買ったんだな」と感じさせ、その本との関係がより近くなります。
だから、1冊を買うのより、数冊買う方が僕は好きです。より重量を感じることができるので。


二重にされた紙袋に入れられた本の冊数は18冊でした。
重量満点。今後の特別な関係を想像すると嬉しくなったのでした。


しかし、いつ読むのかは、全く想像できませんが(笑)。